藤沢烈さんの10月30日のブログに、野田総理の所信表明演説が、紹介されています。気がつかれましたか、復興に際して「企業やNPOとも連携する」と総理が述べておられることを。
10月29日の総理の、所信表明演説のうち「被災地の復興と福島再生を途切れさせない」の、次のくだりです。
・・活力ある故郷を甦らせるために奮闘する住民と自治体の努力を、企業やNPOなどとも連携しながら、政府一丸となって支えてまいります・・
政府だけでなく、企業やNPOの役割も重要だと認めた、結構、意味のある歴史的な文章だと思います。
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被災地での宗教
このホームページでは、「まちの復旧は、行政だけではできない。企業やNPO、地域の絆などの力が必要だ」と、主張しています。それらとは少し違った観点から、行政では手の届かない領域があります。
心の問題や宗教です。
例えば、孤立化や孤独死が問題になっています。しかし、「放っておいてくれ」という人に、それ以上のお節介を焼くわけにはいきません。これは、引きこもりへの対策の際に、論じました。
災害で亡くなられたご遺体を、埋葬したり火葬しました。死亡証明があれば、市町村役場が埋葬や火葬をします。これはこれで大変でした。数が多いこと、火葬場が壊れて使えなかったことからです。身元確認ができなかったこともあります。
さて、埋葬の際に、ご遺族がお葬式を望まれることがあります。式はできなくても、「せめて僧侶によってお経を唱えてほしい」という声が、たくさんありました。被災地では、お寺も流され、お坊さんもおられません。行政は宗教に関わらないとの原則で、それをお手伝いできませんでした。
しかし、親しい人、かけがいのない人を失ったご遺族は、心の整理がつかないのです。その際に、葬式はその区切りをつける重要な機能を担っています。「葬式仏教」と批判されますが、「葬式仏教」の重要な機能なのです。
全国に散らばった避難者への情報提供
企業チームによる復興支援
凸版印刷が、「共創造する復興推進プロジェクト研究会」を立ち上げてくださいました。
企画書には、次のようなことが書かれています。
「・・企業の支援活動についても、現地のニーズに対しミスマッチが生まれている、事業活動との両立が難しくなってきている、1社単独での活動に限界が見えはじめるなどの課題が出てきています。こうした状況をふまえ、多様なノウハウ・技術を持つ企業群と、現地のニーズを捉えるNPO、まちづくりの推進主体である自治体が課題や目標を共有し「共創造」することでプロジェクトを起こし、復興のスピードアップに貢献すること、あわせて復興課題・社会的課題の解決と、企業の経済的価値を両立させる事業を創造していくことを目的とします・・」
メンバーには、住宅会社、銀行、コンビニなど様々な業種の企業が参加してくださっています。ありがとうございます。復興の現場は、行政だけでなく様々な主体による「実験の場」だと思います。この企画も新しい試みとして、復興庁も協力していきます。
産業復興への支援
今日10月26日、復興予備費の使用(1,200億円)を、閣議決定しました。経済危機対応などの予備費使用(3,700億円)に含まれています。
内訳は、福島の企業立地補助金402億円と、中小企業復興のためのグループ補助金801億円です。それぞれ現行制度が評判良く、予算が足らなくなったので、被災地から予算追加の強い要望が出ていたものです。福島の立地補助金は、現行予算額1,700億円に402億円を追加するので、合計2,102億円になります。中小企業のグループ補助金は、現行予算額2,003億円に801億円を追加するので、合計2,804億円になります。
今回の大震災の復興過程で、これまでとの違いは、政府が産業復興に力を入れていることです。阪神淡路大震災では、このような予算はなく、またその必要も小さかったのです。
結構大きな金額ですが、インフラ復旧の予算額に比べれば、そんなに多額にはなりません。そして、これらの企業が、雇用の場を作り、まちの賑わいを作ってくれます。その効果は、大きいのです。いつも指摘しているように、暮らしの再開とまちの復旧には、インフラ復旧とともに、サービスの再開と働く場の復興が必要なのです。「道路は出来たけど、住民は失業中」では、暮らしの再開にはなりません。
「官は、経済には介入しない方が良い」という原則は、そのような条件がそろっている場所で通じる原則です。民の暮らしを成り立たせることは、政治の大きな役割です。