カテゴリーアーカイブ:経済

企業が作り売るおいしいお米

2016年12月3日   岡本全勝

先日、宮城県亘理町を視察した際に、「舞台アグリイノベーション」の精米工場を見せてもらいました。田んぼの真ん中に、巨大なビルが建っています。高さ30メートル、横60メートル、奥行き150メートル。仙台駅とほぼ同じ大きさだそうです。
4万2千トンのお米を、保管できます。1メートル×1メートル×1メートルの袋が、4万2千袋保管できると言うことです。もちろん全自動の倉庫です。タグをつけてあるので、いつ入れたか、その袋が倉庫のどこにあるか、すべて管理しています。
この精米工場の特徴は、お米を生鮮食品として扱っていることです。お米の味は、もちろん稲の種類と育て方によりますが、刈り取ってから特に精米してからおいしさが落ちます。温度と酸素だそうです。この工場では、全体を低温に保ち、そして精米したら脱酸素剤と窒素で袋に密閉します。日持ちのしないお菓子などに脱酸素剤が入っていますが、お米の袋にそれが入っているのは、びっくり仰天です。賞味期限も表示されています。すなわち、お米が生鮮食品として扱われているのです。
家族の数が減り、またお米をたくさん食べなくなったので、小袋に入れるのも、消費者の要望に合っているでしょうね。お米の検査も、専門的に行われています。農薬などのほか、水分量、食味値、成分、整粒率(被害米等を除いた完全粒の割合)です。規格外のお米は、一粒ずつ機械がより分けるのだそうです。

この精米工場の特徴は、アイリスオーヤマと舞台ファームとの合弁会社です。
アイリスオーヤマは、皆さんご承知のように、さまざまな日用品を売っている会社です。大山健太郎会長から、ぜひ見るようにと言われていたのですが、ようやく約束が果たせました。私はアイリスオーヤマと聞くと、プラスチック製の収納用品を浮かべます。わが家でも使っています。お米は思い浮かべませんが、そこは進取の気風あふれる大山社長の着眼なのでしょう。
もう、家族で田んぼを耕す時代ではありません。お米にあっては、大規模化することで費用を抑え、生産を管理して品質を保証する。事業・企業としての農業が、生き残る方法だと思います。
舞台ファームは、仙台に本拠を置く農業法人です。「畑の中のカット野菜工場」を標榜していて、安全で美味しい野菜をカット野菜で提供しています。 少子高齢化社会では、お手軽に調理できるカット野菜も、消費者の要望に合っています。 カット野菜の市場規模は約1900億円で、インスタントコーヒー市場とほぼ同じだそうです。

反グローバル化、経済による説明、2

2016年11月3日   岡本全勝

白石隆・政策研究大学院大学長の「反グローバル、経済低迷で欧米内向き」の続きです。他方でアジアの数字は、次のようになっています。
1995年の1人あたりGDPを100とすると、2005年は、
中国223、ベトナム174、韓国154、シンガポール138、マレーシア、フィリピン、タイ120台、アジア経済危機で大打撃を受けたインドネシアでも115です。
2005年を100として2015年までの伸びを見ると、
中国236、ベトナム163、インドネシア152、フィリピン141、韓国、マレーシア、シンガポール、タイ130台です。
・・・つまり、東アジアの国々では1995~2005年の10年間より、2005年~2015年の10年間の方が1人あたりGDPが伸びた。アジアで反グローバル化の動きがほとんど見られないのもうなづける・・・
詳しくは原文をお読みください。(2016年11月3日)

反グローバル化、経済による説明

2016年11月2日   岡本全勝

10月30日読売新聞「地球を読む」は、白石隆・政策研究大学院大学長の「反グローバル、経済低迷で欧米内向き」でした。
欧米で反グローバル化の動きが強いのに対し、アジアではほとんど見られないことに関して。
・・・これを考える上で参考になるのは、各国の経済成長の動向だ。1995年の各国通貨建て実質の1人あたり国内総生産(GDP)を100として試算すると、10年後の2005年には英国とスペインは130に伸びた。米国とオランダは120台半ばで、フランス、イタリア、ドイツは110台半ばだった。
日本の伸びは先進国中で最低の109だった。かつて、「我々は日本とは違う」と言わんばかりに欧米で「日本病」が語られていた背景には、欧米諸国の所得の顕著な伸びと日本のもたつきがあったと言える。
しかし、これは次の10年間に様変わりした。2005年の1人あたりGDPを100とすると、2015年には米国とオランダは106、英国が105、フランスは103、スペインとイタリアは100以下にとどまり、ドイツだけが突出して良い116だった。ちなみに日本は106。何のことはない。欧米の多くの国々も、日本と同じかそれ以下の伸びだったである。
ただ、近年の国民所得の伸びを比較する場合、日本と欧米で一つの重要な違いがある。日本の1人あたりGDPは1990年初頭からすでに20年以上にわたって伸び悩み、多くの日本人が生活水準の急速な向上を期待しにくい状況が続く。
一方、欧米では冷戦終結から世界金融危機まで好景気が続き、所得も伸びた。このため、欧米の人々は、自分たちの生活はこれからも良くなると思っていたが、その期待が裏切られた・・・
この項続く。(2016年11月2日)

競争優位? スイスの海運会社

2016年11月1日   岡本全勝

日本の海運大手3社が、コンテナ船事業を統合すると報道されています。世界ランキングでは、日本郵船が11位、商船三井が14位、川崎汽船が16位です。統合しても、世界第6位だそうです。
ところで、世界1位はデンマークの会社ですが、第2位はスイスの会社とのこと。海のない山国のスイスに、本社を置いているということですか。へえ~ですね。(2016年11月1日)

成功して得たもの失ったもの

2016年9月7日   岡本全勝

朝日新聞9月5日経済面「トヨタ自動車 ベンチャー精神、原点回帰」、豊田章男・トヨタ社長の発言から。
・・・たとえば販売店の経営者の3代目、4代目の方に、「1代目の方がトヨタの販売店をやるときに、何がなくて、何がありましたか」とうかがうと、「あったのは夢と情熱です。それと借金。なかったのは信頼、お客様だったと思います」と。そして今あるのは信頼、実績で、借金もない。なくなったのは夢と情熱なんですね・・・