先日、日経新聞夕刊コラムに「内閣官僚」を書きました。また、5月23日の毎日新聞にインタビュー「現場の声 政策に生かせ」が載りました。そのほか、官僚の問題について、いくつかの取材も受けました。
そこで考えたことを整理して、簡単に書いておきます。私の基本的考え方は、官僚の劣化と言われる事象の背景にあるもの、構造的な問題です。
端的に言えば、社会が変わったのに、官僚と官僚機構が変革に遅れているということです。「バックオフィスの管理」「人事政策」「官僚のあり方論」に分けて書きます。
まず、バックオフィスの管理についてです。
組織を管理する際に、2つの部分に分けて考えます。
会社では、営業系と総務系があります。前者は、製品やサービスを作り、売ることを任務とする人たちです。後者は、その人たちを支える、会計、人事、庶務の人たちです。フロントと、バックオフィスです。
役所も同じです。政策を考え、実行する原局と、人事や予算で支える官房です。
後者は、「事務・組織管理部門」といったら良いでしょうか。
霞が関の各省あるいは全府省を通して、おろそかになっていることがあります。この事務・組織管理部門=バックオフィスの管理です。
会社にしろ役所にしろ、製品を売ったり、政策を考える部局が「花形」で、バックオフィスはそれを支える「縁の下の力持ち」です。しかし、営業系が活躍するためには、縁の下系がしっかりと支えなければなりません。
これまでは、後者については、系統だった職員育成や組織運営を考えることは少なかったようです。前例に従って処理する。新しい機械がでたらそれを取り込む、新しい課題が出たらその都度対処する。職員も、先輩たちのやり方を見て学ぶ。という「古典的な職場作法」でやってきました。「官僚機構改善論2」へ。