復興の3要素、その2

復興の3要素、その1」の続きです。
その後、「1インフラ・住宅の再建」は順調に進みました。国土交通省、自治体などの管理の下で、建設業者が住宅再建や道路・堤防の復旧を進めてくれました。

3コミュニティの再建」は、仮設住宅での見守りから、住宅再建が進むと、恒久住宅での孤立防止に課題が変わりました。新しい町や集合住宅では、町内会がないのです。そこで、「コミュニティの形成」(町内会の形成)を、支援内容に加えました。図の左下の枠内。これは、既存の省庁で担当する役所はありませんでした。現在も、復興庁が担っています。

2産業・なりわいの再生」は、水産加工場では施設設備が復旧したのに、売り上げが回復しませんでした。商店の棚を別の産地に奪われていたのです。売り上げを伸ばすにはどうしたらよいか。より品質の良いものをつくり、売り込まなければなりません。それは、補助金でできるものではありません。大企業などのノウハウを借りることにしました。図の右側。これは、民間から来てくれた復興庁職員が考えてくれました。

このように、地域の暮らしやにぎわいを取り戻すには、「1インフラ・住宅の再建」だけではダメで、「2産業・なりわいの再生」や「3コミュニティの再建」が必要だったのです。住民、地域共同体、事業主に任せず、国や自治体が支援することに手を広げました。さらにいま述べたように、あとの2つは時間とともに課題が変化し、対応を追加しました。
この項続く