9日の日経新聞「YEN漂流」は、外国為替資金特別会計を取り上げていました。この会計は、円高時に、ドル買い円売りで介入します。財源は政府短期証券とのことです(1年未満の国債。地方団体だと一時借入金のようなものといったらいいでしょうか)。ドルを買うので、結果としてドル(外貨)が残ります。それがたまって、9千億ドル(約100兆円)になっています。
これだけなら、借金で財産を築いたので、純資産はありません。円ドル相場が変化してドル高になると、持っているドルの価値(円での評価)が上がり、プラスになります。例えば100円借金して1ドル買ったとします。その後、ドルが値上がりして1ドル=120円になると、借金は100円なのに、持っているドルは120円になっているのです。
また、アメリカ国債で運用しているので、金利が収入になります。日本の短期金利(調達金利)と、アメリカ国債の金利(運用利息)との差が、収入になるということです。
ということは、この金利差が縮まると利益は減ります。また、円高になると、持っているドルの価値は減ります。持っているドル=アメリカ国債を徐々に売るのが一つの選択肢ですが、難しい問題もあるようです。
私も詳しくはないのですが、多くの人は、この特会を知らないのではないでしょうか。