時事通信社の自治体向け情報誌『地方行政』に、「公共を創る 新たな行政の役割」を連載します。4月25日から、毎週木曜日に掲載される予定です。
なぜ、いま、公共を考えるか。それは、次のような理由です。
1 日本が、大きな転換期にあること。
平成時代が転換期であったことは、多くの識者が指摘しています。平成の終わりは、戦後70年の終わりであり、明治150年の終わりでもあります。それは、これまで称賛された日本型システムの終了です。
2 公私の区分が、揺らいでいること。
「法は家庭に入らず」という格言が、崩れています。介護保険制度、DV防止法、児童虐待防止法・・・。「それは家庭のことでしょ」と言えなくなってきました。
3 その結果、行政(中央省庁と地方自治体)も、取り組むべき課題と手法の転換を迫られています。
これからの行政のあり方を考えるために、広く公共の中で行政を考えます。
私は、『新地方自治入門』(2003年、時事通信社)の第Ⅲ部「地方自治の未来」で、これからの自治体の役割を論じました。住みよい町とはどのようなものか、それは公共施設や公共サービスだけではないこと、公の主体は行政だけではないことを指摘しました。今回の連載は、その延長にあります。
私はその後、第一次安倍内閣で、再チャレンジ政策を担当しました。その際に、社会に生じている新たなリスクと、その支援を考えました。また、東日本大震災からの復興を担当することで、町のにぎわいを取り戻すには何が必要か、住民が暮らしを再建するには何が必要かを考えました。そして、それを踏まえて、慶応大学法学部で、公共政策論を講義しました。
それらを基に、議論を進めます。
おおむね、次のような構成で執筆することを考えています。
第1部 町とは何か。大震災復興で考えたこと。
第2部 社会の変化。日本は大転換期。
第3部 行政の新しい役割。社会は創るもの。
専門誌「地方行政」は、自治体では購入しているので、そちらで読んでください。