カテゴリーアーカイブ:社会の見方

経済ルール、守るから作るへ

2013年3月17日   岡本全勝

3月16日の日経新聞社説「TPP交渉 「守る」から「築く」へ」から。
・・人口が減る日本が将来にわたり経済成長を続けるためには、世界に打って出なければならない。米国と連携を深め、世界の成長の中心となった東アジアと結合を強めてこそ、日本は本来の力を発揮できるようになる・・
日本経済の発展を真剣に考えるなら、外に向かい目を開かなければならない。工業製品だけでなく農産物を含む日本の産品と、日本の人材、投資資金が自由に動ける舞台をつくることこそが国益である。発想を「守る」から「築く」に切り替えるときではないか・・
交渉の焦点は、モノの関税撤廃だけではない。知的財産権、技術の基準・認証、投資、国有企業の改革、サービス貿易、競争政策、環境、労働など、さまざまな分野がある。いずれも、現在の通商秩序の土台である世界貿易機関(WTO)の協定に、十分に盛り込まれていない領域だ・・
日本は駆け足で追いつき、これらのルール策定の作業に一日も早く参画しなければならない。日本にとって関税撤廃による輸出拡大の経済効果は大きいが、新領域のルールづくりには、それ以上の大局的な意味があるからだ・・

日経新聞「私の履歴書」、カーラ・ヒルズ元アメリカ通商代表、3月16日「車の輸出制限」から。日本が、経済摩擦を回避するために、自動車の輸出自主規制をしたことについて。
・・これは経済的な観点に立てば、大きな誤りだった。輸出を制限すれば競争も制限され、それだけ価格は上昇してしまうからである。
実際、日本による対米乗用車輸出自主規制は、米国の自動車産業を怠惰にしただけだった。ビッグスリーの経営者たちは競争力に何の心配もしないまま、市場によって正当化されない高禄をはみ、年金の増額も許してしまった。そうした意思決定は後に、米国の自動車産業が壊滅的状態に陥るという形で跳ね返ってきたことは、歴史が証明している・・

経済財政運営政策と経済成長政策、その2

2013年3月2日   岡本全勝

2月28日このホームページに、「近年あるいは過去の「経済見通し」閣議決定で、成長戦略が掲げられたのは、今回が初めてではないでしょうか」と書いたら、間違いを指摘されました。
例えば、平成20年1月の閣議決定では、「2 平成20年度の経済財政運営の基本的態度」に次のような項目が並んでいます。「成長力の強化に向けて」「地方の自立と再生に向けて」「安心と信頼できる財政、社会保障、行政の構築に向けて」。
また、平成19年1月の閣議決定でも、成長、再チャレンジ、行財政システム改革が並んでいます。当時は、経済財政諮問会議が「骨太の方針」などで経済成長や構造改革を議論していました。それが、これらの「経済見通し」閣議決定の背景にあります。

経済財政運営政策と経済成長政策

2013年2月28日   岡本全勝

今日2月28日、平成25年度当初予算と合わせて、「平成25 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議決定されました。これは、例年通りです。その中で、おやっと思ったことがあります。
「2 平成25 年度の経済財政運営の基本的態度」の中で、「財政政策」「金融政策」「為替政策」と並んで「成長戦略」が並んでいます。十分に調べていないのですが、近年あるいは過去の「経済見通し」閣議決定で、成長戦略が掲げられたのは、今回が初めてではないでしょうか。間違っていたら、ごめんなさい。
経済成長の「基礎」は成長戦略であり、「財政政策」と「金融政策」は景気調整に使えても、経済成長そのものには「効果が薄い」です。経済成長政策の上に、そして社会保障政策の上に、経済財政運営があるのでしょう。経済成長政策と社会保障政策のない経済運営政策では、限界があります。

日本料理を世界に、今こそ攻め時や

2013年2月27日   岡本全勝

朝日新聞夕刊連載「人生の贈り物」。今週は、料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さんです。ロンドンで、会席料理の店を開いておられます。25日の記事に、次のような発言が載っています。京都の本店とは変わった、ロンドン風にアレンジしたメニューが話題だそうです。
・・・相手が望むもんを出すのは、料理の基本やね。「これが本物やから、これ食え」っていうのは、乱暴な話やろ・・
そこの国の食材で作らんと、日本料理は根の生えたもんになって、どこにもいけなくなる。外国のお母さんがうちで、「今日はすしつくるわ」といわはるようになって、世界に定着したといえるわけや・・

自分の命を、役所任せにしてはいけない

2013年2月26日   岡本全勝

朝日新聞2月26日、「釜石の奇跡」で指導的な役割を果たした、片田敏孝さんのインタビューから。
国や自治体による被害想定作りに関して。
・・・こう言っては何ですが、ハザードマップを信じてはいけません。想定を否定しているわけではありません。頼り切ることが問題なのです。マップの安全圏を信じて安心しきって、その結果、命を落とす事態が起きるのです。相手は自然だから、時にはずっと大きな災害もある。
危険な場所を地図に示すことを過度に求める、行政依存の体質が問題です。行政の肩を持つわけではないが、防災だけでなく何かにつけて行政責任を言う、日本の社会構造みたいなものに、根源があると思えてなりません。自分の命を守るのを、他人任せにしてはいけない。自己責任ですよ・・