カテゴリーアーカイブ:人生の達人

新年度、期待と不安

2021年4月4日   岡本全勝

4月になって、新年度が始まりました。
職場の異動があった人、新しく社会人になった人は、大きな夢と少々の不安とで仕事を始めているでしょう。異動がなかった人も、上司との期首面談や、今年度に処理する仕事の計画を立てて、決意を新たにしていることでしょう。その意識を忘れず、頑張ってください。
週、月、年度という区切りは、仕事を進める上で重要です。区切りがないと、仕事の計画は立ちません。区切りがないと、毎日がのんべんだらりと進んでしまいます。終わったときに、「何をしたんだっけ」と反省することになります。

新入生、職場を異動した人、今年は成果を上げようと思っている人に、参考書を紹介します。拙著「明るい公務員講座」の3冊です。新入生には「明るい公務員講座」、中堅職員には「明るい公務員講座 仕事の達人編」、管理職または管理職を目指している人には「明るい公務員講座 管理職のオキテ」です。
多くの人が悩むことについて、わかりやすく解説しました。高尚なことは書いてありません。普通の職員が悩み、普通にやればできることです。読んでみて、なるほどと思ったらあなたも実践してください。知っていることばかりなら、安心してください。

仕事を、山登りに例えてみましょう。初めて山に登るときに迷わない方法は、地図を見ることと、経験者に案内してもらうことです。この3冊は、その地図になります。経験者については、先輩を見つけて相談しましょう。
悩んでいる同僚や後輩、応援したい職員がいたら、あなたの持っている本を貸してあげるか、教えてあげてください(拙著の宣伝です)。

短い演説の準備

2021年3月22日   岡本全勝

3月18日の読売新聞1面コラム「編集手帳」に、次のような話が載っていました。

・・・雄弁家として名を残す第1次大戦時の米大統領、ウッドロー・ウィルソンにジョークめいた逸話がある。
ある人が10分の演説にどれだけの準備が必要かと尋ねた。大統領は「2週間だね」と答えた。次に1時間の演説ならどうか聞くと、「1週間だな」と答えた。では2時間の演説は? この質問に大統領は笑いながら答えた。「2時間も話していいなら、今すぐ始めてもいいよ」・・・

妬まれたら、心の中で相手の幸せを祈る

2021年3月16日   岡本全勝

3月6日の日経新聞「なやみのとびら」、「年下の同期から妬まれている」についての、中園ミホさんの回答です。

(相談)
同期が私への妬(ネタ)みを直接言ってきます。「大卒だから給料が高くていいわね」「英語が話せていいわね」など、大半は言いがかり。「比較されて気分が悪い。大嫌い!」とまで言われました。相手の方が年下なので定年まで一緒と思うとしんどいです。(愛知県・50代・女性)

(回答)
妬みはコンプレックスから生まれるもの。いろいろ言ってくる人はどこにでもいます。このようなタイプの人とは、何を言われても取り合わないのが賢明です。相談者さんもよくおわかりだと思います。ただ、相手が同僚であれば、やっかいですよね。
私は元占い師なので、こういう悩みをたくさん聞いてきました。対人関係の理不尽なトラブルは大概、妬みやひがみから発生している気さえしました。占いの視点から言わせていただくと、相手の悪い感情が飛んできたときは、その人の幸せを祈ることに尽きます。
「また言いがかりをつけてきた」と思ったら、「どうか、あの人にいいことが起きますように」と祈るのです。私はそうアドバイスしていました。うれしいこと、楽しいことが起こって相手の精神状態が良くなれば、こちらを攻撃することはなくなります・・・

・・・とにかく、自己防衛に徹することです。相手の言動にとらわれてイライラしていたら、相手にも空気が伝わり攻撃に拍車がかかってしまいます。反対に相談者さんがいつもニコニコしていたら、馬鹿らしくなって、対象が変わるかもしれません。仲良くなりましょうとは決して言いませんが、関わらないことです・・・
今度、何か言われたら、「どうかお幸せに」と心の中でつぶやいてください・・・

原文をお読みください。

2LDKでは2LDKの文章しか書けない

2021年3月15日   岡本全勝

3月5日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」、作家の門井慶喜さん「特注の仕事机」に次のような記述があります。広い仕事場に引っ越しされました。

・・・もともとは賃貸の2LDKでせっせと原稿を書いていたのだけれども、本があふれて他の場所に置かざるを得ず、ちょっとの調べものにも効率を欠く状態だった。これでは仕事の質にかかわる。2LDKでは結局は2LDKの文章しか書けないのだと思い決めて約100坪の土地を買い、仕事専用の一軒家をこしらえたわけだ・・・

納得。うらやましいです。もっとも、書斎が広ければ良い文章が書ける、というわけではありませんが。

100%の稼働率は効率的ではない

2021年3月9日   岡本全勝

2月28日の読売新聞、西成活裕・東大教授の「ウィズコロナのあり方 3密解消も急がば回れ」から。

・・・渋滞は時間の無駄です。渋滞学を分野横断的に展開する中で、工場などの生産現場の無駄の排除にも関わるようになりました。
実地のヒアリングによれば、工場の稼働率は30%程度の余裕を持たせた方が効率的です。誤解を受けがちですが、100%の稼働率が最も効率的というわけではないのです。フル稼働だと機械のメンテナンスの時間が取れないし、試作品も作れません。
バケツリレーを模した数理モデルによる解析でも、水の量をバケツの7割とした場合が最も効率的に運べました。

会社などの組織や社会も同じです。その時の環境に完璧に適応し無駄がないと、環境が変化した時に不安定になってしまいます。環境が変わってもそこそこ対応できるようにしておく方が、長い目で見てトータルのコストが少ない可能性が大きいのです。
コロナ禍でも病床不足などの問題が生じました。「見える無駄」を徹底的に排除し、効率を上げようという短期的視点だけを重視すると、有事に対応できません・・・

・・・渋滞学でも、車間距離40メートルを保てるかが渋滞が生じるボーダーラインとなっています。車間距離がそれ以上短くなるとスピードが落ち、後ろの車に増幅して伝わります。その結果、十数台後ろの車を止めてしまうほどの渋滞を引き起こすのです。
つまり、急いでいるからと車間を詰めるほど、時間当たりの交通量は低下します。利他心を発揮し、全ての運転手が車間距離を無駄と思わずに保つ方が結局、目的地に早く着きます。「急がば回れ」というわけです・・・