朝日新聞8月8日1面の「折々のことば」(鷲田清一)から。
・・・「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。」孫正義
ソフトバンクの社長は「髪の毛の後退度がハゲしい」とからかわれて、こう反撃した・・・
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生き様-生き方
リスクをとる人と、とらない人。動く人と、動かない人
朝日新聞8月1日のオピニオン欄「消費しない日本人」、藤野英人さん(ひふみ投信・運用責任者)の発言から。
・・・景気回復の兆しは肌で感じられるのに、マクロの統計数字をみると、実際の個人消費は伸び悩んでいることに違和感を覚えていました。
なぜ低迷するのか。各地の経営者や投資家、僕が教えている大学の学生らと対話を重ねるうちに、日本人が「動く人」と「動かない人」に二極化しているからではないか、という見方に達しました。
「動く人」とは、リスクを取ることをよしとする人です。努力は報われると考え、自身が成長するための習い事や勉強にお金を惜しみません。海外に行くことも躊躇せず、未知の人との出会いにも意欲的。希望を最大化しようとする戦略を取ります。
対して「動かない人」は想定される失望を最小化する戦略を人生の指針にしています。リスクを嫌い、学校や家との往復が生活の中心で、住む場所もあまり変えない。日本の将来に悲観的なため、消費を控え、貯金してできるだけ未来の失望を小さくしようとする生き方をしています・・・
私が常々思っていることに、明快な表現を教えてくださいました。そうなんです。動くだけの、あるいは動かなければならないだけの、地位と財産がありながら、動かないのです。というか、リスクをとらなくても、それなりに地位と財産は保障されているから、今さらリスクをとらないのです。これは、企業経営者、企業の社風、官僚の一部にも蔓延しています。そして、先輩たちが成功した後に、その地位を受け継いでいるので、「保全」が先に立つのです。成功体験の負の遺産です。環境(取り巻く社会経済状況)が変わらなければ、それでも優位な地位は保つことができます。江戸時代の日本社会であり、冷戦崩壊までの日本です。しかし、環境が変わったときに、それではおいて行かれます。
ある分野の第一人者
川北稔著『私と西洋史研究』には、次のような発言もあります。先生は、ウォーラーステイン(近代世界システムで有名です)の翻訳で有名です。ある分野の第一人者としての自信が出ている発言です。こうなりたいものです。
・・・ところで、ウォーラースティンの『近代世界システム』第1巻の膨大な参考文献リストをみたとき、それが、私が学部のときから必死で読み込んできたもののリストとほとんど一致していることに気づきました。だから私は、いささか口幅ったいのですが、あれを訳す人間としては、私が最適であったと確信しています・・・(p146)。
家族サービスという言葉
先日あるところで、指摘され批判されました。「家族サービスは大丈夫か?」というセリフです。
職場で仕事熱心な部下に対して、この言葉がでます。話している方(私)は、部下をいたわっているつもりです。でも、よく考えると、これは「夫は職場、妻は家庭」という固定観念に縛られた発言ですね。家族は、サービスする対象なのでしょうか。仕事を優先し、家庭は犠牲にしてもよいという発想からしか、出てこないセリフでしょう。という私も、家族サービスどころか夫や父親としての義務すら、果たしてきませんでした。すべてキョーコさんにお任せでした。今さら遅いですが、反省。
すごい職人
朝日新聞夕刊の「凄腕つとめにん」は、毎回びっくりするような職人さんが出てきます。3月23日は、「飼育するゴキブリ、100万匹」のアース製薬・研究部生物飼育課係長、有吉立さんでした。世の中には、いろんな仕事があるものです。ゴキブリに罪はないのですが、毎月、殺虫剤の試験のため、1万匹が殺されるそうです。ゴキブリが好きという方以外は、食事中は、読まない方が良いですね。ゴキブリそのものの写真は載っていませんが。