官民協働施策、神戸市の認知症事故対策

11月22日の日経新聞関西地域版が「認知症の事故 税で備え 神戸市、市民税年400円上乗せ 被害者・患者側救済へ条例案」を伝えていました。

・・・神戸市は認知症の高齢者などが絡む事故やトラブルを想定した、独自の認知症対策を進める。個人市民税均等割に1人当たり年400円を上乗せし、その財源で被害にあった市民に見舞金を支給することなどが骨子。認知症をめぐる市条例の改正案として11月市議会に提案する。可決・成立すれば全国初のケースとなり、市は「神戸モデル」として2019年4月に施行する考えだ・・・

・・・改正案は、認知症患者が絡んだ事故をめぐって、被害者および患者や監督責任を負った家族など加害側を救済する仕組みと、認知症診断への助成との2本柱で構成する。19~21年度に年平均で約3億円の財源が必要になると見込み、市は19年4月から個人の市民税にひとり年400円を上乗せする方針だ。市担当者は「福祉施策で市民税を上乗せするのは全国で初めて」と話す。

被害救済については、認知症患者側の賠償責任の有無にかかわらず被害者が神戸市民だった場合、最大3千万円の見舞金を支給する。一方で、市は認知症患者による事故に備え、三井住友海上火災保険(東京・千代田)の保険に加入。家族の監督責任を含む認知症患者側の賠償責任が認められた場合は、患者側に最大2億円を支給する・・・

これは、なかなか良く設計された施策ですね。
市民税に上乗せ(増税)することで財源を確保し、認知症患者による事故の被害者に見舞金を支給します。他方で、市は損保会社の保険に加入して、認知症患者の賠償責任が認められた場合は、患者にお金を支給します。
前段は市民の負担による市役所による施策、後段は損保会社と組んだ市役所の施策です。
神戸市のホームページ
この項続く