6月28日の読売新聞夕刊に「10代の居場所 全国に続々 共働き世帯増、教員不足」が載っていました。
・・・中学生や高校生が安心して過ごせる「居場所」作りに取り組む自治体が増えている。家庭や学校だけでは、悩みが多い若者をサポートできなくなっているからだ。居場所が増えることで、自己肯定感やチャレンジ精神が高まる効果も期待されている。
千葉県柏市のJR柏駅近くにある「中高生の広場」は5月下旬の夕方、70人の中高生でにぎわっていた。
無料の飲み物を手におしゃべりする女子高生や、黙々と自習する男子高生、備品のトランプやボードゲームで盛り上がる中学生もいる。市職員や大学生スタッフの5人は子どもと談笑したり、静かに見守ったりしている。
広場は昨年12月、百貨店だった建物を改装した複合施設の5階に、同市が開設した。月曜日を除く平日は放課後の午後3時半から、土日や長期休みは午前9時から開く。300人以上が集まる日もある。
ボードゲームで遊んでいた高校1年の磯野泰希さん(15)は「無料で自由に過ごせて居心地がいい。秘密基地みたい」と笑顔だ。
居場所作りに取り組む認定NPO法人カタリバ(東京)の調べによると4月時点で、少なくとも40自治体が中高生の居場所を設置している。同法人の吉田愛美さん(33)は「共働き世帯の増加や学校の教員不足もあり、人間関係や進路など悩みの多い10代に、家庭や学校だけで向き合うには限界がある」と指摘する。
こども家庭庁も、2023年末に策定した子どもの居場所作りの指針で、地域のつながりの希薄化や、不登校や虐待の件数が増加する現状を踏まえ、子どもの居場所作りに取り組むよう各自治体に促した。
神奈川県鎌倉市は昨秋、青少年会館の2階に中高生の居場所「COCORU(ココル)かまくら」を新設した。市職員が2人常駐する。市の担当者は「悩みがあっても、学校や家庭で助けを求められない中高生は多い。親や先生以外の地域の大人と信頼関係を築く場所にしたい」と意気込む・・・