カテゴリーアーカイブ:人生の達人

勤勉で一生懸命が人に好かれ、人に恵まれる

2024年1月28日   岡本全勝

日経新聞夕刊「人間発見」、1月22日の週は東野智弥・日本バスケットボール協会技術委員長の「世界の壁破る 日本バスケ躍進の仕掛け人」です。
バスケットボールのコーチの技術を習得するために、アメリカに渡ります。大学のバスケットボール部に頼み込み、使用人のような立場から始めます。いわゆるぞうきんがけをして、コーチになることができました。

24日の記事に、次のような話が載っています。
「かなり無謀な米国行きでしたが、ギリギリのところで幸運な出会いがありました。力になってくれる人に恵まれた一因は僕が好かれたからではないでしょうか。好かれた理由は、僕が勤勉で一生懸命だったからだと思っています」

答えの出ない事態に耐える力

2024年1月21日   岡本全勝

1月3日の朝日新聞オピニオン欄、帚木蓬生さんの「答えを急がない力」から。

―帚木さんは「ネガティブ・ケイパビリティ」という著書で、負の能力の重要性を指摘していますが、どういう意味ですか。
「『答えの出ない事態に耐える力』のことです。世の中は明確な答えのある問題ばかりではありません。むしろ人間社会は、解決できない問題の方が何倍も多いのではないですか。先が見えず、どうしようもない不安に耐えながら、熟慮する。答えが出なくても問題に挑み続ける力こそ、ネガティブ・ケイパビリティです」

「これに対し、正の能力、ポジティブ・ケイパビリティは、答えをみつける問題解決能力をさします。学校教育もそうですよね。テレビでクイズ番組を見ても、記憶した答えを素早くはき出すことを競います。でも、多角的、長期的な視野でものを考えることも大事です。早く答えを出すと見落とすものがあるからです」

―どういうことですか。
「今ここに、理解できないものが出てきたとします。ヒトの脳はわからない状態に耐えられず、すぐにそれが何かを決めつけて、理解したつもりになろうとします。ノウハウ、マニュアル、ハウツーものが歓迎されるのは、悩まなくてもすむからです。だけど、そこには落とし穴がある。深い問題が浮かび上がらず、浅薄な理解にとどまってしまうのです」

ダイハツ自動車性能試験不正

2024年1月19日   岡本全勝

昨年12月から、自動車会社のダイハツで性能試験で不正を行っていたことが明らかになり、大きな問題になっています。2022には日野自動車でも排ガス・燃費性能を偽っていたことが明らかになりました。

12月30日の朝日新聞「ダイハツ不正の闇:下」「現場を追い詰める、業界の構図 各社で不祥事、問われる経営」に次のような指摘があります。
・・・「上司や他部署は『スケジュールの遅延は決して許さない』という強圧的な態度だった」
「『できません』『分かりません』は言えず『やるのが当たり前の文化』」
これは今回、大規模な不正が明るみに出たダイハツ工業の話ではない。2022年に排ガスや燃費の性能を偽る不正が明らかになったトラック大手・日野自動車が設置した、特別調査委員会によるアンケートに答えた従業員の声だ。
同年8月に公表された日野の特別調査委の報告書によると、人員や時間が不足するなかで「身の丈に合わない」事業戦略が推し進められ、「開発スケジュールが絶対視」されたことが不正の直接的な原因となったという。
無理な「短期開発」が推し進められ、「『できない』が言えない雰囲気」が組織風土となっていたと第三者委員会が指摘する、今回のダイハツの問題とうり二つの話だ。

失敗が許されず、問題を起こした部署は過剰な批判にさらされる点でも両社の話は共通している。
日野では、ミスを起こした部署や担当者が衆目の中で責められる姿が「お立ち台に上がる」と揶揄されるなど、「パワハラ体質」もはびこっていた。ダイハツでも「『失敗してもいいからチャレンジしよ』でスタートしても、失敗したら怒られる」「担当者が会議でつるし上げられたり、必要以上の叱責を受けたりすることがある」という実態があった・・・

2社ともトヨタグループです。幹部は、トヨタから派遣されているようです。
12月29日の「ダイハツ不正の闇:中」「トヨタの下「来た仕事断れない」 低コストが利点、OEMで増産担う」には、次のような記述もあります。
・・・トヨタには、現地を訪れて実際にものを確認してから物事を判断するという意味の「現地現物」という言葉がある。創業時から大切にされてきたものだ。
ただ、ダイハツの認証試験の現場は、この言葉とかけ離れた状態だった。第三者委の報告書によると、「管理職が多忙で、現場の業務や実情を理解する余裕がなかった」「相談に行っても『どうするんだ』『間に合うのか』と詰問するだけで親身になってくれない」という実態だった・・・

在宅勤務で見えない残業

2024年1月18日   岡本全勝

12月29日の日経新聞「休み下手」ニッポン上」に「祝日は多いのに…週末も仕事 在宅勤務 見えない残業」が載っていました。

・・・休日はあるのに仕事に追われてリフレッシュできない。働き方を見直す機運が高まり、制度のゆがみがあらわになってきた。子育てや介護などライフスタイルに応じて働き続けるには、上手に余暇を活用することが欠かせない。「休み下手」な日本の課題を探った。

「平日に有給休暇を使った分、土日で埋め合わせをしないといけない」。都内企業でコンサルタントとして働くさいたま市在住の女性(29)は11月、休日にもかかわらず自宅で業務をこなしていた。プロジェクトの繁閑によるものの、週の大半は在宅で勤務している。
有休は取得しやすいが業務量が減るわけではない。「土日は勤務扱いにはせず、持ち帰った端末でこっそり働く」。繁忙期になると、平日の仕事を減らすために休日に作業することが少なくない・・・

・・・在宅勤務は出社する負担を軽くした半面、仕事と私生活の境目を曖昧にしたとの指摘もある。自宅にパソコンや資料を持ち帰れば、いつでも仕事をできるためだ。
連合の調査では「出勤するよりも長時間労働になることがあった」と回答した人が5割を超えた。深夜に業務した人の割合も32.4%に上った・・・

上司に仕える

2024年1月17日   岡本全勝

上司を使う」の続きにもなります。「上司に仕える」は、「部下を使う」とともに、当たり前のことです。しかし、上司に仕える際にも、その行動に幅があります。

指示されたことを実行するは、最低限のことです。その際にも、早くよい成果物を仕上げるか、時間がかかってできの悪い成果物を出すのか。ここに差が出ます。
次に定例業務であっても、上司は、あなたが知恵を出して創意工夫をすることを期待しています。無駄を省くことなどです。上司は、そこにあなたのやる気と能力を評価します。

そして「仕える」です。
上司の指示に疑問を感じることなく実行するのか、変だなと思ったら意見するのか。上司に指示に欠けている部分を補うのかです。さらに上級になると、上司の行動を予測して、先回りして準備することです。
もちろん、部下がこのような行動を取ることができるのは、上司が部下の意見を聞いてくれる状況においてです。質問をしたり意見を言ったら叱られる、左遷されるような上司の下では、これは期待できません。そして、話を聞いてくれる上司の下で、有能な部下が育ちます。

なおドイツ連邦官吏法には、上司に助言すること、補佐する(支援する)ことが「服従義務」の一つに書かれています。嶋田博子著『職業としての官僚』(2022年、岩波新書)231ページに紹介されています。

「ドイツ連邦官吏法」
第62条 服従義務
① 官吏は、上司に助言し、上司を補佐しなければならない。官吏は、上司の職務上の命令を遂行し、その一般的方針に従う義務を負う。前段は、官吏が特別の法律の規定により、指示に拘束されることなく法律のみに従うものとされる場合には、適用しない。

なお、上司の命令について適法性の疑問がある場合は、それを上司に主張しなければなりません。
第63条 適法性にかかる責任
① 官吏は、その職務行為の適法性について、官吏個人として全ての責任を負う。
② 職務上の命令の適法性に疑義がある場合は、官吏は、遅滞なくこれを直接の上司に主張しなければならない。直接の上司によりその命令がなお維持された場合において、その適法性につき引き続き疑義があるときは、官吏は、一段階上の上司に相談しなければならない。命令が追認された場合には、官吏はこれを遂行しなければならないが、自己の責任を免ぜられる。前段は、命ぜられた行為が人間の尊厳を傷つけることとなる場合又は可罰的若しくは秩序違反であり、その可罰性若しくは秩序違反が官吏にとって明らかである場合には、適用しない。追認は、官吏の要求があれば、文書により行わなければならない。
ドイツ連邦官吏法・原語