カテゴリーアーカイブ:行政

文科省の仕事がなくなる?

2020年11月21日   岡本全勝

今月の日経新聞私の履歴書は、小宮山宏・元東大総長です。11月21日の「難渋した改革」から。
・・・事務方が何かにつけて文部科学省にお伺いにいく慣習も解消されない。当時、東大本部には送迎車が4台あった。総長用、副学長共用、予備、そして事務部長用は文科省に行くためだという。事務方に「私に断りなく文科省へ行った者はクビにする」と宣言、この専用車を廃止した。

国から配布される運営費交付金にも「ミシン目」が入っているという。一見すると大学の裁量で自由に使えそうだが、実は使途がすでに決まっているとの例えだ。文科省の官僚に抗議すると「総長、ミシン目をなくすと、われわれの仕事がなくなります」と、にべもない・・・

地方分権改革(三位一体の改革)の際に、義務教育費国庫負担金を廃止し、地方一般財源にする議論が、文科省の抵抗で実現しませんでした。同様の理由でしょう。

地域での起業支援、コミュニティで

2020年11月18日   岡本全勝

11月11日の日経新聞東京版に、「起業都市への道 コミュニティー形成で起業家を多面支援」が載っていました。
・・・東京都内各地で自治体や企業によるスタートアップ支援が活発化している。起業や成長を支えるコミュニティーづくり、事業アイデアを試せる実験の場の提供など起業家を引き付ける取り組みを競っている・・・

アメリカのスタートアップ支援企業が都内につくった、スタートアップ支援施設が紹介されています。アメリカで、起業家のほか、ベンチャーキャピタル、NPO法人、大学、行政機関が同居して、起業家を支えるコミュニティができているそうです。詳しくは、原文をお読みください。
なるほど。補助金などの財政支援だけでは、起業家は立ち上がることができません。このような、さまざまな悩みに答える情報の支援が必要なのですね。
「コミュニティ」という言葉を使っていますが、ややわかりにくいですね。

公共政治空間の日米の違い

2020年11月17日   岡本全勝

アメリカでは、ジョー・バイデン前副大統領が、大統領選挙で勝利を確実にして、7日に演説をしました。各紙が、その概要と全文を伝えています。例えば、朝日新聞。副大統領に就任予定の、カマラ・ハリス上院議員の演説も。朝日新聞
日本では10月26日に、菅総理大臣が、就任後初の所信表明演説を行いました。

大統領選挙の勝利宣言と総理の所信表明演説を並べることは、からなずしも適当ではありません。大統領の就任演説と比べる方が、適切でしょう。しかし、ひとまずこの二つを並べてみます。
そこに、二つの国の国政の課題、そして二人の指導者の意識の違いを読み取ることができます。それ以上に、二つの国の政治に関する考え方、政治への期待の違いを見ることができます。民主主義国家、先進国といっても、これだけ「政治」は異なるのです。
参考「曽我記者、「政局」はもういいかもしれない

曽我記者、「政局」はもういいかもしれない

2020年11月15日   岡本全勝

朝日新聞ウエッブ「論座」に、曽我豪・編集委員が、「「政局」はもういいかもしれない」を書いておられます(11月11日掲載)。

・・・「政局」という言葉の意味、みなさんはわかりますか? 自分には謎だった・・・思えば、この数カ月間、政界は「政局」ばかりだった・・・世間に向けて発信する論戦よりも、身内の多数派工作が優先される様は、与野党に共通する。あっちもこっちも「政局」なのである・・・

・・・ただ、それらはいずれも表の論争に依らぬ、水面下の隠微な「多数派工作」に過ぎない。自民党と立憲民主党という二大政党が、明快な政権公約と連立政権構想を有権者に掲げ、政権選択を仰ぐという本来の政党政治のあり方からは、なんとも程遠い「政局」である。
そもそも、自分が投じる一票が、結果としてどのような政権を生むのか、それが十分に可視化されないままでは、安心して投票所に向かうことなどできないのではあるまいか・・・

・・・それにしても、都構想の住民投票にせよ、米大統領選にせよ、事前の予想のいかに空しいことか。
何が争点であり、勝敗によって何が起きるのか、投票に向けてそうした基礎情報を十分に提供するのがメディアの本務であるはずなのに、勝敗の事前予想ばかりが世間を賑わせる。論議が生煮えのまま投票自体がポピュリズムに流れ、なおかつ結果が僅差で終われば、残るのは分断されたという感覚だけ。主権者たる有権者が直接、重要政策や政権を決めることができる民主主義の方策が、かえって対決の火種を残す皮肉な結果となる。

しかも現在は、新型コロナウイルスという未体験の危機の真っ只中である。感染の再拡大が続く諸外国の状況を見ても、拡大防止と経済活動維持の二つの課題を同時に解決する処方箋は簡単には明示できておらず、だからこそ、局面ごとにその都度「最適解」を探り当てる繊細な政策遂行の技術と、国民からの信用が必要となろう・・・政治家も政治記者も、「政局」ばかりを模索し、書いている場合ではない・・・
原文をお読みください。

命の相談電話

2020年11月14日   岡本全勝

11月11日の朝日新聞生活面「命のSNS相談、急増する一方で… 「非正規切りされた」「寂しい」目立つ若者」から。
・・・近年は減少傾向にあった自殺者数が7月以降、増加している。目立つのが若者だ。国はSNSを使った相談窓口の整備に力を入れているが、急速な相談の増加に、応じる側の手が足りない現実もある。

今年の自殺者数は、7月から4カ月連続で前年同月を上回り、10月は前年同月比4割増の2153人にのぼった(速報値)。9月の年代別では20歳未満が1・2倍、20代が1・6倍と若い世代が増えていた。
国は若者の自殺対策として2018年3月から、SNSによる相談事業への補助を始めた・・・国が相談事業に補助している4団体の一つ、NPO法人「東京メンタルヘルス・スクエア」(東京都豊島区)。18年3月からSNSの相談窓口「こころのほっとチャット」を運営している。

・・・月平均1千件程度だった相談は、新型コロナの感染が拡大した4月以降に急増。7月以降は月2千件を超えている。
「親といるのが嫌なのに、家に居ざるをえない」「非正規切りにあい、生活に困っている」「寂しい」。内容はさまざまだが、新型コロナによる外出自粛や経済悪化などで、それまでも抱えていた問題が表面化したケースが多いという。カウンセリングセンター長の新行内勝善さん(51)は「影響が長期化し、先が見えないと感じている人が多い」と話す・・・