9日の朝日新聞社説は、「道路と自治体―分権の視点はどこに」でした。
・・・歴代の首相は口をそろえて「分権推進」を強調してきた。小泉元首相の「三位一体」改革の掛け声はその代表例だ。なのに、中央官庁は権限をなかなか手放そうとしない。財源移譲となればなおさらだ。地方の財政は細るばかりというのが首長らの実感だろう。 その結果、知事や地方議員らはことあるごとに上京し、中央官庁や与党を陳情に歩かねばならない構図が続いてきた。 そんな状況を変えたい。権限と財源を自治体に移し、限られた予算をどう使うか、もっと住民に近いところで決めるべきだ。それが分権の考え方である。 道路整備についても同じはずだ。地域が真に必要とする道路はどれなのか。福祉や教育、医療などの行政需要と比べ、どの程度の予算を道路に振り向けるのが適当なのか。自治体の長や議会の判断で決められるようにしてこそ、効率的で無駄のない使い方ができるようになる。 そう考えれば、自治体側が訴えるべきことは明らかだろう。中央が握っているいまの道路財源を大胆に地方へ移す。そして、道路にしか使えないという特定財源の仕組みを廃止し、何にでも使える一般財源にすることだ。・・・