カテゴリーアーカイブ:明るい課長講座

新入社員4割が転職検討

2024年5月23日   岡本全勝

5月9日の日経新聞に、「新入社員4割が転職検討」が載っていました。

・・・新卒や入社数年の若手社員の早期退職が目立っている。新入社員の4割以上が転職を検討しているという調査もある。深刻な人手不足が続く中、有望な人材をつなぎ留められなければ企業経営は揺らぎかねない。企業は入社後に若手をきめ細かくフォローする体制を整え、抱える悩みや感じるギャップに対処する必要に迫られている・・・

就活情報サイトを運営するキャリタスが2月に実施した2023年春入社の社会人を対象に実施した調査では、4%が転職活動中で、39%が検討中です。リクルートマネジメントソリューションの2023年調査では、正社員として勤務する入社1~3年目の17.5%が自己都合退職を経験しています。

若手社員が会社を辞めたいと思う理由は、次の順です。仕事にやりがいや意義を感じない27%、給与が満足できない19%、自分のやりたい仕事ができない13%、会社の将来が不安12%、動労環境・条件が悪い12%、職場の人間関係が悪い12%です。

会社の側も対応を迫られています。就職してからの対応も必要ですが、会社を選ぶ際に十分な情報を与えることも重要でしょう。
5月13日の日経新聞夕刊「関心集める「エンゲージメント」 社員生かす経営の尺度」では、エンゲージメントは働きがいややりがいとは同意ではなく、例として仕事に対する情熱、会社に対する愛着との定義を紹介しています。日経新聞社などが2023年12月に実施した調査では、東証プライム上場企業の人事部門役職者の47%が組織上の課題に「エンゲージメント」をあげ、「生産性の向上」は41%でした。

社員自ら異動登録

2024年5月17日   岡本全勝

5月3日の日経新聞、「コマツ自ら異動希望登録、1.1万人対象、500の組織とマッチグ」が載っていました。

・・・コマツは全社員の約9割にあたる1万人強を対象に、希望による配置転換を可能にする「キャリアチャレンジ制度」を導入した。多様な経験を積みたい社員と500超の組織とのマッチングに生かす。退職した元社員の再雇用、従業員が知人を紹介する「リファラル採用」も今年から始めた。伝統的な人事制度を変え、柔軟なキャリア形成や離職防止につなげる。

キャリアチャレンジは新制度で、3月までに第1弾の募集を終えた。開発や生産、マーケティングなどの職種から30人超の応募があり、4月から選考や異動が始まった。社員が挑みたい部署や仕事内容をデータベースに登録し、上司の承認は不要だ。各部門が登録情報を基にオファーして、選考や面談に進む。
管理職を含め、入社4年目以降を目安にした中堅以上の正社員1万1000人を対象にする。コマツにはグループや課の単位で、500超の組織があり、約20職種がある。製造業の大企業が全社ベースでキャリアチャレンジ制度を導入するのは珍しい。

ただし、社会人としての基礎能力や所属部門での一定期間のスキル育成も重視する。そのため大卒の場合、入社3年目までの若手社員は対象外で、現在の所属部門での「在籍期間1年半以上」を応募の条件にした。会社主導の異動についても「新たな経験を積む機会」(同社)という。

リクルートが2023年に人事業務の担当者を対象に実施した調査によると、製造業のキャリアチャレンジの導入率は37%だった。全業界平均(35%)を上回るが、金融業(46%)や情報通信業(44%)よりは低い・・・

新社会人の壁の乗り越え方

2024年5月14日   岡本全勝

5月2日の日経新聞夕刊に「新社会人の壁 乗り越え方は」が載っていました。

・・・就職したばかりの新社会人の生活は、希望に満ちあふれている半面、不慣れな状態が続いて心身の疲れもたまりがちだ。研修や初めての業務が難しいと感じたり、うまくいかずに自信を失ったりする場面もあるだろう。壁をどう乗り越えるか。生き生きと健やかに働くためのコツを専門家に聞いた・・・

高野知樹さん(精神科医、神田東クリニック院長)
――最近の新入社員の特徴は。
「産業医として気づくのは、上司と距離を置き、あまり相談をしない傾向だ。不調になるとすぐに病院に行き、職場に診断書を出すケースが目立つ。社会人が仕事を休むのは大きなことだ。重症でなければ、休まずもう少し働きながら治療する道もある」
「以前は『仕事の負担が重い』『調子が悪い』などと上司に相談し、上司は負担を減らす、仕事の内容を変えるなどで調整したものだ。近年はそういったプロセスを踏まず、外部で受診しすぐに休みに入ろうとする」
「仕事や職場になじめないときは環境を変えるのも大事だが、まずは自分が変わっていく可能性を探りたい。この職場で自分ができることは何か。今の場所になじむ過程でやりたいことが見つかるかもしれない」

道谷里英さん(順天堂大学国際教養学部先任准教授)
――仕事で分からないことも多岐にわたる。
「新入社員には相談することにハードルがあり、『分からないことがあれば聞いて』と言われてもできない。『自分で考えろ』と言われると思って質問できなかった人、就職活動で『できる』とアピールしたから弱いところは見せられないと思う人もいる」
「『自分でやりたい』『認められなくては』との思いから、困っていたり分からなかったりしても人に聞かず、その結果失敗して周りから助けられる、という経験をすることが多い」

――助けを求める際のコツは。
「『分からない』と発さないと、周りも助けようがない。協力して仕事を進めるには、困っていることを伝えた方が周りの人も助かる。『何も分からない、助けて』といったSOSの出し方でもいい」
「話せそうな人をいかに見つけるか、がポイントだ。会社にはいろんな人がいて、合う人は絶対にいる。社内の非公式なつながりは状況を共有しやすく、支えになる。例えば少し上の先輩がこの会社でどう生き残ってきたのか、話を聞けると楽になる」

悩んでいる新採職員には、拙著『明るい公務員講座』を読んでほしいです。そこには、「一人で悩むな」と書いてあります。薦めてください。

選手を怒らない指導

2024年5月6日   岡本全勝

4月25日の日経新聞夕刊連載「人間発見」、スポーツ心理学者 田中ウルヴェ京さんの「五輪がゴールじゃない」第4回「米国のコーチ留学で衝撃」から。田中さんは、シンクロナイズドスイミング(当時)のオリンピックメダリストです。

・・・ 24歳で米国にコーチ留学。日本と違う指導に衝撃を受けた。
当時の米国はシンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング)世界一の国です。私の受け入れ先となってくれたカリフォルニア州ウォールナットクリークのクラブは、複数の五輪金メダリストが在籍する名門でした。米国代表監督のゲイル・エミリーさんの横で4年間、毎日指導を見させてもらいましたが、一番驚いたのが選手に掛ける言葉です。
「楽しんで演技しよう」「自信を持って」「ファンタスティック!」。エミリーさんの発する言葉は前向きなものばかりでした。日本で「ちゃんとやりなさい」「そこは丁寧に」とミスの指摘や注意の言葉ばかり聞いてきた身には、大きなカルチャーショックでした。

もちろん、練習でミスも出ます。でも、エミリーさんは選手には聞こえないよう、私の耳元で「最悪だわ」とボソッと吐き捨てるように言って怒りを鎮めていました。選手にぶつけても、うまくはならないというのです。世界一の実績があるだけに、これが強くなる指導なのだと胸にストンと落ちました・・・

こんな会社は潰れるわなあ

2024年4月18日   岡本全勝

4月13日の朝日新聞「「石」に魅せられて5」は、「失われた「匠」の誇り、事業切り売り」でした。
・・・2023年11月22日、上場企業としての東芝の「最後の株主総会」が開かれた。日本を代表する総合電機メーカーの上場廃止が正式に決まった。
東芝に30年勤めた横浜市の50代男性は、仕事の合間を縫って会場に足を運んだ。「ここで言わなければ、一生思い残すと思って」。質疑応答で思いの丈を述べ、会場を出て、ひと言つぶやいた。「上場廃止、ざまあみろ」
男性はこの7年半前、東芝にリストラされた。
1986年、半導体の設計エンジニアとして入社した。東芝の半導体は当時、世界トップクラスを誇った。USBメモリーなどに使われる「NAND型フラッシュメモリー」を世界で初めて開発した・・・

・・・2010年ごろから、本社の「社長直轄」で新規事業の立ち上げに携わった。社内に憤りを抱き始めたのはこのころだ。
同僚は出社して朝食を取りながら、世間話で時間をつぶしていた。上司に新しい事業を提案すると反対され、うまくいけば手柄を横取りされた。「世の中の役に立ちたい」と目を輝かせていた人が、変わっていく。社内の権力争いは、目を背けたいほどだった。
「純粋なエンジニアが評価されなくなった。一から生み出し、創造する、日本の『匠(たくみ)』が失われた会社になった」
15年、その後の上場廃止にもつながる不正会計の問題が発覚した。男性の部署は経営陣の辞任とともに事実上、解体され、真っ先にリストラの対象になった・・・

東芝は名門企業でしたが、経営陣は不正経理を繰り返し、職場がこの状態では。ある人曰く「潰れますわな」。