カテゴリーアーカイブ:行政

終戦の決断

2015年8月3日   岡本全勝

戦後70年。各紙が特集を組んでいます。宮内庁が、皇居内の御文庫付属室(地下壕)の写真を公開したので、各紙が載せています。昭和天皇が終戦の聖断をされた場所です(朝日新聞)。また、各紙が、玉音放送の原文と現代語訳を、対比して載せています(朝日新聞の訳)。なるほどと思いますが、文語体は重々しさがありますね。もっとも、ラジオで聞いていて(音声がよかったとしても)、広く国民に意味が通じたかは別です。

戦災孤児

2015年8月2日   岡本全勝

朝日新聞生活欄が、7月28日と29日に、「戦争孤児の70年」を載せていました。
28日:両親失い「野良犬」と呼ばれた
29日:心押し殺し、親戚宅で生きた
過酷な生活を思うと、涙が出ます。1948年時点で、12万人だったそうです。大人ですら生きていくのが大変だったときに、子どもだけでは・・。最近の本に、石井光太著『浮浪児1945―戦争が生んだ子供たち(2014年、新潮社)があります。
その人たちに、日本国政府はどのような支援をしたのか。満洲を始め海外に置き去りにされた多くの日本人も、同じです。私が、昭和21年に官僚だったら、何をしたか。

生活困窮者、3割が働き盛りの男性

2015年7月29日   岡本全勝

7月29日のNHKニュースが、「生活困窮者自立支援 相談の3割が働き盛り男性」を伝えていました。それによると、
・・・生活に困った人を支援するため、生活保護を受ける前の段階で自立につなげようと、ことし4月にスタートした「生活困窮者自立支援制度」について、NHKが全国の自治体を対象にこの3か月の実施状況を聞いたところ、自治体の窓口には合わせて5万5000人の相談が寄せられ、このうち3割が30代から50代の働き盛りの男性に関するものだったことが分かりました・・・
・・・相談の内容は、複数回答で、「収入や生活費」が全体の27%を占めて最も多く、次いで「仕事探しや就職」が16%、「病気や健康、障害」が13%などとなっています。また相談者の性別と年代を見ると、30代から50代の男性が合わせて全体の34%を占め、働き盛りの世代で生活に行き詰まっている実態が見えてきました・・・
戦後日本では、家族や親族による保護、地域での助け合い、会社での支援、そして生活保護によって、困窮者を救ってきました。しかし、それだけでは不十分なことが、この20年ほどの間に明確になってきました。高齢者については、年金や介護保険を充実してきたのですが、所得格差、子どもの貧困、非正規雇用、引きこもり、落ちこぼれなど、苦しんでいる人が「発見」されたのです。現在の日本社会の重要課題の一つでしょう。
第1次安倍政権では、再チャレンジ政策が掲げられました(官邸のHP私のHP)。麻生政権では、「安心社会の実現」が提唱されました。「生活困窮者の支援制度」も、これらの問題への対応です。生活保護を受ける前の、安全網です。学生についても、同様の課題があります。学校を中退すると「困ったことに対応してくれる窓口や組織」がありません。非行を起こすと警察のお世話になりますが、その中間がないのです。「通常生活」と「行政によるお世話になる」の中間に、「自立を支援する」仕組みが必要なのです。
課題は明確になっています。そして、これまでの制度や組織では対応できないことも、わかっています。では、どのように、政府の政策さらには責任組織を再編成するか。ここに、政治と行政の力量が問われます。

21世紀の政治

2015年7月15日   岡本全勝
14日の日本経済新聞「経済教室」は、佐々木毅東大学長の「参院選挙後の政治の課題」でした。見出しは「21世紀型政府の構想示せ」「役割・機能を再定義 構造改革に取り組む前提」です。
詳しくは本文を読んでいただくとして、いくつかの主張を紹介しておきます。引用は、適宜省略してあります。
「小泉構造改革には、二つの側面があった、第一は、経済構造改革を進め、不良債権など負の遺産の処理をすること。第二は、郵政や年金など政府部門や公的部門の抱える問題を取り上げ、構造問題を解決することである」
「民営化という言葉は反政府的なレトリックであるが、それだけでは、自らの構想力を展開できないところに政治の危機がある」
「政府部内に、政府部門の役割と機能を再定義できる部署はない」
「三位一体改革は内容の複雑さにもかかわらず、その実現への道筋は、各省庁の押し合いへし合いゲームに委ねられている」
いつもながら、鋭い指摘です。三位一体改革に関する指摘について、私なりの分析はこれまでにも少し書きました(7月8日の項)が、日を改めて解説します。

日本の政治:小泉改革

2015年7月12日   岡本全勝

12日の朝日新聞は、「郵政改革、道路公団改革との差は」「二つの民営化、手法は対照的」を解説していました。記事の趣旨は、道路公団民営化改革法案が、国会では与党の賛成多数であっさり成立した。一方、郵政民営化法はそうでなかったことの要因が、改革の手法にあるということです。「族議員を排除、党と溝」「首相関与、骨組み堅持」「議論公開せず、冷めた世論に」というのが、見出しでした。
このような分析を否定しませんが、私は、もう少しいろんな角度から、分析すべきだと思います。この2つの改革の一番の違いは、総理のリーダーシップと、総理がどこまで成果を求めたか(ゴールの設定)だと思います。そして、責任者や審議会など手法の違いも、出てきます。
もう一つの小泉改革である三位一体改革は、もっと違った過程を取っています。そこでの政治主導、政治権力論、政治構造論については、「政治改革としての評価」として「続・進む三位一体改革」p142~に書いておきました。