英語習得のすべ

9月15日の9月15日の日経新聞「私見卓見」杉田敏・NHKラジオ「実践ビジネス英語」講師の意見「英語習得を疎外している神話」から。

・・・日本の語学ビジネスの市場規模は約8700億円と推定されている(矢野経済研究所調べ)。語学学校や学習材料、語学周辺ビジネスなどを含めて日本人が語学学習に投資する年間の総額で、大部分は英語ビジネスと考えられる。
ところが、英語を母語としない人たちを対象とする英語能力測定試験TOEFLのスコアにおいて、日本人の平均点は世界でほぼ最下位のグループに属している。
多大な投資をしながら費用対効果の悪い原因は何か。文部科学省の責任や教師の質を挙げる識者もいるが、最大の元凶は学習者自身の「甘えの構造」だ。
英語をある程度モノにするには最低2000時間の学習が必要だといわれる。英会話学校に週1、2回行ったくらいでは上達しないのは当たり前である。学校の音楽の時間にピアノを習っただけでピアニストになった人はいない。さらなる自助努力が必要だ。

ちまたには「楽しみながら」「知らず知らずのうちに」「涙なしに」など、簡単に英語をマスターできるような暗示を与える題名の本や教材、語学学校などの宣伝文句が氾濫している。しかし、こうした「神話」に惑わされてはならない。ただ「シャワーのように」「BGMのように」英語を聞いていたのでは、どんなに長時間行っても効果が上がるはずはない。
語学の勉強は決して楽ではない。学習機会や道具を手にいれるにはお金が必要だ。勉強の時間と空間はどこかでつくり出さなくてはならない・・・