カテゴリーアーカイブ:社会の見方

社会は変わる、女性が働きやすい社会

2018年2月28日   岡本全勝

2月23日の日経新聞が「M字カーブほぼ解消 女性、30代離職減る 全体では就労7割 働き方改革や採用増」を伝えていました。
15歳から64歳の働く女性の率が、69.4%になりました。5年間で6ポイントも上昇したのです。記事では「海外も含め、歴史的に珍しいペースの上昇だ」と解説しています。
記事にはグラフも付いていますが、かつては30歳代で大きくへこんだ女性の労働力率が、だんだんへこまなくなっています。M字から台形に近づいています。女性の労働力率も、アメリカやフランスを上回りました。女性が働きやすい職場が増えてきたのでしょう。共働きでないと収入が低いという理由もあるようです。

他方で、働くお母さんが増えることに、保育園が追いついていません。2月26日付の朝日新聞は、「「保育園落ちた」今年も 待機児童「ゼロ」、きしむ現場」を伝えています。大幅に保育園を増やしているのですが、追いつかないのです。

・・・2001年に小泉政権が「待機児童ゼロ作戦」を掲げて以来、歴代政権は待機児童の「ゼロ」を約束。安倍政権も13年の「待機児童解消加速化プラン」で、17年度までに「受け皿」を50万人分増やし、ゼロにするとしてきた。
定員は01年度の194万人分から17年度には274万人分にまで増加。計画以上に進んでいるが、子育て世代の収入低迷などで共働きが増え、施設整備が追いつかない。昨春の待機児童は全国で2万6千人を超え、3年続けて増えた・・・

社会は変わる、技術の進化の影

2018年2月27日   岡本全勝

技術の進展が、社会を大きく変えています。光の部分とともに影の部分も。
日経新聞連載「平成の30年」、2月17日は「「つなぐ力」悪用深まるネットの闇」でした。
・・・時間、場所、職業、年齢――。あらゆる枠を超え、人と人を瞬時に結ぶインターネット。その圧倒的な「つなぐ力」は、悪事をたくらむ者たちにとっても便利なツールとなった。平成に入り、ネットは犯罪の新たなインフラとして社会に根を張っていく。

覚醒剤やわいせつ物を取り締まるには、電柱に貼られたビラやチラシ広告に目を光らせる。それが警察捜査のイロハだった。だが1990年代になってパソコン通信が広まると、様相は一変する。
自室のパソコンを入り口に、不特定多数の人たちとつながる世界。顔を合わせることなく違法薬物などの売り手と客を結ぶルートが築かれていく・・・

・・・サラリーマン、主婦、子どもたち。かつては犯罪グループと接点を持ったり、「危ない場所」に近寄ったりしなければ、違法な世界とは無縁でいられた。それを、ネットが瞬時に結びつける・・・

昭和モデル経済の崩壊がもたらしたもの

2018年2月25日   岡本全勝

朝日新聞が経済面で「平成経済」を連載しています。第2部は「昭和モデルの崩壊」です。戦後に生まれ、高度成長を経験し、平成を官僚として過ごした私には、身近な話題ばかりです。経済の変化が政治の変化を生んだ例を、2つ紹介します。

2月11日は「非正社員、守らぬ労組」でした。
戦後、労働組合は、非自民勢力の中核として、輝いた時期もありました。労働者の地位を向上させる、政治では革新的主張をする存在として。
しかし、ある時期から、組合員の既得権を守る保護集団に変化しました。「市民との連帯」も空しくなりました。企業が正規職員の待遇をそれなりに引き上げると、労働組合の存在理由が低下しました。他方で非正規職員が増え、その待遇が問題なのに、労働組合は正規職員を守ることを優先したのです。経済・社会の状況が変わったのに、自らの変革に失敗したのです。
さらに、賃上げについては、近年は政府が主導するという、労働運動からは「奇妙な」構図になっています。

「昔陸軍、今総評」と呼ばれた時代もありました。「スト権スト」を打って、国鉄を長期間止め、国民の支持を失いました。国鉄の労組(先鋭的部分)は、最終的には国鉄解体を招きました。彼らは、自らの行動をどのように評価(総括)しているのでしょうか。
意図したことと全く違った結果を招く。しかも、自らの存立する組織をつぶしてしまう。旧日本軍とともに、政治学や組織の責任者にとって、大きな研究事例です。

2月18日は、「財界、団結から分散へ」でした。
労働組合が強い時代は、経営者側は、会社経営にあっては労働組合との対決、政治にあっては社会党との対決(自民党支援)が重要でした。しかし、労組が力を失うとともに、財界の使命も変わってきたのです。

日本語の3相

2018年2月23日   岡本全勝

日本語は、大和言葉の上に、漢字と漢語を輸入して、できあがりました。1,500年前から1,000年前頃でしょうか。150年ほど前から、西欧の言葉が入ってきましたが、漢語に翻訳して、日本語に取り込みました。哲学、民主主義、電気・・。
ところが近年、漢語に翻訳することなく、カタカナ表記で日本語に取り込むことが増えました。インターチェンジ、インターネット・・。それはそれで通じるのですが。

日本語の基礎は、大和言葉と漢語でできているので、カタカナ語はどうも据わりが悪いです。漢字が表意文字なのに対し、カタカナ英語は表音文字なのが、大きな理由でしょう。
「携帯電話」と書けば、初めての人も、どんなものか想像がつきます。でも「スマホ」は、想像できないのです。「スマートフォン」と聞いても、「スマート」「フォン」が日本語からは連想できないのです。ハイウエイは、高速道路が定着し、これはわかりやすいです。インターチェンジは、良い日本語がなったのでしょうか。
IT関連は、特に翻訳を怠っているようです。おっと、「IT」はカタカナにも変換せず、アルファベットのまま、日本語に取り込んでいます。駅のICカード(これもアルファベットのままですね)の機械は、「チャージ金額を・・・」と話しますが、「チャージ」なんて使わなくても「入金」ですむのに。
かつて書きましたが、カタカナ英語は、非英語圏の人が日本語を学ぶ際に、苦労することです。そして、高齢者にもわかりにくいのです。漢語に翻訳する努力をして欲しいです。

私たちは、次のような3相(3層)の日本語を使っています。
1 あの人は、気持ちを抑えられない。
2 相手方は、感情を制御できない。
3 クライアントは、メンタルをコントロールできない。

私も、職場ではついつい3を使ってしまいます。家では1を使っています。書き物では、できるだけ3を使わず、1か2に書き換えるようにしています。

東京大学、卒業生の進路変化

2018年2月21日   岡本全勝

2月19日の日経新聞に、「スタートアップ#東京大学(上) 勃興本郷バレー 省庁・大企業から人材シフト」が載っていました。
・・・省庁や大企業に優秀な人材を送ってきた東京大学。東大生の進路に変化が生じている。東大ブランドが通用しないスタートアップを選ぶ卒業生が増えている。スタートアップが大企業をリードするパラダイムシフトが起きているからだ。硬直的な官僚システムへの不満もある・・・

公務員就職率6%どまり」という解説もあります。
・・・東大から大蔵省へ――。このキャリアがエリートの代名詞だった時代は過去のものになったかもしれない。東大生が就職先として公務員を選ぶ比率はこの20年間で低下傾向にある。大学資料から算出した学部卒業生の公務員就職率は2017年春に6%と20年前(9%)と比べ下がっている。法学部でも29%から23%に低下した・・・

明治国家が先進諸国に追いつくために作った「総合輸入商社」「各分野での指導者育成塾」でした。ここが、オックスブリッジやハーバード大学などとの違いです。「制度輸入、官主導の国家育成」に効率よく成功しました。第1段階の使命は、達成しました。
次に、どのような役割を果たすか。第2段階への変身は、理工系学部は成功していると思います。世界の研究の最先端で伍しています。
難しいのは、社会科学系です。自然科学なら、研究対象は、多くの場合万国共通です。社会科学の場合は、研究対象が世界なのか日本なのか。その違いがあると思います。