8日の朝日新聞変転経済「金融危機10年」は、1990年代の公的資金投入の経緯です。
銀行の不良債権の存在と、それへの対応の必要性は、早い段階から指摘されていました。しかし、その手始めである住専への6,850億円投入が、大きな議論を招きました。その後遺症もあり、銀行への投入が進みませんでした。記事では、官邸・与党の動きが鈍かったこと、情報が十分開示されなかったこと、所管省が対応をとらなかったことを、指摘しています。
政策変更時や危機対応時の、政治と行政の役割を考える、よい材料です。
内閣府から、「地域の経済2007-自立を目指す地域経済」が、発表されました。インターネットでも見ることができます。図表が多いですが、文章はそんなに多くないので、ご関心のある方は、ご覧ください。簡単には、最後のページ「おわりにー自立構造を模索する地域経済」をお読みください。今回の景気回復過程で、地域間のばらつきが指摘されています。そして、地域間格差は政治問題になっています。いくつも興味深い分析がされているので、参考になると思います。
今回の景気回復は、製造業が牽引していて、製造業の比率の高い地域が好調。公共投資が減って、それへの依存度が高い地域ほど減っている。建設業に代わる雇用の場がなく、就業者全体が減っているところもある。公務員数は減少しているが、全体の就業者数が減っているので、公務員の比率が上がっている地域がある。工業立地件数は1990年代前半に激減、海外生産比率は着実に上昇(図1-1-14)。設備投資額1億円につき、0.5人の新規雇用が発生(図3-4-6)。