3日の日経新聞経済教室「道州制への視点」は、岩崎美紀子教授の「分権型国家を目指せ。焦点は権限移譲、全国一律規制を見直し」でした。「以前の道州制論は、効率化と広域行政がその積極的支持理由となっており、分権は官治分権が暗黙の了解となっていた。これに対して現在の道州制論議は市町村合併の進展が一つの契機となって浮上し、府県の区域が狭小であることへの問題意識は継続しているが、その中心テーマとなっているのは自治分権である」
「日本は先進諸国のなかで最大の単一制国家である・・。国土は南北2千キロメートルに及ぶ列島や離島により構成され、地域により自然や気候が異なっている。しかしどこに行っても同じような街並み、同じような教育システムで、個性に満ちた魅力的空間とはなっていない。その一方で東京一極集中は加速を続け、東京都それ以外というゼロサムゲームのなかで地方は疲弊している。これらの原因が単一制にあるならば、解決するには連邦制への移行が必要となるが、日本の問題は単一制度にあるわけではなく、中央省庁の省令などによる全国一律の画一的規制の強さにある。これが閉塞感をもたらし創造力をそいでいる」
連邦憲法を制定せずとも、分権国家を実現することは可能である。道州制はそのような国家刷新改革の切り札ともなるべきものであり・・」