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分権改革委員会・中間とりまとめ

2007年11月22日   岡本全勝

22日の日経新聞夕刊「ニュースの理由」は、谷隆徳編集委員の「分権改革委、省庁に切り込む。地方政府、3度目の正直?」でした。・・1990年代後半の第一次分権改革でも、国道や一級河川の管理権限の地方への移管が一時検討されたが、実現しなかった。官僚と族議員がタッグを組んで徹底抗戦したうえ、当時の橋本龍太郎首相が省庁の事前了解を勧告案の前提に求め、自ら汗をかくことを避けたためだった。小泉政権が取り組んだ税財政の三位一体改革も「地方案を尊重する」と繰り返し発言した首相自身が指導力を発揮する場面は最後までなかった。過去二度の改革ともに中央省庁の権限はほぼ無傷で終わったといえる・・今度は三度目の正直となるのかどうか・・

2007.11.17

2007年11月17日   岡本全勝

今日は、久しぶりに、慶応大学での授業でした。今日で、地方行政の仕組みの解説が終わり、次回から地方財政に入ります。

税源交換

2007年11月16日   岡本全勝
国と地方の税源交換について、「税源交換と交付税財源との関係は、どうなるのですか」との質問をいただきました。
税源交換に厳密な定義はありませんが、私は次のように考えています。
1 地方税と国税を交換する。例えば法人2税と法人税を交換する。
2 その際に、地方交付税財源を交換する場合が、「交付税財源を使った税源交換」です。
例えば、5月25日諮問会議民間議員ペーパー「地方税財政改革による自治の確立」の「原則2、矢じりの2つめ」には、この二つが書き分けられています。今回の総務大臣提案は、このうち、「2 交付税財源を使った税源交換」です。この場合は、各税目でも国の取り分に影響しません。
もし、さらに消費税を使って税源交換をするなら、残る交付税財源の消費税は0.5兆円と少なくなっていますので、次は交付税財源でない税源交換になります。
3 もう一つ、同じ税目での税源交換があります。三位一体改革で、3兆円の所得税から住民税への税源移転を行いました。実は、この際に、住民税を累進税率から一定税率(比例税)にしました。所得の低い階層では3.4兆円の国への移譲、所得の高い階層では0.4兆円の地方から国への移譲を行ったのです。0.4兆円は税源交換だったのです。
「地方財政の将来」神野直彦編『三位一体改革と地方税財政-到達点と今後の課題』(2006年11月、学陽書房)p206か、「今後の課題と展望」『三位一体の改革と将来像』(ぎょうせい、2007年5月)p86をご覧ください。

分権改革委員会・中間とりまとめ原案

2007年11月14日   岡本全勝

14日の経済財政諮問会議は、地方分権も議論しました。丹羽分権改革推進委員長が「中間的とりまとめ」の概要をご説明され、民間委員からも意見が出されました。「中間的とりまとめ」はまだ原案の段階で、これから確定します。39ページにもなる大部のものですが、興味深い点がいくつも含まれています。
1 各府省が分権に反対する理由(統一性が必要だなど)について、それは理由にならないと明確に指摘しています(本文p8)。
・・地方自治体が行う事務については、国において事務処理の適正性を特に確保する必要があるものでも、法律などで明確な基準を定めていれば、国が個別に関与するまでもなく統一性が十分担保できるものと考える。現実にも、法定受託事務で処理基準が示されているものは、地方自治体が具体的な適用の判断を適切に行っていると考えられる。こうした「統一性」の主張の背後には、地方自治体の行政能力に対する懐疑が潜んでいる場合もあるように見受けられるが、根拠があるとはいえない・・
2 個別の行政分野・事務事業の抜本的見直しに踏み込んでいること(本文p13)。
・・都道府県は指定区間外の一般国道(一般国道の道路延長の約6割を占める。)について現に道路管理事務を行っているのであるから、一般国道に必要とされる道路の維持管理水準を確保することは十分に可能である。したがって、指定区間の国道について、大規模投資の必要等から新設・改築は国が行うとしても、維持、修繕その他の管理の事務についてまで国が行わなければならない特段の理由はなく、指定区間の一般国道について、維持、修繕その他の管理の権限を都道府県に移譲するべきである・・
・・一の都道府県内で完結する一級河川は、都道府県が管理する二級河川とは規模が異なるにすぎず、治水への取組みに差はないことから、指定区間外が国管理である必要はない。災害時に必要な場合にのみ国が支援すればよく、一の都道府県内で完結する河川については、一級河川の指定区間外を含め、すべて都道府県管理とすべきである・・
3 自治事務をに関する義務付け・枠付けの原則廃止(本文p37)
などです。