今日、NHKニュースで、次のような表現を見つけました。「バック前進繰り返す」です。「前進と後退」とは言わず、また「バックとフォワード」とも言わないのですね。
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生き様-知的生産の技術
画面の文章は読みにくい
私は、パソコンの画面で文章を読むのが嫌いで、少し長めのメールやページは、紙に印刷して読んでいます(もったいないので、使用済みの片面印刷の紙の裏を使っています)。
画面では読みにくいのは、ディスプレイと紙との違いだけでは無さそうです。酒井邦嘉著『脳を創る読書』(2011年、実業之日本社)が、参考になりました。表題につられて買ったのですが、内容は副題にある「なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか」でした。「なぜ画面上では見落とした誤字が紙の上では見つかるのか」「それでも「電子」より「紙」の辞書の方が便利」「紙の本にはどんな強みがあるか」という見出しを見ると、想像していただけるでしょう。
スクロールを続け、どこまで行ったら終わるかわからない、今どのあたりを読んでいるかわからない書類は、困りものです。
パワーポイントが嫌いなことは、かつて書きました(2011年11月6日)。もっともパワーポイントは、紙に印刷しても嫌いです。
ウィキペディアの迅速さ
インターネットの威力の一つに、ウィキペディアがあります。私も、活用させてもらっています。今日、たまたま別のことを調べていて、「復興庁」に至りました。なんと、もう載っていました。さらに、「統括官」の項にも、復興庁の例が出ています。大したものです。ウィキペディアに協力して、記事を書いている人がおられるのですね。しかも、内容はかなり詳しくかつ正確です。
ところで、私の子どもの頃は、各家庭には百科事典がありました。有名なところでは、平凡社の世界大百科事典でしょうか。知識の倉庫であり、ステイタスを備えた「家具」でもありました。情報の少ない村の小学生は、ページをめくり、見知らぬ世界を知ったものです。それは「宝箱」でした。
日本語表記の難しさ
毎日、文章を書いていて、句読点の打ち方に悩むことがあります。
例えば、今書いたばかりの「毎日、文章を書いて・・」です。点を打たずに「毎日文章を書いて・・」では、わかりにくくなりますが、意味は通じるでしょう。では「毎日、新聞を読んで・・」では、どうでしょうか。「毎日新聞を読んで・・」では、違う意味に取られることがあります。
「今」や「・・の場合」「・・の後」といった漢字のみの修飾語や単語が、くせ者です。その次に漢字が続くと、次に来る漢字とつながって、2つの語が1語に読まれる恐れがあるのです。次の語がひらがなで始まる場合は、その恐れはありません。「今」は、「今は」にすると、次に漢字の単語が来ても、つながって読まれる心配はありません。「・・の場合」は「・・の場合には」とします。
「五月、雨が降る」と「五月雨が降る」「五月に雨が降る」という例を、挙げておきましょう。五月雨では、「さみだれ」になってしまいます。
助詞のひらがながつかない場合が、読みにくくなります。英語や分かち書きは、単語がつながらないので、こんなことはないのでしょう。
もっとも、ドイツ語を翻訳した文章では、単語をそのまま漢字に移し替えた場合があって、理解しにくいものがあります。名詞がつながった複合名詞です。例えば、「存在非拘束性」。大学時代に、難儀しました(笑い)。どう見ても、日本語ではないですよね。漢文では、漢字が連なるので、どこで区切るかは、もっと難しいです。
私はこのホームページを書く際に、この注意も含めて、句読点を多用するようにしています。画面では、文字が続くと、読みにくいですから。
出版社の編集者さんは、毎日、このようなことに(毎日このようなことに)、注意を払っておられるのでしょうね。
中黒
最近、仕事で困ることに、「・」(中ぽつ、中黒)が、あります。単語を並べる際に、真ん中に入れます。例えば、「復旧・復興」というように。印刷された文章では、わかりやすいのですが。これが読み上げ原稿になると、聞いていてわかりません。「規制・制度の特例」と書いてあると、読めば規制の特例と制度の特例の2つがあるのだなとわかります。しかし、聞いていると、「規制制度」についての特例と聞こえるのです。やはり、「と」や「や」を入れるのでしょうね。
組織の名称でも、総務省に人事・恩給局があり、文部科学省に科学技術・学術政策局とスポーツ・青少年局が、厚生労働省に雇用均等・児童家庭局と社会・援護局が、農林水産省に消費・安全局が、国土交通省に土地・建設産業局と水管理・国土保全局が、環境省に水・大気環境局があります。名刺を見ればわかりますが、声で読み上げられると、わからないでしょうね。部や課の名前にも、中黒でつないだものは結構あるようです。そのような表記方法だと、省の名前も「文部・科学省」「厚生・労働省」「国土・交通省」でしょうか。
私が小中学校で学んだ国語の教科書には、句読点はあっても、中黒はなかったように思います。外国人の名前などには、真ん中に打ってありましたが。いつごろからでしょうか、日本語で中黒が多用されるようになったのは。