カテゴリー別アーカイブ: 日経新聞夕刊コラム

日経新聞夕刊コラム第7回

日経新聞夕刊コラム第7回「私設ホームページ」が載りました。今回は、仕事の経験を離れて、私生活について書きました。もっとも、仕事の延長でもありますが。
このホームページをご覧の方は、ご存じの内容です。
公務員はどの程度、実名でホームページやブログを発信しているのでしょう。匿名での発信もあるのでしょうが、匿名なので誰が書いているか分かりませんよね。

日経新聞のコラムを読んで、このホームページを訪ねてくださった方がおられると、うれしいですね。このページでは、コラムに書ききれなかったことについて、補足説明もしています。限られた字数に納めるのがコラムですから、補足説明は邪道ですかね。「補足説明のページ」
このホームページの概要や経歴は、次のページをお読みください。「このホームページの解説」「閲覧者270万人の記録」。

前回に続き、コラム執筆の苦労について書きます。今回は、字数です。
分量は、19字×36行=684字です。この字数に収めることは、難しいです。
限られた字数で何を伝えるか。そのために、文章をどこまでそぎ落とすか。その勝負です。あまり削ると、読む人が分からなくなります。
私の文章は「短く平易に」を心がけているので、このようなコラムには適していると思っています。それでも、難しいです。また私の文章は、通常は「です・ます調」なのですが、新聞なので「だ・である調」にそろえています。私は、「だ」とか「である」という決めつけ的な表現が嫌いです。「であります」という表現も嫌いです。「です」がすっきりしますよね。

いろいろ書きたいのですが、そうもいかず。まず、文字数を気にせず書いてみます。当然のように超過するので、削ります。文章を泣く泣く削除し、何度も書き直して、収めるようにしています。何度書き換えたことやら。てにをはの1文字に、悩みます。「僧は推す月下の門」か「僧は敲く月下の門」かの心境です。
もっとも、字数が限られているので、文章が磨かれるという長所もあります。「いくら長くても良い」という条件だと、冗長になるでしょう。

皆さんも一度、この字数で書いてみてください。400字詰め原稿用紙で約1枚半です。今や原稿用紙を使わない人も多いでしょうから、その場合は、パソコンで文字数を数えてやってみてください。

日経新聞夕刊コラム第6回

日経新聞夕刊コラム第6回「職場の非常識」が載りました。

私は大学を卒業して、そのまま公務員になりました。民間企業などの職場を知らずにです。職場の習慣のいくつかについて「変だなあ」と思いつつ、「先輩たちもやっている。これで良いのか」と、それに慣れてしまいました。
スリッパやサンダル履きについては、私も駆け出しの頃は、出勤するとサンダルに履き替えていました。しかし、お客さんに会うときはまずいと思い、その都度、靴に履き替えていました。
大臣秘書官になって、一々履き替えるのは面倒になり、サンダルをやめました。その際、蒸れないように、メッシュの黒靴を室内履きにしました。これは、重宝しました。亜熱帯気候になる日本の夏には、一日中革靴でいることは、きつかったです。
民間の方とつきあうことで、他のことにも「やはりおかしい」と思うようになりました。9時30分始まり18時15分終了という勤務時間も、いずれ変わっていくと思います。

早速、反応がありました。
・表題は「役所の非常識」ではありませんか。
・まだ、サンダル履きの人を見ます。
・国会待機で、毎晩遅くまで役所にいます・・・。

ところで、このコラム執筆の苦労について、お話ししましょう。今回は、まずテーマについてです。
テーマ選びは、難しいです。何を書いても良いのですが、それがかえって難しいです。私は、随筆家ではありません(将来そうなれば、うれしいですね。笑い)。新聞社も、私にそのような内容を求めていないでしょう。
コラムとは、「ニュース以外の評論やエッセイなどの短い文章で、客観的な事実をもとに主観的な見解を挟んだ囲み記事」のことだそうです。
私は、官僚の生態学や経験で考えたことを、書こうと思っています。官僚は、新聞では批判の対象になり、また夜遅くまで働いている例として取り上げられますが、その実体はあまり知られていません。私の体験を元に、少しでも紹介できればと考えています。

日経新聞夕刊コラム第5回

日経新聞夕刊コラムの第5回「お詫びの訓練」が載りました。今回も私の経験談です。でも、この話題は、民間企業の方も、興味を持って読んでいただけるでしょう。
ここでは、私の「形」の失敗談を書きましたが、もちろん重要なのは、説明の中身です。

より詳しくは、連載「明るい公務員講座中級編」で解説しました。また、このホームページに書いたこともあります。
お詫びの仕方・形も大切」「お詫びの仕方・中身が大切」「お詫びの仕方・付録

学校で習うことや、職場の研修で教わることは、「理想像」が多いと思いませんか。ところが、現場では「きれいごと」ばかりではすみません。
例えば、クレーマーへの対応です。管理職になったら、出来の悪い部下の指導、メンタルに病んでいる職員の対応があります。学校の先生だったら、いじめへの対応、落ち着かない児童の指導、モンスターペアレンツへの対応です。
「良い管理職」「良い先生」の教育はされるのですが、このような困った場合への対応は、より重要だと思います。

日経新聞夕刊コラム第4回

日経新聞夕刊コラムの第4回「鯉が包丁を持つ」が載りました。3回にわたり大震災について書いたので、今回は話題を変えました。
省庁改革は、私が経験した「珍しい仕事」の一つです。文中の事務局長は河野昭さん、官房長官は野中広務先生です。「河野さんの思い出
早いもので、新府省発足から17年が経ちました。40歳未満の国家公務員は、新しい府省で採用されているのですね。

連載が始まって、何人もの方から「読んでますよ」と、励ましの言葉をいただきました。面識のない方から、お手紙も。ありがとうございます。
辛口の先輩からは、「昨日の苦労話ではなく『明日への話題』(このコラムの表題)を書きなさい」との指導が入りました。
ご指摘の通り、昔の経験談ばかりで、申し訳ありません。「官僚の生態学」をお伝えしたい、それも珍しい経験をと思って、取り上げています。この後、徐々に話題は展開していきます。もう少しお待ちください。

日経新聞夕刊コラム第3回

日経新聞夕刊コラムの第3回「企業の貢献」が載りました。内容は、読んでもらった通りです。
大震災直後の救援とその後の復興について、企業の皆さんには、大変な協力をいただきました。協力いただいた企業にお礼を言う場として、日経新聞はまたとない媒体です。ありがとうございます。
このコラムでは字数も限られているので、これだけしか紹介できませんでした。文中に出てきた被災者支援チームのホームページは、こちらです。
そこにも書いてあるように、保管と輸送を協力してくださった企業もあります。なお、「名前を出すことも遠慮します」とおっしゃる企業もありました。

企業の支援について、今回の特徴は、モノやカネだけでなく、技術と人の支援が大きかったことです。コラム書いたとおり、各企業や業界が、持っている技術力、専門的知識と技能を使った支援をしてくださいました。
モノやカネは集計できるのですが、このような技術による支援は、表に集計できないのが残念です。