カテゴリーアーカイブ:社会の見方

薬物、アルコール依存

2018年12月4日   岡本全勝

朝日新聞別刷りGLOBEの12月号が、麻薬を特集していました。そこに、世界と日本の比較が載っています。
大麻の生涯経験率は、諸外国では3割や4割くらいです。それに対し、日本では5%未満です。覚醒剤もアメリカが5%、イギリスが10%に対して、日本は0.5%です。桁違いに、日本は低いのです。ぜひ、この低さを保ちたいですね。

記事では、あわせてアルコールについても書かれています。アルコール障害は世界では5%、その半数(2.6%)が深刻な依存症とみられています。ハンガリーやロシアが9%、アメリカが8%です。日本は1%です。
興味深いのは、飲酒に寛容と言われる日本が、世界の半分なのです。アルコール依存や薬物依存は、規制すれば減らせるというものではないでしょう。

国民の意識が、それを支えていると思われます。
一つには、お酒には寛容でも、過度の飲酒はいけないという世間の意識です。もう一つは、薬物やアルコールに頼らざるを得ない(日本は頼らなくても良い)社会環境です。失業や将来に希望が持てなくなると、依存症になると思われます。
違法薬物は、取り締まりも重要ですが。
このような、社会の意識、文化資本を大切にしたいです。参考「社会の財産

単身高齢者世帯、全体の1割

2018年11月28日   岡本全勝

11月26日の日経新聞1面は、「単身高齢者、三大都市圏で1割超え」でした。

・・・一人暮らしの高齢者が大都市で急増している。日本経済新聞が国勢調査を分析したところ、三大都市圏(1都2府5県)は2000年以降の15年間で2.1倍の289万人に達し、15年に初めて世帯全体の1割を突破した。単身高齢者は介護や生活保護が必要な状態に陥りやすい。社会保障の財政運営が厳しくなる懸念が強まり、在宅を軸に自立した生活を支える「地域包括ケアシステム」の構築が急務となる・・・

詳しくは本文を読んでいただくとして。単身高齢者世帯が、急速に増えています。全国で1割ですが、過疎地域とともに都市部での増加が大きな問題になっています。
元気なうちは良いのですが、いずれ体力や知力が衰えます。家族と同居していると、世話をしてもらえるとともに、何かあったときは助けを呼んでもらえます。一人住まいでは、それができないのです。
これからの地域行政の大きな課題です。

社会史と政治史、喜安朗・川北稔著『大都会の誕生 ロンドンとパリの社会史』2

2018年11月26日   岡本全勝

社会史と政治史、『大都会の誕生 ロンドンとパリの社会史』」の続きです。

パリについては、喜安朗先生が19世紀の民衆運動を書いておられます。
フランス革命後、商工業の発展、市民層の台頭が、パリの風景を変えていきます。大通りが作られ、盛り場ができます。主役は、貴族から市民(金持ちとそうでない人と)になります。その盛り場を舞台にして、民衆の歓楽と騒ぎが出ます。それが暴走すると、1846年の2月革命となります。
歴史で学んだ2月革命が、より詳しく、その背景や民衆蜂起としての姿が描かれます。

この本を読むと、政治史がいかに狭い範囲を扱っているかがわかります。社会の変化を見るには、政治指導者たちの動きだけでなく、それを支えた、あるいは指導者たちが意識しなければならなかった民衆の意識や社会の問題を見る必要があります。
マルクス経済学は、経済という下部構造が社会と政治を規定しますが、これはあまりに短絡的すぎます。
これからの歴史学、政治史は、民衆と社会を対象としたものに変わっていくのでしょう。
関連記事「歴史の見方の変化」「加藤秀俊著『社会学』

チャイナスタンダード

2018年11月24日   岡本全勝

11月13日の朝日新聞オピニオン欄、ケビン・ラッド、元豪首相のインタビュー「チャイナスタンダード」から。

・・・中国は世界をどうしようとしているのですか。
「習氏が表明している中華民族の偉大な復興という『中国の夢』(チャイニーズドリーム)の実現でしょう。建国100周年の2049年までに世界トップクラスの国際的影響力を持つ大国の地位を取り戻すことです。中国は最近、トランプ大統領下の米国が世界から手を引いて影響力を弱めていることをチャンスととらえています。米国が抜けた空白を突き、中国的な国際秩序を広めようとしているのです」

――でも米国を敵に回してまで、中国が自分たちの秩序づくりにこだわるのか理解できません。
「中国は改革・開放政策を進める際に、国際社会から人権問題や市場開放のほか、欧米が主導した国際システムに従うように求められました。こうした圧力をはね返すために、逆に中国式の規範を国際社会に広めようとしているわけです」
「中国共産党の組織の原理は、将来にわたって生き残ること。そのためには、イデオロギーと政治的な影響力を維持していかなければなりません。だからこそ、欧米的な民主主義や資本主義を打ち破って、中国式の国家資本主義が勝利を収める必要があるのです」・・・

・・・『関与政策』が行き詰まった今、中国とどのように向き合えば良いのでしょうか。
「ひとつ忘れてはいけないのが、中国のこれまでの貢献です。この15年間、世界の経済成長の最大のエンジンが中国でした。中国の成長がなければ、世界経済はもっと衰退していたでしょう。自由で開かれた国際秩序を放棄せず、強大化した中国を受け入れて新たな枠組みを築けるかが課題です」

――かなり難題に思えますが、どうすればいいのでしょうか。
「我々が自身の制度を『手術』しなければなりません。自由主義にとって最も重要なことは平等です。すべての人の才能を生かせる機会の平等を実現することです。資本主義についても、米国はマネーゲームのような『カジノ資本主義』で世界の金融システムを管理した結果、リーマン・ショックという08年の金融危機をもたらしました。社会的かつ経済的に責任がある、健全な資本主義体制を再構築する必要があります」・・・

町の本屋さん、インターネットで検索

2018年11月21日   岡本全勝

11月20日の朝日新聞声の欄に、全国書店案内が紹介されていました。
全国の本屋で、探している本の在庫を調べることができるウエッブサイトです。全国約1万2千店が、地図で検索できます。そのうち1割の店で、本の在庫がわかります。
こんな優れものがあったのですね。お試しください。