月別アーカイブ: 2008年5月
6回目の授業・社会はこうなっている
第1次勧告へ向けて
23日の経済財政諮問会議で、「地方分権」が議論されました。分権委員会第1次勧告の作業が大詰めに来ています。道路や河川などについては、一部が国直轄から地方へ移管されるようです。これは大きな前進ですが、分権委員会の主張と比べると、まだ十分ではありません。また、諮問会議有識者は、国の出先機関の地方移譲を主張してこられました。しかし、国(出先機関)の権限が地方に移らないと、出先機関を地方に渡すことはできないのです。今日の有識者資料では、次のように主張されています。
「国と地方の役割分担は、次の大原則で振り分けるべきである。
【大原則】
地方ができることは、地方に委ねる。国は、全国的に統一して定めることが必要な事項に限り、標準となる基準を示すにとどめる。個別の運用については、地方がその実情に応じて、実施する。国は、必要に応じその事後チェックを行う。
・例えば、農地転用の許可にあっては、国として農地の総量を確保するための仕組みを講じ、事後チェックを強化しながら、個別の農地の転用については、国による許可権限の移譲や国への協議の廃止ができないか。」
そのとおりですね。義務教育だって国が基準を決めて、授業は市町村が担っています。農地転用許可も、一つ一つを国が行う必要はありませんよね。全国で一定規模の農地を確保する必要があれば、それを法律などで決めるべきでしょう。
これを受けて、総理は、次のように発言しておられます(大田大臣の記者会見での紹介によります)。
「丹羽委員長には、勧告の取りまとめに御尽力いただいて、お礼を申し上げたい。地方に任せられないと言っていると、いつまでたっても地方分権というのは進まない。住民にとって、より便利になるように、前に進めていかなくてはいけない。地方自治体も、国に依存するのではなくて、なすべきことを自らの責任で決定するように意識を改革していくことが重要だ。
民間議員提案の中に地方分権の大原則が書かれておりますが、大原則は、民間議員提案のとおりだと思う。増田大臣には、この大原則に立って知恵を出し、各省と意見の隔たりがあるところは、地方分権に向けて着実に前進させてほしい。私からも各大臣に、内閣の一員として分権を進めるよう指示しているところだ。」
道州制
20日の日経新聞経済教室「再考・道州制」は、齊藤愼教授と中井英雄教授の「財政的公平と効率追求を、道州間で水平調整」でした。道州制を単なる府県合併に終わらせるな、市町村を重視し道州はコンパクトに、と主張しておられます。(5月20日)
22日の日経新聞経済教室「再考・道州制」は、中村邦夫経団連副会長の「まず、国の出先機関改革を」でした。日本の課題の根本的解決へ、道州制導入を。行政サービスの向上、出先機関の整理で。地方への人材再配置で、地域活性化急げ、を主張しておられます。
心強い御主張です。経済界が主張してくださるの、ありがたいですね。ぜひ原文をお読みください。
日本の開国度
20日の経済財政諮問会議で、対日直接投資が議題になりました。有識者提出資料の最後に、開国指標が付いています。イギリスを満点とした場合の、アメリカと日本の数値が5角形で示されています。あまりの違いにびっくりします。ぜひご覧ください。