26日の日経新聞「雇用ルールを問う」は、第2部再挑戦の土俵「横たわる労・労の壁」でした。
「フリーターを正社員として採用するか」。この夏、日本経団連が会員企業に聞いた。人手不足感が強まる中でも、9割の企業は消極的な解答で、積極的に採用するは1.6%。企業は、好不況の波をしのぐ調整弁として非正規雇用を必要とする。転職しながら仕事を学び力を磨き、職場を探す人も多い。それに見合った柔軟な雇用の仕組みがないと、再挑戦は難しい。もう一つの問題は、非正社員と正社員との間にある大きな待遇差だ。新しい雇用ルールづくりを目指す厚生労働省の労働政策審議会。正社員の既得権を守ってきた労働組合代表と、非正社員の人件費増による競争力低下を懸念する経営者代表は、ともに腰が据わらず、本質的な議論が始まらない。
また、同紙「経済教室」で、西村和雄教授は「教育改革、方向誤るな」の中で、次のように述べておられます。
「安倍政権の公約の一つは、再チャレンジを可能にすることだが、フリーターやニートと呼ばれる若者にとり、中高年の失業者と同様、再就職や正規の職を探す際に最も障害となるのが、採用時の年齢制限である。わが国では、2001年に、採用条件から年齢制限を外す改正雇用対策法が施行された。にもかかわらず、求人広告では堂々と年齢制限が書かれている。しかも年齢制限には、就業する職場での差別を禁止した、男女雇用機会均等法によっては、結婚や出産など抑止できない形の男女差別が含まれている」
「もし、年齢制限を廃止するなら、中高年、若年未就業者だけでなく、結婚や出産を機に退職した女性にも、再チャレンジの機会を与える。また、より広い世代の人材から適材を見いだして活用することが可能になる。いっそ、まず政府が、国家公務員の採用試験を受験する年齢制限を廃止してはどうであろう」