カテゴリー別アーカイブ: 生き様

生き様

会議を効率的に

日経新聞6月19日夕刊「常識ナビ」は、「スマート会議を始めよう」でした。
「無駄に長い会議→終了条件を明示」「進行いまいち→決定事項途中で確認」などの言葉が並んでいます。詳しくは原文を読んでいただくとして。
このような職場の仕事の効率化の記事には、かならず真っ先に会議がでてきます。それだけ、いろんな職場で、みんなが会議を無駄だと思っているのでしょう。そして、効率化の秘訣には、私が『明るい公務員講座』で指摘したことが並んでいます。
終わる時間を決める。決定なのか自由討議なのかをはっきりする。です。そして、会議後にその日の結論を1枚にまとめると、どれだけ内容のあった会議かどうかが分かります。

残業なしでも社長になれる

6月19日から日経新聞夕刊「人間発見」は、オリックスグループCEOのの井上亮さんの「ノー残業で社長になる」です。
「オリックスは長時間労働是正に向けて4月に1日の所定労働時間を7時間に短縮した。働き方改革を主導しているのはグループ最高経営責任者(CEO)の井上亮さん(64)だ。入社以来、定時退社を貫きながら、経営トップに就いた異色のキャリアの持ち主だ」という書き出しで始まります。

・・・1975年にオリエント・リース(現オリックス)に入社し、国際部門でキャリアを積んできました。取引先との懇談などを除けば、CEO就任まで残業は生涯3回しかしていません・・・
・・・リース事業は、どうリスクを軽減し、利ざやを稼ぐか。大まかな契約モデルはありますが、細かな条件は案件ごとに違います。創造性とアイデアの勝負です。長い時間働いた分、成果が上がるわけではありません。脳をフル稼働していれば1日に働けるのは8時間が限界でしょう。定時退社は生産性を高めるための心得でした・・・

・・・職場改革プロジェクトでは若手社員と管理職にそれぞれの立場から生産性向上策を提言してもらいました。その中でも指摘されていたのですが、無駄な会議や上司への過剰サービスが目立ちます。上司への報告のために丁寧にプレゼン資料を作る必要はありません。A4判1枚に箇条書きで要点は伝わります・・・

ぜひ、この連載をお読みください。
これを読むと、長時間残業は、仕事ができないことの言い訳としか思えません。もちろん、残業無しにするには、それを許容する職場の雰囲気と、上司の理解が必要です。もっとも、長時間残業をしている職場は、上司も自信がないので長時間労働をしているので、難しいですが。
「無駄な会議や上司への過剰サービスが目立ちます。上司への報告のために丁寧にプレゼン資料を作る必要はありません。A4判1枚に箇条書きで要点は伝わります」は、私が常に主張していることです。

己を否定できない人

6月17日の日経新聞夕刊コラムで、立川志らく師匠が「馬鹿論」を書いておられました。
師匠の談志が、「馬鹿の定義を状況判断が出来ない奴、今風の言い方をすれば空気が読めない奴としていた」と書いた後、次のように続けます。
・・・私は更に「己を否定できない奴」が馬鹿だと思う。馬鹿な奴は間違いなく他者を否定して己を肯定する。
私の弟子の中で辞めていく者が沢山いたが皆そうであった。落語界がおかしい、師匠の教え方が酷い、兄弟弟子に馬鹿がいる、云々。あっているところもあるのだが、こういう連中は常に世の中のせいにする。自分はこんなに頑張っているのにと嘆く。その頑張りが世間のいう頑張りには到底行き着いていないのに。当人は小さなコップの水を溢れさせているから頑張っていると主張するが、世間の頑張っているというのは大きなプールの水を溢れさせる事を指す。他者を否定して自分は間違っていないと思い込み、ここは自分がいるべき場所ではないと快適な場所を求めて辞めていく・・・

全文をお読みください。さすが噺家、切れ味が良いですね。
この手の人は自己中心で、「自分は間違っていない、相手や周囲が悪い」と決めつけます。拙著『明るい公務員講座』では、「天動説」(自分を中心に世界が回っている)としてお話ししました。
周りの人に意見を聞けば、自分の考えが世間の標準に比べ正しいか、間違っているかが分かるのですが。「人の意見を聞かない」ことがこの人たちの特徴なので、難しいです。

働き方改革

連載「明るい公務員講座・中級編」で、働き方改革を取り上げる予定です。日本社会では、長時間労働が問題になっています。あわせて、労働者の生産性の低さも、問題です。G7各国の中では最低という調査もあります。一生懸命遅くまで働いて、成果が出ていない。これでは、踏んだり蹴ったりです。多くの公務員の職場でも、この傾向は変わりないでしょう。定時退庁できる職場もありますが。

私は、この問題を、仕事の仕方の改革として議論しようと考えています。日本の職場の特徴、全員一致、ボトムアップ型、前例踏襲といった仕事の仕方は、これまでの仕事には適合しました。そして、日本が世界先進国に追いつくことができました。しかし、その仕事の仕方が、新しい時代に不適合になりました。これを変えないと、長時間労働は変わりません。

もう一つ、社会的背景があります。職員に長時間労働を求める「風潮」です。かつては、会社勤めは「お気楽な職業」だったのです。私が子供の頃、植木等とクレージーキャッツは、「サラリーマンは、気楽な稼業ときたもんだ♪」と調子よく歌っていました。昭和の象徴である、人気漫画「サザエさん」でも、波平さんとマスオさんは、晩ご飯を家で食べています。
それが、昭和の終わりには「24時間戦えますか。ビジネスマン~ビジネスマン~♪」(栄養ドリンク、リゲインのコマーシャル)と、会社員に長時間労働を迫るようになりました。

そして、日本の労働慣行が、これを支えます。他国が職に就く「就職」であるのに対し、日本は会社に入る「入社」です。転職が比較的容易な海外と、転職が難しい日本。すると従業員は会社に忠誠を尽くします。濱口桂一郎さんは、これを「ジョブ型とメンバーシップ型」と表現して、うまく説明しています。『若者と労働』(2013年、中公新書ラクレ)、『日本の雇用と労働法』(2011年、日経文庫)。

ドイツ陸軍の失敗

大木毅著『灰緑色の戦史――ドイツ国防軍の興亡』(2017年、作品社)を読みました。「無敵の軍隊」の虚像が、剥がされます。
子供の頃、「ドイツ陸軍、日本海軍はとても強かった」と教えられました。「アメリカの物量に負けた」ともです。そのような俗説、神話が普及していたのでしょうね。
高校生の時に、日本軍の戦記物が好きな友人がいて、その影響でいくつか関係の本を読みました。
しかし、もう少し客観的な本を読んだのは、大学生の時です。決定打は、有名な『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(1984年、ダイヤモンド社。中公文庫に採録)です。日本軍の失敗が、明らかにされます。

ミッドウェー海戦も、物量では日本海軍の方がアメリカ海軍を上回っていました。負けたのは作戦の失敗です。いくらドイツ陸軍、日本海軍が強いと言っても、結果として負けているのですから、強くなかったことは証明されています。神様が、イタズラをしたわけではありません。
そもそも、物量において圧倒的に差があることは、開戦前から分かっていたことです。分かっていながら戦争をする。これほど不合理なことはありません。
結果は、あのひどい敗戦。国民は空襲やその後の混乱で、戦死、飢餓など塗炭の苦しみを受けました。戦争孤児もたくさん生まれました。軍隊はお取りつぶし。アジア各国にも大変な被害を与え、後世の日本国民にその「負の遺産」を半永久的に負わせることになったのです。戦争指導者の責任は、追及されてしかるべきです。

ドイツにしろ日本にしろ、負け戦の物語を読むことは、楽しくありません。勝った戦争は、勇敢な兵隊と有能な指揮官がいてと、楽しいですが。しかし、負け戦にこそ、学ぶべきことはあります。