カテゴリーアーカイブ:社会の見方

デフレの慣性2

2007年9月2日   岡本全勝
1日の朝日新聞変転経済は、「ファンド旋風」でした。1990年代後半、不良債権処理に悩んでいた日本に、ファンドが入ってきました。機関投資家や富裕層から集めた資金を運用する、投資のプロです。
破綻した旧長銀や、宮崎のリゾート施設シーガイアなどを買収し、立て直し、そして自らも利益を得ました。それまで、金融機関(メインバンク)が担っていた、融資先の支援や再生を、ファンドが担ったのです。リップルウッドの最高責任者コリンズ氏は、「日本のバブル経済をつくった人たちは、新参者によって過去の過ちが暴露されるのを怖れ・・」と述べています。
もっとも、買収先の経営に関心を示さず、利益追求のみをするファンドもあるようです。

温暖化と農産物

2007年8月30日   岡本全勝
30日の朝日新聞は、「温暖化後はこんな夏」を伝えていました。温暖化で米の収量が落ちるだけでなく、九州での1等米の比率は、1980年代半ばまで80%程度だったのが、2009年産では30%まで落ち込んだそうです。大変なことだと思います。が、どうもこの記事だけでは、腑に落ちません。
なぜ、南方が原産の米が、温暖化で収量が落ちたり、味が落ちるのでしょうか。もう少し説明して欲しいです。学生時代には「東北や北海道では米が良く育たないので、かつては苦労した。品種改良で米が取れるようになった」と習いました。インドや中国南部では、どうなっているのでしょうか。品種が違うと言えば、それまでですが。また、温暖化って、80年代から始まっていたのでしたっけ。
リンゴが色づかなくなったという記事もありますが、一方で温暖化で育ちやすくなった作物もあると思うのですが・・。

所得格差

2007年8月25日   岡本全勝
25日の新聞は、厚労省の発表した「2005年所得再分配調査」を伝えていました。それによると、当初所得のジニ係数は、前回2002年の0.498と比べ、0.526と拡大(格差が広がって)います。その主な要因は、高齢化です。すなわち、高齢者は金持ちと貧乏の差が大きいのです。また、この格差は、近年広がり続けています。
当初所得に、税金の徴収と年金などの社会保障の給付を加味したのが、再分配後所得です。これは、より平等になります。再分配後のジニ係数は0.387と、前回の0.381と比べほぼ横ばいです。社会保障が機能しているということです。もちろん、この0.387が水準としてよいものかどうか、という問題はあります。さらに課題は、若年層での格差の拡大と、地域間の格差です。

社会保障カード

2007年8月19日   岡本全勝
18日の日経新聞夕刊は、スウェーデンのカードを紹介していました。国民一人ひとりが、名前と顔写真と個人番号の入った身分証明書カードを持っています。年金や医療サービスを受ける際には、提示が必要です。そのほか、銀行口座開設などの本人確認に使われるだけでなく、給与や借金も、この番号で会社や銀行から国税庁に報告されます。確定申告も、これに基づいた用紙が国税庁から送られてきて、それにサインをすれば済むのだそうです。所得が正確に把握されているので、社会保険庁もその数字を利用します。
個人情報流失防止のために、個人番号だけでは、データにアクセスできないとのことです。便利ですね。半世紀の歴史が、あるそうです。日本は多くのことを西欧から輸入したのに、なぜこのサービスは、輸入しなかったのですかね。

司法と民主主義

2007年8月15日   岡本全勝
日経新聞1面連載は、「試される司法、先輩国の教え」を始めました。第1回目は、根付く市民参加です。
裁判への市民参加は、民主主義の補完だと思います。王や貴族、天皇や武士、官僚に政治を任せるのではなく、国民・住民が政治を担うことが民主主義でしょう。その責任を、国民が引き受けたのです。投票に行く、税金を納めるだけでは、「あなた任せ民主主義」でしかありません。「専門家に任せておいてはよくないこともある」ということが、いろんな場面で表れています。もちろん、国民が毎日、政治に参加することは不可能ですから、専門家に任せる部分も必要ですが。
私の、「行政構造改革の分類」では、裁判員制度を行政構造改革の一つとして、「公開と参加、官の独占を止める」分類しました。