カテゴリーアーカイブ:行政

居場所のない若者、SNSが避難先

2020年12月28日   岡本全勝

12月19日の日経新聞夕刊に「居場所なき若者 SNS「避難先」」という記事が載っていました。
・・・神奈川県座間市で9人を殺害した罪に問われた白石隆浩被告(30)は、東京地裁立川支部の裁判員裁判で死刑判決を受けた。公判では、悩みを抱える被害者がツイッターで弱音を吐いたところに被告がつけ込んでいた経緯が明らかになった。幼少期からインターネットが身近な若者にとってSNS(交流サイト)は日常から逃れられる「避難先」になり、トラブルに巻き込まれやすい実態も浮き彫りになった・・・

詳しくは記事を読んでいただくとして。
家庭でも学校でも落ち着けない、居場所のない若者が、交流サイトに避難先や居場所を求めるのだそうです。交流サイトの多くは匿名なので、弱音や本音を言いやすいのでしょう。しかし、それが犯罪の温床になるのです。

拙稿「公共を創る」第64回では、職場以外に居場所のない中高年男性社員を取り上げましたが、若者もまた居場所を探しているのですね。孤立、孤独の問題です。
本屋で、浅見直輝著『居場所がほしい――不登校生だったボクの今』 (2018年、岩波ジュニア新書)を見つけました。ここにも、居場所の問題があります。

村井宮城県知事「震災10年の復興政策」

2020年12月22日   岡本全勝

12月22日の朝日新聞オピニオン欄は、村井嘉浩・宮城県知事のインタビュー「震災10年の復興政策」でした。

―来年3月で震災から10年になります。復興政策をどう総括しますか。
「阪神・淡路大震災(1995年)と比較したら、びっくりするくらい特別な支援をしてもらいました。ただ、立場によって見方は変わると思います。被災者の立場からは『まだまだやってほしかった』、私の立場からは『非常によくやってくれた』、国の立場からは『税金を使いすぎた』、となると思います」

―税金の使いすぎ、ですか?
「国から見たら、やはり非常にぜいたくに見えるんじゃないですか。三陸縦貫自動車道を、一気に岩手まで引っぱってくれました。私が生きている間に行くなんて思っていませんでした。それが9年、10年で。防潮堤もそうです。国の財務省の目線で見ると、非常にぜいたくに見えるかもしれません。ただ、我々からすると、必要な財源で、必要なものをやりました」

―残された課題は何ですか。
「ソフト面の支援です。心のケアが必要な人には個人差があり、個別の対応が求められます。災害公営住宅でのコミュニティーづくり、人材の確保や販路開拓、子どもの不登校率の高止まりなど、課題が積み残っています。市町村やNPOと一緒に、一つ一つ取り組んでいくしかありません」

原文をお読みください。

新しい条例

2020年12月21日   岡本全勝

コロナ対策、条例による対策」の続きです。地方自治研究機構の「条例の動き」のページには、近年の新しい条例が調べられています。
ヘイトスピーチ、性の多様性、ゲーム依存症、認知症施策、児童虐待、ゴミ屋敷、ケアラー支援、歩きスマホ防止、就労支援など。

現在の地域での課題と、それに対する自治体の取り組みの傾向がわかります。もちろん、条例だけで解決できるわけではありませんが。また、条例になっていない「新規施策」も、たくさんあるでしょう。

コロナ対策、条例による対策

2020年12月18日   岡本全勝

12月13日の朝日新聞に「コロナ対応、条例先行 法整備進まず、私権制限には苦心 施設使用制限・マスク着用…33自治体制定」が載っていました。

・・・新型コロナウイルスに対応する国の法整備が足踏みする中、具体的な対策や差別防止などを条例で定める自治体が増えている。12日までに33自治体が制定し、少なくとも9自治体で条例案を審議中か、提出を検討している。ただ、休業要請など法律ではあいまいな「私権制限」の規定は手探りで、国会での議論を求める声が広がっている。
一般財団法人の地方自治研究機構によると、3月の名古屋市を皮切りに、9都県24市町村が条例を制定した。3県6市町が審議・検討中と取材に答えた。
長野県は、県外からの観光客が増えた場合に備え、条例で「人の往来を誘発させる施設」に県が使用制限や対策の検討を求められると定めた。神奈川県大和市や長野県宮田村は住民にマスクの着用を求めた。感染者への差別防止などの理念条例も多い・・・

・・・「自治体独自のやり方で条例を作れば、社会防衛ができるのではないか」
腰が重い国に業を煮やし、鳥取県の平井伸治知事は8月、全国で初めてクラスター(感染者集団)を封じるための条例を作った。クラスターが発生した施設の所有者らに、使用停止と調査への協力を義務づけた。罰則までは踏み込まなかったが、使用停止を「勧告」し、施設やイベントの名称を「公表」できる規定を盛り込んだ。クラスター発生施設の公表については特措法や感染症法に明確な根拠規定がなかった。
ただ、施設名の公表など私権の制限につながる規定は抑制的にし、公表は5人以上のクラスターが発生した施設に絞って、全ての従業員や利用者に連絡が取れた場合は対象外とした・・・

参考、地方自治研究機構の「条例の動き」のページ

若者の家族介護

2020年12月17日   岡本全勝

12月10日の読売新聞社会面に「高2の25人に1人 介護 ヤングケアラー 埼玉県県調査」が載っていました。
・・・埼玉県内の高校2年生の25人に1人が家族の介護や世話に追われる「ヤングケアラー」を経験しているとの調査結果を同県がまとめた。ヤングケアラーに関する全県的な調査は全国で初めて。悩みを相談できる人がいないとの回答も多く、苦悩している姿が浮き彫りになった。厚生労働省は今月、中高生対象の全国調査に乗り出す・・・

・・・家族の介護や世話を担った経験があるのは4・1%の1969人。このうち、「毎日」が35・3%と最多で、「週4、5日」も15・8%に上った。
複数回答が可能な設問では、理由について「親が仕事で忙しい」(585人)が最も多く、「親の病気や障害などのため」(407人)、「ケアをしたいと自分で思った」(377人)と続いた。学校生活への影響は「孤独を感じる」(376人)、「勉強時間が十分にとれない」(200人)が目立った。
一方で501人が「ケアに関する悩みや不満を話せる人がいない」と回答。必要な支援では「困った時に相談できるスタッフや場所」(316人)、「信頼して見守ってくれる大人」(286人)などが挙がった・・・

「ヤングケアラー」とは、次のように説明されています。
埼玉県が3月、全国で初めて制定した県ケアラー支援条例では「親族や身近な人に対して無償で介護や世話などを提供する18歳未満の者」と定義。日本ケアラー連盟は18歳未満を「ヤングケアラー」、18~30歳代を「若者ケアラー」としている。