2日の朝日新聞「証言でたどる同時代史」は、「賃上げ春闘の終焉」でした。高度成長期以来、「みんなで一緒に豊かになろう」と、春闘方式で給料を上げてきました。それは、労働組合が横並びで交渉し、賃金表を引き上げる(全員の給料が上がる)というものでした。ベースアップ=ベアです。それが、2002年に終わりました。
企業の業績が悪化したこと、企業間のばらつきが大きくなったこと、右肩上がりでなくなり、また業績評価の導入によって全員の賃金を引き上げることが難しくなったことが、背景にあります。
このような労組もまた、右肩上がりの時代の産物だったのでしょう。みんなで一緒に給料を上げようというのは、右肩上がりの時代でないとできません。給料のパイが大きくならないとき、そして年功序列・平等取り扱いが崩れ業績評価が大きくなると、そのようなことは続けることはできません。正規職員と非正規職員との間に大きな差がつくときに、正規職員を組織した労組は既得権擁護となります。パートや派遣が3分の1を占め、その人たちが労組に入っていません。労組の組織率が、20%を下回りました。しかも日本の労組は、産業別でなく企業別です。