カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

勉強する部屋づくり

1月20日の日経新聞「すっきり生活」に「勉強がしたくなる部屋の作り方 ロジカル片付け術」が載っていました。
・・・「今年こそ資格を取得してスキルアップしたい」。元旦に立てた目標も、いざ実践するとなるとなかなか難しい。自宅のレイアウトを見直すことでやる気を出せるかもしれない。
まずは勉強する場所をみてみよう。リビングやダイニングで勉強をする際、家族と目が合う方を向いていないだろうか。家族が動くたび、目の前の作業が分断され、集中力が途切れてしまう。壁や窓の方向を向き、お互い背中合わせで作業するのが理想だ・・・

記事ではその後に、さまざまな工夫が載っていますが、ここでは重要な点を紹介します。それは、集中を妨げるものを排除することです。趣味の品々、読みかけの本、テレビ、お菓子・・・。

家で仕事に集中できないことには理由があります。
まず、職場と違って、家はくつろぐ場所です。家の中の仕組みも品々も、そのようにできています。そして私たちの意識が、「家はくつろぐ場所」と思い込んでいます。
次に、居間にしろ食卓にしろ、誘惑だらけです。部屋の配置や家具を動かすことは難しいので、せめて目に入る範囲の「誘惑物」を隠しましょう。

タテ社会をヨコに生きる

1月25日の読売新聞夕刊「追悼抄」に加藤秀俊先生が取り上げられていました。私は大学時代に先生の著作に触れ、目を開かされました。
記事には、「生まれつきの好奇心と独学の精神、「タテ社会をヨコに生きてきた」と自負する行動力が持ち味だった」とあります。そうですね、先生の研究やかつての京都大学人文研には、専門分野を超える独自性がありました。

私も、そうありたいと思っていました。広く天下国家のことを議論できると思って官僚になったのですが、タテ社会である行政、そして各省ごとの縦割りは厳しい世界でした。縄張り争いなどをしていたのです。
そのような中で、違った世界の人との付き合いは、視野を広げてくれました。「異業種交流会」という名の夜の飲み会も、身内や同業者との懇談(傷のなめ合い)よりずっと勉強になりました。

時に私の言動について、「官僚らしくない」「霞が関の治外法権」という評価をうけましたが、私にとっては勲章でした。「出すぎた杭は打たれない」という座右の銘(?)もありました。
タテ社会をヨコに生きることはできませんでしたが、タテ社会をナナメに、そしてタテ社会を少しははみ出して生きることができたようです。

ダイハツ自動車性能試験不正

昨年12月から、自動車会社のダイハツで性能試験で不正を行っていたことが明らかになり、大きな問題になっています。2022には日野自動車でも排ガス・燃費性能を偽っていたことが明らかになりました。

12月30日の朝日新聞「ダイハツ不正の闇:下」「現場を追い詰める、業界の構図 各社で不祥事、問われる経営」に次のような指摘があります。
・・・「上司や他部署は『スケジュールの遅延は決して許さない』という強圧的な態度だった」
「『できません』『分かりません』は言えず『やるのが当たり前の文化』」
これは今回、大規模な不正が明るみに出たダイハツ工業の話ではない。2022年に排ガスや燃費の性能を偽る不正が明らかになったトラック大手・日野自動車が設置した、特別調査委員会によるアンケートに答えた従業員の声だ。
同年8月に公表された日野の特別調査委の報告書によると、人員や時間が不足するなかで「身の丈に合わない」事業戦略が推し進められ、「開発スケジュールが絶対視」されたことが不正の直接的な原因となったという。
無理な「短期開発」が推し進められ、「『できない』が言えない雰囲気」が組織風土となっていたと第三者委員会が指摘する、今回のダイハツの問題とうり二つの話だ。

失敗が許されず、問題を起こした部署は過剰な批判にさらされる点でも両社の話は共通している。
日野では、ミスを起こした部署や担当者が衆目の中で責められる姿が「お立ち台に上がる」と揶揄されるなど、「パワハラ体質」もはびこっていた。ダイハツでも「『失敗してもいいからチャレンジしよ』でスタートしても、失敗したら怒られる」「担当者が会議でつるし上げられたり、必要以上の叱責を受けたりすることがある」という実態があった・・・

2社ともトヨタグループです。幹部は、トヨタから派遣されているようです。
12月29日の「ダイハツ不正の闇:中」「トヨタの下「来た仕事断れない」 低コストが利点、OEMで増産担う」には、次のような記述もあります。
・・・トヨタには、現地を訪れて実際にものを確認してから物事を判断するという意味の「現地現物」という言葉がある。創業時から大切にされてきたものだ。
ただ、ダイハツの認証試験の現場は、この言葉とかけ離れた状態だった。第三者委の報告書によると、「管理職が多忙で、現場の業務や実情を理解する余裕がなかった」「相談に行っても『どうするんだ』『間に合うのか』と詰問するだけで親身になってくれない」という実態だった・・・

在宅勤務で見えない残業

12月29日の日経新聞「休み下手」ニッポン上」に「祝日は多いのに…週末も仕事 在宅勤務 見えない残業」が載っていました。

・・・休日はあるのに仕事に追われてリフレッシュできない。働き方を見直す機運が高まり、制度のゆがみがあらわになってきた。子育てや介護などライフスタイルに応じて働き続けるには、上手に余暇を活用することが欠かせない。「休み下手」な日本の課題を探った。

「平日に有給休暇を使った分、土日で埋め合わせをしないといけない」。都内企業でコンサルタントとして働くさいたま市在住の女性(29)は11月、休日にもかかわらず自宅で業務をこなしていた。プロジェクトの繁閑によるものの、週の大半は在宅で勤務している。
有休は取得しやすいが業務量が減るわけではない。「土日は勤務扱いにはせず、持ち帰った端末でこっそり働く」。繁忙期になると、平日の仕事を減らすために休日に作業することが少なくない・・・

・・・在宅勤務は出社する負担を軽くした半面、仕事と私生活の境目を曖昧にしたとの指摘もある。自宅にパソコンや資料を持ち帰れば、いつでも仕事をできるためだ。
連合の調査では「出勤するよりも長時間労働になることがあった」と回答した人が5割を超えた。深夜に業務した人の割合も32.4%に上った・・・

休みの日 仕事の電話出る?

12月12日の読売新聞に「休みの日 仕事の電話出る?」が載っていました(すみません、去年のことを取り上げています。この記事のほかにも、しばらく続きます)。

・・・スマートフォンの普及でいつでも手軽に連絡を取れるようになった結果、働く人々が業務時間外の連絡を拒む「つながらない権利」が注目されるようになった。通信環境の変化に合わせ、労働者の健康を守る働き方改革が求められている。

24時間戦えますか——。バブル経済に沸いた1989年、栄養ドリンクのCMで登場したフレーズが話題を集めた。猛烈に働く企業戦士を鼓舞し、その年の流行語になった。
もっとも、当時の主な通信手段は固定電話。会社の外に出れば、良くも悪くも連絡を取ることには限界があった。
それから30年余りがたち、通信環境は劇的に進化した。2000年に携帯電話とPHSの契約者数が固定電話を上回った。ノートパソコンも身近なものとなり、10年頃からはスマホや通信アプリが浸透。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、20年代には、在宅勤務やオンライン会議が広がった。

仕事の効率性が向上した一方で、業務時間外でも連絡がつきやすくなり、「つながらない権利」の重要性が高まった。
パーソル総合研究所が今年7月、正社員3000人を対象に調査したところ、1295人が業務時間外の連絡があると回答。そのうち、過去1か月以内にすぐに対応を求められた人は58%に上った。メールの確認など「業務時間外でつながる時間」は月平均約40時間と推計された。
つながる時間が長いほど燃え尽き症候群になる傾向がうかがわれた一方、業務時間外の連絡に関する社内規則があるとした企業は31%だった。

欧州では「つながらない権利」を法制化する動きが広がっている。青山学院大の細川良教授(労働法)によると、フランスでは、労働者の過労が社会問題になり、16年に世界で初めて法制化された。通信機器の使用規制など、権利を実現する方法を労使交渉のテーマに入れることが義務づけられた。
同年のフランスの世論調査では、管理職の77%がバカンス中でも通信機器に接続したと回答。このうち、82%は「通信がストレスになる」と答えた。
細川教授は「休暇を重視するフランスでさえ、スマホがもたらした利便性の波にのまれた。休息の質と量をいかに確保するかが問われる時代になっている」と話す。スペインやベルギー、イタリアでも「つながらない権利」が法制化されている・・・