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復興状況、被災者の認識

2014年10月25日   岡本全勝

河北新報が、復興についての、仙台市民と市役所の認識の隔たりを報道しています。10月24日付け「復興施策『進んでいる』3割以下・仙台市民」。
市役所が行った市民意識調査で、仙台市が取り組む東日本大震災からの復旧・復興の施策10項目について、「進んでいる」と感じる人の割合が、一部を除き3割以下にとどまっています。
他方、市は、震災復興の重点54事業の2013年度の進行状況に関し、一部で遅れが生じているものの、目標達成に向けて着実に進んでいると判定しています。その差は、どこから来るか。奥山恵美子市長は、定例記者会見で、次のように述べておられます。
「災害公営住宅を例にすれば、市は計画通りの着工を順調と判断するのに対し、市民は8~9割の入居が済んだ時点で復興したと感じるだろう。」
ご指摘の通りです。被災地では高台移転やかさ上げ工事が進んでいます。一部に遅れがあるものの、ほぼ計画通りです。しかし、被災者や外部からの視察者は、「3年半経っても、まだ家が建たないのか」とおっしゃいます。がれきを片付けたら家を再建できた阪神淡路大震災と違い、今回の被災地では高台移転の工事に時間がかかるのです。また、住民の意見を聞き合意を取り付けるのにも、結構な時間がかかりました。その点を理解してもらいたいです。
また、津波被災地では、海岸部であって危険なので住宅を建てないため、更地のままの土地が広がっています。これを見て「何も進んでいない」と指摘する人もいます。これも、困ったことです。

経済同友会円卓会議、福島で

2014年10月21日   岡本全勝

10月20日は、経済同友会が郡山市で、代表幹事円卓会議を開きました。全国44の経済同友会の代表幹事ら約100人が集まり、東日本大震災からの復興について議論しました。復興大臣も出席して、1時間の講演を行いました。
円卓会議は、発災以来、被災3県で開催してくださっています。また、経済同友会は、発災以来「IPPO IPPO NIPPON プロジェクト」と題して、被災地支援を続けてくださっています。
今日21日は、被災地視察があり、私も同行しました。川内村長富岡町長が、丁寧に現場での説明をしてくださいました。全国の経済界の代表に被災地の実情を見ていただき、理解していただく貴重な機会です。忙しい経営者の方が2日間も時間を割いてくださったことに、感謝します。
9月の経団連との意見交換、先週の日本商工会議所との意見交換と、経済3団体との意見交換が続きました。被災地の現状、復興の現状と課題を理解いただき、特にこれからの産業復興について協力をお願いしました。
復興を進めるためには、さまざまな方の理解と協力が必要で、そのために私たちが復興行政を進める際にも、知恵と工夫が必要です。予算使うことや法律を作ることだけが、行政手法ではありません。

挑戦する若者。被災地を復興し、世界を目指す

2014年10月18日   岡本全勝

津波で流されたふるさとに戻り、イチゴ栽培を成功させた若者がいます。しかも、1粒千円のイチゴです。10月12日には、安倍総理も視察に行かれました。さらに、インドにまで、技術援助に行っています。雄大ですね。
NHKによる紹介『東北発、未来塾』、「最高のイチゴの作り方教えます」「そしてイチゴは一粒1000円になる!」。
その岩佐大輝さんの主張、「ステップ論じゃなくて、いきなり世界に飛び出そう!」。
藤沢烈さんのブログに、教えてもらいました。紹介が遅くなりました。
産業の復興、いえ新たな産業は、このような挑戦する若者や事業者に依るのでしょうね。従前と同じ作物・製品を作っていては、将来はありません。

日本商工会議所との意見交換会

2014年10月17日   岡本全勝

今日は、日本商工会議所で、被災地の商工会議所会頭と復興大臣との意見交換会でした。商工会議所とその会員企業は、地域で商業サービスを提供するだけでなく、雇用の場、町の賑わいを作っています。津波などの被害により、大変な経営環境にある中で、いち早く復旧して事業を継続してくださっています。
政府も、緊急の低利融資、無料の仮設店舗や仮設工場の貸し出し、高率の補助金による施設設備復旧支援など、これまでにない支援をしました。この地域では、商店や工場が復旧しないと、買い物もできず、働く場もないのです。会頭さんたちからは、政府による支援にお礼をいただきましたが、政府もお礼を言わなければなりません。
ところで、施設や設備の復旧は進んでいるのですが、新たな課題も出ています。生産力が回復したのに、販路を奪われて、元のように売れないのです。また、風評被害で安く買いたたかれます。これが大きな課題です。
これからも、政府と事業者と一緒になって課題を解決していくことを、議論してきました。(2014年10月16日)
昨日の、日商と復興大臣との意見交換会が、日商のホームページに載りました。

職、町、人による復興

2014年10月13日   岡本全勝

グロービスの堀義人さんの政策提言「100の行動」で、復興が取り上げられました。「「職」「町」「人」の面で新たな東北復興ビジョンを描け」(10月10日)です。藤沢烈さんに教えてもらいました(10月13日の記事)。
・・復興庁によるがれき処理、除染作業、社会インフラの再建などは徐々に成果を上げ、東北地方では数値上では雇用環境が改善されているとはいえ、依然として厳しい状況が続いているのが実態だ。
深刻なのは、被災地からの人口流出が止まらないという事実だ・・なぜ人口流出が止まらないのか。それは、被災地に高付加価値産業が少なく、求人者が望む職業が少ないからだ・・優秀な人材やUIターンで地元に戻りたいと考える人々も、東北に戻ることができず、そのために雇用が集まらず、地域の疲弊が止まらない。震災以前から直面していたこの課題が、震災後、一層深刻さを増しているといえよう。
復興は、単に「震災前の町を元通りに作り直す」というようなインフラの再整備にとどまってはならない。被災地において、将来にわたって、持続可能な地域社会が構築されることこそが、真の復興である。その鍵は「職」「町」「人」だ・・
として、職=仕事づくり、町=持続可能なまちづくり、人=人材育成について、具体的な提言をしておられます。
また「官・民・NPOの役割分担を明確化し、着実な連携を」として、次のように書いておられます。
・・東北の復興に向けては、国などの官が主導するのではなく、企業やNPOなどの民間が主導していくことが重要だ。
政府は、官民連携の基盤づくりのため、昨年12 月 に「新しい東北」官民連携推進協議会を設立 (会員数は約700 団体)し、各種の情報共有や連携基盤の構築につとめている。それ以外にも、2014年7月に「東の食の実行会議」が仙台で開催されるなど、東北の復興を進めるNPOなどを応援、支援する場は多く立ち上がっている。
さらに、今年度NPO等が活用可能な政府の財政支援は、復興庁のまとめによると、25事業、数え方にもよるが予算合計は1000億円以上の財政支援措置メニューがそろえられている。
これらの場とメニューによって、企業、NPO、行政の連携を強化することが課題だが、現状では必ずしも足並みが揃っていない。「場」は確かに立ち上がっているものの、実際の連携プロジェクトは生まれてこない。課題は、行政、企業、NPOの役割分担の明確化と、全体状況を把握し、NPOの力を適材適所に配置・調整する機能の強化だ。
このため、社会におけるNPOの役割・在り方を社会的に明確に認識することとともに、セクターや地域を越えて連携を強化するコーディネーターが必要だ・・
ぜひ、原文をお読みください。
私は、インフラ復旧だけでは、町の復興や暮らしの再建はできないと主張してきました。『被災地から見える「町とは何か」』(共同通信社のサイト「47ニュース、ふるさと発信2012年8月31日)。世間の共通認識になってきました。次の課題は、堀さんも主張しておられるように、コーディネートです。これは、藤沢さんも、「お金でも制度でもない、被災地には人材が足りない」(毎日新聞のサイト「キーパーソンインタビュー」9月8日)と主張しておられます。