16日の東京新聞「時代を読む」は、佐々木毅教授の「閉塞状態から脱出するには」でした。そのうち、官僚制に関わる部分を一部抜粋します。詳しくは原文をお読みください。
・・今年は・・政治の話題に事欠くことはなかった。しかし、外見上の派手な動きにもかかわらず、総じて気が滅入るような雰囲気が社会全体を覆っている。その原因の一つは、相次ぐ「行政の失敗」である・・
行政の感度の鈍化は、行政不況のような由々しい事態を招いている。労働市場において、公務員という職種が「負け組」になっているという指摘はいわれて久しい。これでは、劣化は進むばかりである。放っておいて、事態が改善する見込みはない。このままでは、公務員集団は社会の中で異物化しかねない。
かくして公務員制度の改革は「やるかやらないか」という選択の問題でなく、「いつやるか」という選択の問題になった。生かしうる人材を生かすためにも、それは欠かせない。当然のことながら、「政権は握っていたい、しかし使用者責任は御免だ」という話はもう終わりにしなければならない。政権に使用者責任がないといった話を、もはや誰も信じていないのである・・