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生き様-仕事の仕方

スポーツ心理学。緊張は当たり前、高すぎる目標は駄目

1月4日の朝日新聞、荒木香織・スポーツ心理学者の「現実的な目標掲げ、目指すゴールへ」から。
・・・よく、平常心で臨めとか、リラックスしてとかいいますが、理にかなったアドバイスではありません。むしろ、適度の不安や興奮があって、「これをやりたい、あれをやりたい」と自覚している方がよいパフォーマンスに結びつくと言われています。W杯にラグビー日本代表が出場する際にも、「不安や緊張は当たり前。それを感じることは、むしろいいことなのだ」と伝えました。
一方で、「試合が近づいてきて、緊張して眠れない」といった過度な不安や緊張は悪影響を及ぼします・・・

「取り除くには、どうすればいいのでしょうか」という問に。
・・・有効な方法の一つは、なぜ不安を感じるのか、その原因を見極めて書き出すことです。不安の原因を解きほぐしていくのです。文字にして可視化した上で、問題を整理し、解消するために必要なことは何かを確認していきます。やるべきことを明確にした上で、それぞれに対応していくことが自信や実績につながっていきます。
ただ、自分の過去のミスや他人の言動、天候といった自分の力ではどうしようもないことは、いくら心配しても解決はしません。考えても不毛なことは心配をやめる。それもスキルの一つです・・・

「大きな達成を得るためには、高い目標に挑戦することが大切ですか」との問には。
・・・目標が高すぎると、掲げていないのと同じことになってしまいます。掲げた内容が現実的でないにもかかわらず失敗すると、自分の力不足と信じ込み、自信を失ってしまう。挑戦する目標とのギャップに苦しんでしまうのです。
スポーツ心理学では、少しがんばれば達成できる現実的な目標を設定することが、効果的だと言われています。期限を決めて達成できたら、次のステップに進んでいく。達成できない場合は、柔軟に目標の中身を変えた方がいい。
例えば、体重を2キロ減らす目標が無理だった場合、体脂肪を減らすことに着目する。長いスパンで考えれば、ゴールは同じだと考える心のゆとりを持つと楽になります。短期間で10キロやせるのは無理。そんな挑戦はやめましょう・・・

とても役に立つ助言です。全文をお読みください。

来年の手帳

先日、2018年の手帳を用意しました。早速、決まっている予定を記入。
まずは、慶應大学の出講日を。今学期は1月で終わりますが、4月から新学期が始まります。来年度も、春学期は「地方自治論Ⅰ」と「公共政策論」、秋学期は「地方自治論Ⅱ」を担当します。
今年春学期は、水曜日と金曜日の1時限にしたのですが、来年は金曜日の1限と2限にします。1日で終えようという算段です。金曜日の負担は増えますが。
大学から送られてきた講義日を手帳に書き込むと、2018年だけでは終わらず、2019年1月まで毎週金曜日午前が埋まります。えらい先の話ですね。

そして、既に引き受けている講演会。夜の異業種交流会を記入。しばらく前までは、「1月は夜が入らず楽だなあ」と言っていたのですが、そうでもなくなりました。

新年のはじめに、「まっさらな手帳」をおろす。なんてことは、ありませんね。「まっさらな日記帳をおろす」はありますが。

視野の時間的広さ・ゾウの時間 ネズミの時間2

昨日の続きです。視野の時間的広さ(長さ)を表す表現として、「ゾウの時間 ネズミの時間」が一つの案です。

本川達雄著『ゾウの時間 ネズミの時間』やその他の先生の発言も利用すると、時間は体重の4分の1乗に比例します。体重の4分の1乗に比例するということは、体が16倍大きくなると、時間は2倍ゆっくりと経過することになります。
心臓が1回ドキンと打つ時間は、ヒトはおよそ1秒。ハツカネズミは1分間に600回から700回で、1回のドキンに0.1秒。普通のネズミは0.2秒、ネコで0.3秒、ウマで2秒、ゾウだと3秒かかります。
30gのハツカネズミと3tのゾウでは体重が10万倍違うので、時間は18倍違います。ゾウはネズミに比べ、時間が18倍ゆっくりだということになります。

ネズミが短命でゾウが長生きするだけでなく、「生活の時間単位」が寿命に比例しているのです。心臓のドキンを「1生活秒」とすると、ハツカネズミの「1生活秒」は時計では0.1秒です。人間は「1生活秒」は1秒、ゾウの「1生活秒」は3秒です。
ネズミは細かいことはよく見えるのでしょうが、長期的視点では考えることができないのでしょう。ゾウはその逆になります。セカセカして生きるか、鷹揚に生きるか。

興味深いのは、哺乳類の場合、いろんな動物の寿命を心周期で割ると15億になります。つまり、哺乳類の心臓は一生の間に15億回打つという計算になるのです。
ハツカネズミの寿命は2~3年で、インドゾウは70年近くは生きますが、心拍数を時間の単位として考えるなら、ゾウもネズミもまったく同じ長さだけ生きて死ぬことになるのです。すなわち、ネズミもゾウも、同じだけの生物時間を生きていて(と言っても、本人は比較のしようがありませんが)、早く駆け抜けるか、ゆっくりと生きるかの違いなのですね。

視野の時間的広さ・ゾウの時間 ネズミの時間

視野の広さを表す表現に、「鷹の目と蟻の目」という表現を使います。「鳥の目と虫の目」とも。
蟻は、目の前のものを見ます。細かいところは見えるのですが、自分がどのような位置にいるか、周囲が見えません。それに対し、鷹は高いところから見るので、広い範囲を見ることができます。人間も経験を積むと、高い位置から、幅広く物事を見ることができるようになります。

ところで、もう一つ視野の広さがあります。それは、時間的な広さ(長さ)です。
いま目の前のことしか考えないか、あるいは長い時間で物事を考えるかの違いです。それは、過去にさかのぼることと、未来を見ることです。
ところで、これを例えるよい表現が浮かびません。長生きする鶴や亀に対し、短い一生のカゲロウや虫が一つのたとえですが、よい表現になりません。
碩学に相談したら、「ゾウの時間 ネズミの時間」が良いのではとの教え。ベストセラーの本川達雄著『ゾウの時間 ネズミの時間』(1992年、中公新書)から拝借したものです。
この項続く。