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生き様-仕事の仕方

世界企業、日本支社は「仲良し過ぎる」

世界企業、日本支社は最も長時間労働。原因は会議とメール」の続きです。
・・・業務時間が長い原因を調べてみると、会議に問題があることがわかった。
「1時間が標準で、召集メンバーも多い。そこで、ワーク・ライフ・チョイス・チャレンジが始まった7月の社員総会で『会議時間は30分を基本とし、人数は最大5名まで』・・・と呼びかけました」・・・

日本マイクロソフト、「会議は基本30分で5名以下」や「社内メールではなくチャットに」を全社員に通達」(2019年7月23日、Impress Watch)には、次のような文章もあります。
・・・具体例の1つ目は「会議設定は基本30分を標準」。同社社員が実施する会議の多くが明確な理由なく習慣的に60分間で設定されるケースが多く、社内調査からMicrosoftグローバルの平均と比べ30分間の会議が約半分しかないという。会議の内容や参加人数などで30分では不十分な場合もあるが、習慣的な「60分設定」を30分に変革していくことで、会議の時間の使い方改革に取り組むという。

2つ目は「会議の参加人数は、多くて5人で」。調査の結果、同社社員の実施する会議は、グローバル平均よりも11%参加者が多く、参加が必須ではない会議に多くの社員が参加しているという。とくに、日本ならではの特徴として会議に3階層(本部長/マネージャー/現場社員など)で出席したり、チームの同僚が複数名で同じ会議に参加したりするケースが多く見られ、この状況を改革するため、会議の参加人数は「多くて5人まで」を基本とする。
会議内容や生産性、創造性の観点から、あえて6名以上の会議を選択することも可能だが、全会議において主催者は参加必須者を明確にするという。会議通知メールにCCや「任意参加」で入れて「よろしければ参加を」のような招待も極力避けるという・・・

社員の言葉を借りると、「日本法人は仲良し過ぎる」というのです。
会議が長いことともに、参加者が不必要に多いのです。これは、役所にも当てはまります。電子メールのCCの数もです。
皆さんも、参考にしてください。

世界企業、日本支社は最も長時間労働。原因は会議とメール

世界で事業を展開するマイクロソフト社。以前、勉強のために、仕事や人事の仕方を教えてもらいに、日本法人を訪問したことがあります。最近、次のようなことを、教えてもらいました。

会社は、週4勤(週休3日)に挑戦しました。生産性の向上が目的なので、この間、業績目標や責任範囲は通常の月と変えません。ここが重要です。
詳しくは記事を読んでもらうとして、そのきっかけは、「世界150カ国にあるマイクロソフトの拠点の中で、日本マイクロソフトで働く社員の業務時間が一番長い」という指摘を本社から受けたことです。「世界ワーストワン。日本マイクロソフトが週勤4日に挑戦した理由」(2020年1月20日、BUSINESS INSIDER JAPAN )

「我々は業務の削減と効率化、さらには事業モデルの転換により、過去10年で年間売上高を180%に成長させる一方で、業務時間を1人当たり2カ月分減らしてきました。結果、1人当たりの生産性は202%上がりました。よくやっていると自画自賛していたのですが、グローバルレベルで見ると、まったく不十分であることがわかったのです」

そこに、興味深い指摘があります。
「グローバルと比べると、日本マイクロソフトの社員はメールにかけている時間が24%多く、メールの宛先も31%多い。会議にかけている時間も17%多く、会議の参加者も11%多い」
業務効率の悪さの原因は、電子メールと会議です。この項続く

男性育休取得の勧め

男性育休100%プロジェクト「#もっと一緒にいたかった」を紹介します。3分間の動画(YouTube) です。企業経営者が出演して、子育てをしなかったことを反省します。

・・・がむしゃらに働き、家庭をかえりみない…。そんな働き方はもう時代遅れだ。7社の名だたる企業のトップが宣言した「男性育休100%」。パートナーや子供と「#もっと一緒にいたかった」という後悔と誠実に向き合いながら、次世代のビジネスリーダーにその熱い思いと戦略を届ける・・・

私も同じ思いです。かつては、家庭を顧みないで仕事に打ち込むことが「正しいこと」とされていました。今にして思うと、おかしなことでした。
もちろん、仕事に打ち込まなければならない時と場合もあります。しかし、そうでないときでも、家に帰らず、職場にいたり、飲みに行ったりしました。育休どころか、年休も取らず、休日出勤を自慢していました。反省。
1人で2人の子育てをしたキョーコさんに、頭が上がりません。
反省しても遅いのですが。気がついてからは、部下職員たちをなるべく早く帰らせるように、気をつけて仕事をするようになりました。

このページでも何度か指摘しているように、先進諸外国と比べ、日本は労働時間が長いのに、生産性は低いのです。その原因が、長時間職場にいることだと考えられます。
「早く帰ろう」と、仕事の段取りを考え、早く終わらせること。これが、働き方改革と生産性向上のコツです。

管理職、中間管理職、職員の区分、3

管理職、中間管理職、職員の区分、2」の続きです。

会社の中に「身分」「階級」をつくらない。これが、戦後日本の民主主義や平等意識の反映であったと、小熊英二著『日本社会のしくみ』は指摘しています。
確かにそれは、採用時に、管理職と職員を分けない平等をもたらしました。しかし、そこに、管理職と職員の仕事のあいまいさが生まれました。

実際は、管理職になることができる者とできない者は、区分されていました。大卒、高卒、中卒という差(上級職、中級職、初級職の区分)で区分を作り、またコース別管理という形で区別しました。
上級職は、学歴と、早い昇進で、管理職になります。ただし、先にも指摘しましたが、平職員から出発して、管理職に昇進する過程で、管理職教育がきちんと行われていないのです。

かつて、全体の学歴が低かった時代は、大卒それも偏差値の高い大学卒というだけで、部下がついてきました。
お手本があって、それをまねる場合。前例通りで仕事を処理できる場合。本社から指示が来て、それを実行すれば良い場合などは、現場でたたき上げてきた管理職でも勤まりました。
しかし、その組織の進むべき方向を決めたり、新しい仕事の目標と期限を決めたりする場合には、現場経験だけではできないのです。

管理職教育がなされていないことの背景には、職員すべてにおいて、職務内容が不明確なこと、明示的に指示されない風土があります。
あなたは異動した際に、あるいは採用されたときに、その席で1年間になにをするべきかを、上司から文書で指示されたことがありますか。私はありませんでした。前任者から、簡単な引き継ぎを受けただけという人が、多いのではないでしょうか。
大部屋でみんな一緒に働く、係ごとで仕事を処理する場合は、このようなあいまいな方法でも処理できました。いえ、この方が、うまく処理できたのです。
この項続く

職務による採用、家庭と両立させる女性管理職たち

2月17日の毎日新聞、「毎日経済人賞」黒田麻衣子・東横イン社長のインタビューから。「管理職、中間管理職、職員の区分、2」の続きにもなります。ホテルの支配人の多くは女性で、しかも途中採用とのこと。

・・・最初からリーダーをやりたいと手を挙げた方に任せたいと考えているからです。重視しているのはホテル経験ではなく、リーダー経験です。専業主婦であっても、子供のころに班長や生徒会、部活のキャプテンをやっていた人や、PTAの役員の経験がある人を採用しており、「女性にここまで重要な仕事を任せてくれる会社はない」とよく言われます。
ホテルは24時間365日開いているので、支配人たちは自分で時間をコントロールしており、仕事の途中で一回帰って夕飯の準備をするなど家庭と仕事との両立ができている人が多いです・・・

ウエッブサイト「BAR CAMPANELLA」にも、次のような話が載っています。「ホテルの支配人は97%が女性
・・・高柳:ところで、東横インは女性が活躍する企業として有名ですね。各地のホテル支配人のほとんどが女性です。今、女性の活躍が大きな流れとなっていますが、一方でなかなか思うように広げられない企業が多いという実態もある。どうすれば、女性が活躍できる会社になれるのでしょうか?
黒田:「女性役員を何%にします、女性管理職を何人にします」と宣言する企業が増えていますね。でも、女性の誰もがリーダーになりたいというわけじゃない。東横インでは、自らが「リーダーをやりたい」という女性を支配人にしています。
高柳:経験を積ませて、その上で抜擢するのではないのですか?
黒田:最初から支配人として募集します。応募者は「私はリーダーやりたいです!」という人ばかりです。
高柳:やる気のある人にやってもらえばいいじゃん、ってことか。
黒田:そう。やる気のある人がやったほうが、絶対にいいサービスが提供できますものね。

高柳:ホテル経験者を採用するのですか?
黒田:ほとんどしません。支配人については、ホテル勤務の経験があるかどうかよりも、リーダーの経験があるかどうかのほうを重視して採用します。何でもいいんですよ、部活でも、PTAでも。人をまとめて何かを成し遂げた人なら、やる気さえあればきちんと仕事をできると思います。実際に、東横インにはさまざまな経歴を持った支配人がいますよ。
高柳:支配人というと、部下に仕事をやらせる人、権力者というイメージを持っている人もいるのではありませんか?
黒田:確かに、います。でも、そういう人は、結局辞めることになりますね。もちろん、人を使って成果を出すのがリーダーの仕事ではあります。ただ、支配人として採用しても、最初はすべての仕事を覚えるために、フロントも清掃も何でもやってもらう。
リーダーは自分の姿を見せることで、部下を引っ張らなければならないんです。そうしているうちに、自分が考えることを部下が進んでやってくれるようになる。そんな職場の雰囲気や環境をつくれる人がリーダーなんです。旅館の女将さんと同じなんですよ。女性は家庭でも子育てなどで、自分でやって見せて、教育するということに慣れている。だから、うちはホテルなのに女性の支配人が多いんです・・・