先日、省庁改革本部減量班の同窓会をしました。
2001年に実施された省庁改革の作業のために、私たちが事務局に集められたのは、1998年6月でした。今年は25年です。よく続いているものです。「20年の記事」
ちょうどアフリカから一時帰国中の大使、イギリス勤務を終えて帰国した官僚、熊本や大阪勤務から帰ってきた人、すでに第二の職場にいる人などなど。都合がつかない人以外が集まりました。
皆さんそれぞれに歳を取っていますが、元気で活躍中です。
霞が関の定期人事異動が行われ、異動した人とともに、退職した人もいます。そのお祝い会やら、送別会が続いています。
ある後輩の送別会で、彼の仕事ぶりが話題になりました。仕事もでき、部下からの信頼が厚かったのです。仕事はできて当たり前なのですが、部下から慕われる人と、そうでない人がいます。何が良かったのか。本人は気がつかないので、その部下だった出席者に聞きました。いくつも長所が挙げられましたが、要約すると次のようなことでした。
・判断が速い
部下が相談に行くと、その場で方向を決めてくれたことです。「よし、これで行こう」とか「これは、××さんに相談に行こう」とです。必ずしも結論が出るわけではないのですが、次への段取りを示してくれます。すると、部下は次の段階に進むことができます。それがないと、もやもやが貯まります。
・話を聞いてくれる、一緒に考えてくれる
部下が相談に行くと、まずは話を聞いてくれます。多くの上司は部下の話を聞きますが、たぶん彼は、部下の目線まで降りて、相談に乗って、一緒に考えてくれるのでしょう。すると部下は、どんなことでも相談に行くことができます。「こんなことを相談して良いのだろうか」と、悩まなくてもすむのです。
・別の上司の前で助けてくれる
別の上司に案を持っていったときに、その上司は厳しい質問をするときがあります。部下たちは、立ち往生してしまいます。そんなときに、彼は、横から助け船を出してくれるのです。これは部下たちは助かりますよね。
7月3日の日経新聞に「カスハラ封じ、企業も責任 都は「警察通報」指導も」が載っていました。
・・・顧客や取引先からの迷惑行為、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の被害を、法の力で防ごうとする動きが広がっている。東京都は中小企業向けの専門の支援窓口を置き、悪質事例は警察に通報するよう助言。裁判所では加害者の勤務先企業に使用者責任を認める判決も出ている。企業には、従業員をカスハラから守るために十分な措置をとる法的義務が今後重視されるとの見方も強まる。
「暴言を繰り返し、店頭に居座る客に困っている」。東京都は4月、都中小企業振興公社(東京・千代田)にカスハラ専門の相談窓口を設置。中小企業からの被害相談などを受け始めた。必要に応じて中小企業診断士や社会保険労務士の相談員を4回まで派遣して対応を支援する取り組みを中心とする。
都は被害に遭った従業員だけでなく、企業の事業活動への影響も懸念。左古将典・都振興公社総合支援課長は、相談員と企業が対応しても改善しないような悪質なケースについて「(刑事事案として)被害を警察に通報するよう企業に勧める」と言い切る。
飲食店などを中心に近年、カスハラの被害が目立っている。厚生労働省が20年秋に全国8000人を対象に実施した調査では、過去3年間でカスハラを経験した労働者は15%で、セクシュアルハラスメント(約10%)を上回った。「長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム」や「ひどい暴言」などの内容が多かった。飲食店情報サイト「飲食店ドットコム」の20年の調査では、約490人の飲食店経営者のうち64%がカスハラ被害の経験があると答えたという。
被害が増える一方、カスハラの法的な位置づけは曖昧だ。セクハラやパワーハラスメントの防止策は労働施策総合推進法などで次々に法制化されたが、社外の第三者が加害者となるカスハラを直接禁じる法律はまだない。どんな行為が該当するかの具体的な定義も定まっていない。
ただ悪質なカスハラは、暴行や強要、威力業務妨害など刑法上の罪に該当する行為を伴うことがある。都はここに着目し、刑事事案として警察に相談することで被害の歯止めを目指す指導につなげている・・・
行政にあっては、行政対象暴力があり、議員からの無理な要求も問題になっています。
7月2日の朝日新聞オピニオン欄に「早生まれは損?:1 学力では」が載っていました。
・・・同級生に比べて体が小さく、成長が遅い――。1月から4月1日までに生まれた「早生まれ」の子は平均して、学齢期にそんなハンディがあるといわれます。当事者にはどのような苦労があり、どんな配慮が必要なのでしょうか。まずは学力面を中心に考えます。
3月生まれの生徒が入学した高校の偏差値は、同じ学年の4月生まれより4.5低い。3年前、東京大学大学院の山口慎太郎教授(労働経済学)らがそんな研究を発表し、話題を呼んだ。その後、早生まれのハンディを小さくするための議論や新たな施策は生まれたのか。話を聞いた。
埼玉県のある自治体のデータを用い、統計的な誤差を補正した上で4月生まれと3月生まれで入学した高校の偏差値を比べると、4.5の差がありました。
ただ、学力差そのものは学年が上がるごとに縮まっていた。「埼玉県学力・学習状況調査」の4年分のデータを用い、県内の公立小中学校に通う小学4年~中学3年の延べ100万人超のデータを分析したところ、どの学年、どの教科でも、先に生まれた子ほど成績が良い傾向が見られたが、学年が上がるにつれて差は小さくなっていました。
研究では、学力の差もさることながら、「感情をコントロールする力」や「他人と良い関係を築く力」といった非認知能力の差が、学年が上がっても縮まらないこともポイントでした。
学校外での活動を分析すると、中学3年の早生まれの生徒は、学習や読書の時間、通塾率がいずれも高いという結果が出ました。一方、スポーツや外遊び、美術や音楽に費やす時間は少なかった。これは、保護者が自分の子どもに何らかの遅れを感じて塾が優先され、非認知能力を伸ばすとされるスポーツや芸術系の習い事はしなくなるということだと思います。つまり早生まれの子どもたちは学力面では努力で差を縮めているが、非認知能力を伸ばすような活動が不足しているということです。
非認知能力の中でも、一つの仕事をきちんとこなし、達成を目指そうとする「誠実性」は、大人になってからの労働収入と強い相関があると知られています。30~34歳の所得を比較した先行研究によると、早生まれのほうが約4%低いという結果がある。非認知能力を伸ばす活動の不足が、大人になってからの所得差につながっている可能性があります。
「早生まれの不利」は、記事になるたびに「面白い」と消費されるだけで、教育制度のあり方を考えようということになりません。これまで手がけてきた研究の中で、最も政策に反映される気配がない。生まれ月に基づいた配慮は、障害者に対する合理的配慮と同じだと思います。しかし、結局は保護者や本人が不利をどう克服するかという話に終始しがちです・・・
私は1月生まれ。家族や親族にも、2月、3月生まれがたくさんいます。保育園や小学校1年生では、4月生まれの子とは大きな差がありました。
日経新聞「私の履歴書」6月27日、中山譲治・第一三共常勤顧問の「バイオ生産」に次のような話が載っていました。
新薬を発売するにあたり、生産要員の確保が問題になりました。生産要員だけでなくそれ以外の部署でも大幅な要員不足が見込まれました。
しかし、各部門の専門性が高く、人事は別々でした。研究開発と営業の2部門に分かれ、ほとんどが同じ部門で定年を迎えます。他部門への異動は少なく、動いた人たちは、元の部署でのエースではないという偏見すらあったのです。
中山社長は、本社の部門長だけでなく関係会社のトップを集め、「異動に際しては量と質の両方を重視し、エースを出して欲しい。第一三共の未来がかかっている」と訴えます。子会社を吸収合併もします。幹部だけでなく、社員の理解と納得を得るべく、努力します。
東日本大震災の際に、被災者支援本部には、霞が関のほぼすべての省庁から職員を出してもらいました。官邸から指示を出してもらい、各省庁もそれに応えてくれました。ありがたかったです。次に私が考えたのは、この優秀な人たちをなるべく早く各省庁に戻すことでした。彼ら彼女らを引き抜かれて、各省庁は困っていたはずですから。