官僚機構改善論2―バックオフィスの管理

官僚機構改善論1―バックオフィスの重要性の続きです。

これまでは、バックオフィス=事務・組織管理部門は、前線を支える後方部隊と考えられ、日が当たりませんでした。また、誰でもやれる、難しくない仕事と思われていました。
ところが、技術の進歩と社会の変化で、従来通りでは対応しきれなくなりました。

平成になってからでも、次のようなことが大きな課題になりました。
情報公開、個人情報保護、公文書管理、IT技術の発達とパソコンの配備、情報管理、サイバー攻撃対応、カウンターインテリジェンス、セクハラやパワハラ対応、倫理法、コンプライアンス、リスク管理、災害対応・・・。
私が公務員になった頃は、そんなに問題にならなかったことです。その後、これらの課題が次々に出て、また事件や事故が起きて、その都度個別に対応しました。研修なども増えました。

これらの問題を大きく2つに分けると、「情報の取り扱いの問題」と「職員管理の問題」です。

このうち、「情報の取り扱いの問題」は、IT技術の発達への対応と、情報の管理が重要になりました。パソコンやコンピュータが導入され、職員は試行錯誤しながら使っています。
まず、組織から見て、コンピュータ化は効率的に行われているか。どうもそうでないようです。旅費や給与計算、電子決済、電子申請など、必ずしも効率になっていないようです。
他方で、職員については、これらの「職員として知っておく常識」は、系統だった教育は行われているか。職員が読んでおくべき教科書は、ないようです。
これは、新規採用職員だけでなく、管理職も中堅職員も必要なのです。なぜなら、次々と新しい課題と仕組みが導入されて、年配者もその都度教えてもらって身につけています。若い人の方が詳しいことも多いのです。

もう一つは、「職員管理の問題」です。ここで言う職員管理とは、部下の教育と管理、心の病の職員への対応、セクハラやパワハラ対応、ワークライフバランス、コンプライアンスなどです。これらも、組織的・系統立てた教育は十分ではないと思います。
昔は、そんなに気にすることはなかったのですが。
これらについても、系統だった研修と、教科書が必要です。「官僚機構改善論3」へ。