10月8日の読売新聞「緩話急題」、鶴原徹也記者の「MANGA仏訳1200作品」から。
・・MANGAがフランスを席巻している。同国で昨年出版された漫画本の実に4割が日本漫画で、1200作品以上が仏訳され、計1300万部を超えた。これまでに仏訳された日本人漫画家は、少なくとも450人にのぼる・・
「フランスは日本漫画の最大輸入国です」。超エリート校、パリ政治学院のジャンマリ・ブイス教授(60)が語る・・教授によると、日本漫画の成功は「親と 役人の干渉がなかったこと」。漫画家は10代前半の子どもを喜ばせるために何でも描いた。一方、仏漫画や米漫画は、検閲のため制約が多くあった。「奔放さ こそが日本漫画発展の土台です」と言う。
パリ近郊で毎年開かれる漫画、アニメを中心とする「ジャパン・エキスポ」は11年目の今年、入場者が18万人を突破した。フランス有数の集客イベント、パリ国際モーターショーに迫る勢いだ・・
すごいことですね。
カテゴリーアーカイブ:社会の見方
トクヴィル
富永茂樹著『トクヴィル-現代へのまなざし』(2010年、岩波新書)を読みました。近年、トクヴィルがよく取り上げられます。極端に簡略化すると、自由と平等が進んだ社会がどのような病理を生むか、という視点からでしょう。19世紀前半に生きたトクヴィルが、現代を予測していたという視点です。宇野重規先生の著作も、かつて紹介しました(2010年5月5日の記事)。
富永先生のこの本も、鋭い切り口から、トクヴィルの著作と思想を分析しておられます。学生時代に、『アンシャンレジームと大革命』と『アメリカのデモクラシー』を読みましたが、こんなに深く考えが及びませんでした。前者はフランス語と英語で読み、後者は私にとって読みづらい翻訳だったというのが、言い訳です。その後、両方とも、読みやすい訳が文庫本で出たので、言い訳ができなくなりました(苦笑)。
規制改革の経済効果
将来的に?
朝日新聞10月3日夕刊1面トップ記事(東京版)は、大阪地検の証拠改ざん事件でした。その中に、次のような記述がありました。
・・この際、大坪前部長と佐賀前副部長から、将来的に改ざん疑惑が発覚した時の口裏合わせの資料として、意図的な改ざんを過失とすり替えた内容の上申書の作成を指示された・・
うーん、朝日新聞も、「将来的に」という言い回しを使いますか。「将来、」または「将来に」では、ダメなのでしょうかね。
潜在成長率
10月4日の日経新聞経済面で、松尾洋平記者が「潜在成長率、本当は何%?」を書いていました。潜在成長率って、一般の方には耳慣れない言葉だと思います。ごく簡単に言うと、「経済の成長実力」です。「景気循環の影響を除いた経済成長率のことで、中長期的に経済がどのくらい伸びていくかを示す」と解説されています。
GDP(国内総生産)の成長率は実際の経済成長=需要側の数値であるのに対し、潜在成長率は供給側の数値です。その差が需給ギャップです。最近の日本経済は、供給が需要を上回っていて、デフレ状態にあります。生産の実力を、使い切っていないのです。
このような状態では、供給側の能力が向上しても景気はよくなりませんが、中長期的には成長力の指標である潜在成長率が高い方が望ましいです。
ただし、この記事が解説しているように、その数値の算出は簡単ではありません。潜在成長率は、企業の設備、労働力、全要素生産性の3つから計算します。このうち、全要素生産性が難しいのです。これは、技術力やノウハウ、教育水準などの生産性なので、積み上げでは出てこないのです。詳しくは、記事をお読み下さい。