2007.10.13

今日は、第3回目の授業。順調に進み、そして例によって少し遅れています。最初は地方自治の仕組みの解説なので、学生にとっては、あまりおもしろくないところもあります。なるべく実例を入れて、身近に感じてもらえるように、そして理解してもらえるように、工夫しています。
各回の出席者数は、50人足らずで安定してきたようです。毎回入れ替わり何人かの欠席者もいるので、資料は60人分が必要です。

1周年

昨年10月11日に再チャレンジ室が発足してから、1年が経ちました。職員のみんなには、大変な苦労をかけました。1年が経って、こう言えますが、走り出した頃の毎日は、それはそれは大変だったのです。机もパソコンもない部屋に、職員を集めたのが、その日でした。「再チャレンジって何」という職員ばかりでした。私が、東大大学院授業から、突然「帰ってこい、指示がある」と内閣官房から言われたのが、10月5日です。
正確には、昨日が1周年です。今日366日目に、「大1周年記念大会」を、銀座で開催しました。といっても、ささやかな飲み会です。OBも参加してくれて、すごく盛り上がりました。このような会は、苦労の数ほど盛り上がります。それぞれのスピーチで、何が大変だったかを述べてもらいました。やはり、「最初、今どこに私たちがいるか、どちらに向かっているかが、分からないのがつらかった」というのが、共通の感想でした。その後、2か月でプランをまとめ、法律改正の道筋をつけたことで、落ち着いたとのことです。方向がわかれば、官僚はちゃんと仕事を進めてくれます。
職員が述べた不安と不満は、室長としてよく理解できます。私自身が、当時、どちらに向かうか、わからなかったのですから。でも、管理職って、こんなことは珍しくありません。県庁の財政課長、総務部長の時は、もっと、わからないことだらけでした。そんなときは、部長や副知事、最後は知事に、確かめに行きました。私の思っていたとおりだったら「安心」、そうでなかったら「良かった、直ちに方向転換」、上司もよくわかっていなかったら「これまた安心」でした。その点では振り返って、「最初の2か月の舵取りは、間違っていなかった」と自己評価しています。誰も評価してくれませんがね。でも、県庁と違って、官邸と霞ヶ関との距離感の難しさを、実感した1年でした。共に苦労してくれた職員が、これからの仕事に、この経験を生かしてくれれば、仕事(上司)冥利に尽きます。

危機管理

今日12日早朝、東京は非接触型定期券・パスモとスイカが使えない自動改札が生じて、混乱しました。その際に、自動改札をやめて、改札なしで通した駅がありました。そうしないと、たぶん大混乱が生じたでしょう。私は、この判断は正しかったと思います。しかし、この判断は、かなり難しいものです。
こうすると、切符を持っていない人が、通る恐れがあります。ただ乗りを防ぐことができません。いちいち確認をしようとしても、駅員が少なく、とても確認はできません。定期券でない人には「切符を買ってください」と呼びかけた駅もあったそうです。趣旨はわかりますが、これは「まじめな人が馬鹿を見る」ことになりかねません。
また、いったん自動改札を通った人がいると(故障していない駅もありました)、その人は、出るときも自動改札を通る必要があります。パスモのカードは入場を記録するので、自動改札を通らず出た人は、その記録を訂正しないと次に入場できないのです。今日の夕方、帰宅する人たちをどうさばいたか、これも検証して欲しいです。
パスモとスイカを使える駅は、すごい数です。一駅だけが臨機応変の判断をしても、全体では大変な混乱を招きます。今回、どのような判断で、このような処置をしたのか。マニュアルはあったのか。検証して欲しいです。

2007.10.11

朝晩すっかり涼しくなって、秋ですね。ご近所のキンモクセイが、甘酸っぱい香りを運んできます。虫の音も大きく。
毎週、朝日新聞は水曜日の夕刊に、読売新聞は火曜日の夕刊に、東京近辺の美術館と博物館の催し物一覧が載ります。「これとこれは行かなければ」と、切り取ってあるのですが。あっという間に1週間が過ぎて、「あれー、もう1週間が過ぎたのか」の繰り返しです。でも、そのうちに展覧会は、終わってしまうのです。

講演のコツ

このホームページを見てくださっている方から、「引用しました」との連絡をいただきました。それぞれに、人前で話すことに苦労しておられますね。私も、毎回満足できない結果に終わっています。あそこは、こうすれば良かった。ここは切り捨てるべきだった、とか。
事前準備の際には、これもしゃべりたい、あれもしゃべりたいと、欲が膨らみます。資料をたくさんつける付けるのも、時間不足の原因です。「時間が余ったらどうしよう」と心配になるのです。でも、時間が余ったことなど、ないのです。
若いときは、事前に予行演習をしましたが、最近は、ずぼらになって・・。私は、講演の際には、必ずレジュメを配ります。全体像をつかんでもらうためです。また、今どこをしゃべっているか、観客にわかってもらうためです。そして、手持ちのレジュメには、しゃべる詳細のメモのほか、おおむねの時間配分を、15分単位で書き込んであります。ところが、この目安を守らないので、時間が足らなくなります。
その点、大学の授業は次回があるので、気が楽です。また授業では、一番大事なことはレジュメに載せません。それは黒板に書いて、学生に書き取ってもらいます。これが、学生の居眠り防止・大切な点を覚えてもらうコツです。
講演会は、なかなか起承転結、序破急には、なりません。最近の講演会では、最初の5分間で笑いから入る場合と、最初の5分間で結論を話す場合とを、使い分けています。失敗するのは、しばしば前者の場合です。笑ってもらえなかったり、そのまま脱線するのです。
「力が入って血圧が上がっているな」と自分で気がつく場合も、失敗が多いですね。しゃべるには、ある程度電圧が高くなければ元気が出ませんが、自分で興奮していては冷静に話すことができません。しゃべり手の電圧と聞き手の受容度は、ある程度までは比例しますが、それ以上になると乖離するようです。観客の表情を見て、うまくかみ合っているのがわかると、調子が出ます。この時は、うれしいですね。
うまくいかないときは、落ち込んでしまいます。帰りの新幹線の中で、しばらくして落ち着いてから、「ここは受けたな」とか「ここは、思ったほどは受けなかったな」「これは関心を持ってもらえないか」と振り返り、次への反省材料にします。でも、次回また失敗し・・。
「匿名の人は相手にしない」ことにしていますが、実名を名乗ってのご連絡だったので、取り上げました。