カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

事故を起こした際の説明

8月12日、大阪府警富田林警察署の留置施設から犯人が逃げた事件が、世の中を騒がせています。周辺の住民は、心配でしょうね。連日、報道が続いています。
ところで、警察署はどのような対応をして、どのような説明をしているのか調べようと、署のホームページを見てみました。
富田林警察署のホームページには、8月19日朝でも、この件については一言も載っていません。大阪府警のホームページには、「加重逃走事件の犯人を捜しています」というお知らせが載っていますが、犯人に逃げられた経緯や対応についての説明はないようです(見逃していたらすみません)。

これに対して、環境省の対応は、素早かったです。平成23年に環境省に送りつけられた放射性物質に汚染された土壌を保管していたのですが、誤って廃棄したようです。
それがわかると直ちに(8月14日)、官房総務課長と会計課長が記者会見を開き、事情の説明とお詫び、今後の対応を説明しました。ニュースでご覧になった方も多いでしょう。概要については、環境省のホームページに載っています。

事故や事件は起こさない方が良いのですが、起きた際の対応は、その組織の力量が問われます。

社員は出世のために仕事をする

8月16日の日経新聞私の履歴書、安斎隆さんの「バブルの予兆」 から。

・・・本店考査局考査役に就いたのは1987年5月。バブルが膨らみ始めた時期だった。考査役の仕事は、金融機関の資産と経営内容の検査(日銀では考査と呼んでいる)だ。当時は「バブル」という言葉は使っていなかったが、地価や株価が急騰する経済情勢の中で金融機関は道を踏み外していないかと目を光らせた。部下とともに金融機関への聞き取り調査を重ね、経営の実態をつかもうとした。
全国各地で、担保価値が100の案件に対して120の資金を貸し出すような事例が急増し、雨後のたけのこのように地域開発プロジェクトが生まれていた。バラ色の開発計画を合計してみると、日本の人口が何倍にも増える見込みになっている。明らかに無謀な計画だった。

金融機関の中には、過剰融資に危機感を持つ人もいたが、内部は厳しい競争社会であり、「自分はまともにやっているから内部の評価が上がらず、変なことをやっている人間の評価が上がる。無理をしてでも実績をあげよう」という声のほうが勝っていた・・・

・・・90年代にバブル経済は崩壊し、日本の金融機関は長い時間をかけて総額100兆円を超える不良債権を処理した。「宴が佳境に差し掛からんとしたときにテーブルの上の食事やワインをさっと片づけるのが中央銀行の役割」という言葉があるが、金融引き締めのタイミングを見極め、実行するのは本当に難しい・・・

自分の仕事を「おかしい」と感じても、社内の風潮に流される、出世競争に負けると思うことで、その仕事を続けてしまうことがあります。そこで、異を唱えることができるか。難しいところです。
すると、それを止める立場にある上司、幹部の責任が重くなります。もっとも、彼らの多くも「期末の評価を気にするサラリーマン」です。

省庁改革本部、減量班同窓会

先日、かつての省庁改革本部の減量班の同窓会をしました。
年に数回集まっているのですが、今回は発足20周年の記念の年なので、少々豪華に(といっても、しれてます。苦笑)。

2001年に実施された省庁改革、有名なところでは省庁再編です。その作業のために、私たちが事務局に集められたのは、1998年6月でした。私が参事官として担当したのは、組織や業務の減量です。その苦労は、日経新聞夕刊コラム1月25日に「鯉が包丁を持つ」で紹介しました。

その際に、2年半にわたり、一緒に苦労してくれた職員たちです。各省だけでなく、民間企業からも集まりました。「異業種」の人たちが集まり、一緒に苦労したので、結束が固いです。
また、労をいとわない幹事がいてくれるので、20年も続いています。それぞれに出世して、すなわち、その後も省庁や企業で苦労するポストを経験しています。その近況報告を、私生活とあわせて聞くのが、楽しみです。

20年は、過ぎてしまうと、あっという間です。私は、富山県総務部長から赴任しました。当時43歳でした。若かったですね。
この会は、まだ長く続きそうです。

中沖豊・前富山県知事をしのぶ会

今日7月29日は、富山市まで、中沖豊・前富山県知事をしのぶ会に行ってきました。
私が中沖知事に総務部長としてお仕えしたのは、平成6年(1994年)から平成10年(1998年)までの4年間です。私は39歳から43歳、若かったです。いろんなことを経験し、そして学びました。

特に、知事の仕事に対する姿勢は、勉強になりました。粘り強く、そして熟考されます。ええ加減なところで結論を出してしまう私には、その辛抱強さは驚きでした。
もう一つは、富山に対する責任感です。天候や農作物の出来、さらには道路脇の景観まで。すべてのことに、知事としての気配りと責任を持っておられました。それらのいくつかは、総務部長に降ってくるのですが(苦笑)。所管分野だけをやり過ごすことが多い公務員としては、「責任者とはこうあるべきだ」と勉強になりました。
当時、読売新聞社が行っていた、県民の知事支持率調査では、常にトップでした。県民の知事に寄せる信頼がわかります。

性格も仕事の仕方も全く違う私を、4年間も使ってくださいました。
総務部長を終えて、内閣の省庁改革本部に転勤したら、早速訪ねてきてくだいました。そして、私を励ますだけでなく、私の上司に「岡本君を頼みます」と頭を下げてくださいました。

ミスター新幹線という名前がつくほど、北陸新幹線整備に心血を注がれました。3年前に新幹線が開通した時は、本当にうれしそうでした。
今日も、その新幹線で東京から富山へ行き、また帰ってきました。所要2時間15分です。便利になりました。
中沖知事は、空の上から、満足して富山と新幹線を眺めておられると思います。

朝日新聞連載「左遷」

朝日新聞夕刊、7月10日から連載「左遷をたどって」が始まりました。今回は、外資系企業についてだそうです。11日の第2回は、「実力プラス要領の良さも」です。

・・・MBAや博士号などの学位を持つ人材が働いている外資系企業。一体、どんな人が出世するのだろうか。
ノリ・コーポレーション代表で、フォード自動車日本、ロイター・ジャパンなどで人事担当をしていた村上賀厚さん(58)は「一言でいえば、協調性があって、誰もがアクセスしやすい人です」。
仕事をする上での語学力や専門知識といった「実力」は欠かせない。しかし、実力だけでは生き残れない。
重要なのは、周囲とコミュニケーションを取って、組織の隙間に落ちる仕事を見つけて解決策を提案するなどの「要領の良さ」を持つことだという。
外資系企業は、職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)によって仕事内容が明文化されているため、自分の仕事以外は口を差し挟まない――。そんなイメージがある。
しかし、村上さんは「仕事は状況に応じて変化するため、『例外』が発生します。組織を俯瞰(ふかん)し、周りを巻き込んで『例外』に取り組む人は高く評価されていました。外資系も国内企業も、変わらないと思います」。
逆に怒りっぽく、人が寄りつかない人は、社内の情報が集まらずに孤立し、居場所を失うことが多かったという・・・

10日の第1回、12日の第3回も、参考になります。