規制の新設

28日の諮問会議では、規制の新設過程のチェックも議論になっています。現在ある事務事業をスリム化しても、新たに仕事を増やしては、尻抜けになるからです。
新たな規制の新設には、事前の政策評価が義務付けられれています。昨年3月に政策評価法施行令が改正され、項目が追加されたのです。しかし、民間議員ペーパーでは、自己評価であることなどの問題点が指摘されています。
課題の一つは、所管省の評価だけでよいかということです。規制は、いろんな方面に影響を与えます。例えば、過度の安全規制は、経済に悪影響を与えます。伊藤隆敏先生が、3月1日の日経新聞で、空港外資規制見直しについて、次のように述べておられます。
・・市場原理をうまく機能させるためには、規制をすべてなくしてしまえば良いというわけではない。安全保障など国の根幹にかかわる部分を守るために必要な規制もある。その際には、最小限で最も効果を上げられる規制のあり方を、慎重に探る必要がある。
所管省庁だけが縦割りで検討するのではなく、政府の規制改革会議や経済財政諮問会議の場を活用して、省庁横断的に多様な観点から規制の影響を分析・評価して判断すべきだ・・
もう一つは、規制の増殖をどう抑制するかです。
官僚の力は、金・組織と人・権限の3つだと言われます。お金については、財務省主計局が予算査定によって管理しています。組織と人については、総務省行政管理局が組織定員査定で管理しています。権限(許認可・規制)については、統一して管理されていません。もちろん、お金や人と違い、規制は数字で数えることは難しいという性質もあります。
大きな政府と小さな政府が議論になる際、日本は予算と定員では諸外国と比較して、大きな政府ではありません。しかし、この規制の量と範囲、そして国民がどれだけ官に頼るかが、大きな政府イメージをつくるのだと思います。

講演録やインタビュー

(3)官僚論
インタビュー「官僚論月刊『時評』2004年10月号

高橋 潤二郎先生との対談「行政改革と地方自治」、季刊「ユニバーサルデザイン」17号(2005年11月)
私の発言の見出しは、「こんなんじゃ日本はぜんぜん変わらへんやないか、官僚がこんなんでええのか」です。先生の発言の見出しは「新しい時代には、新しい思考の枠組みをもつ官僚が日本を背負うべき」です。この記事を見た職員は、「実物よりよく写ってますね」と言ってくれました。喜んで良いのかどうか・・。
今回の「場違いな対談」は、先生が拙著「新地方自治入門」を読んでくださって、「おもしろい、官僚にもこんなのがいるのか」ということで、ご指名をいただいたそうです。一般の書店には並んでいませんが、ご関心のある方はお読み下さい。
先生は、「岡本さんは、東大法学部ですか」と聞いてくださいました。「あなたの物の見方は、法学部ではないですね」という指摘です。これも喜んで良いのかどうか・・。私が「大学時代は、法律以外に政治学と京都大学人文科学研究所の今西錦司・梅棹忠夫・加藤秀俊先生らの著作を読んでました」といったら、先生も納得してくださいました。

学生の緊張と感激―教育水準を保つ工夫― 消防庁広報誌『消防の動き』2010年3月号巻頭言)

「最高の教育訓練のために-学生の負担が増え学生が喜ぶ授業」2010年9月、『消防大学校学友会報』第114号

「巻頭言」月刊『自治フォーラム』2011年1月号(第一法規)
自治大学校での研修の在り方について述べました。