31日の朝日新聞が、国の行政改革の影響で、地方のハローワーク(職業安定所)が廃止されることを解説していました。その中で、地方団体が「国がやらないなら地方にやらせてほしい」と主張していることが、紹介されています。また、経済財政諮問会議は、職業紹介業務を民間に開放することを求めています。しかし、厚生労働省は、「雇用の確保は最低限のセーフティネット」であり、国が担うべきだとして拒否しています。
私は、地方団体に移管し、民間開放もすべきという考えです。セーフティネットであっても、国が直接執行していない分野は、たくさんあります。義務教育・生活保護・保育園・介護保険・警察などなど。命に関わる医療も、民間の医師や病院がやっています。「セーフティネットだから」という理屈は、通りません。国として一定の基準を定め、実行は地方団体なり民間に委ねればいいのです。
住民の雇用の場確保や紹介は、地方団体にとって、重要な責務です。それについて、知事や市長が手を出せず、責任も持てないのです。企業誘致をしても、従業員確保はできません。地域の問題なのに、国の行革で減らされては、市長もたまったものではありません。実は、地方行政にとって、労働行政は最も「縁遠い」分野なのです。ほとんどの業務が、国の直接執行となっていて、地方団体ができることはありません。職業訓練校くらいでしょうか。厚生労働省が、本当に職業紹介業務を充実しようとするなら、基準を決めて地方団体に委ねるべきでしょう。