カテゴリー別アーカイブ: 社会と政治

社会と政治

介護の名付け親

「介護」という言葉は、おむつカバーの会社が発案した名前で、商品登録もしてあるのだそうです(30日付け朝日新聞夕刊)。介助の「介」と、看護の「護」をつなぎ合わせました。1980年に考えて、1983年には広辞苑に載ったとのことです。しかし、使用料も取っていません。いまや、「介護保険法」と、法律の名前にまでなっています。すごいですね。

クールビズ3年目

28日の朝日新聞オピニオン欄、鷲田清一さんの「クールビズ3年目」から。
クールビズはおしゃれだと見ていますか、との問には。
ノーです。なぜか。室温を28度にした、だから少しでも涼しい服装をする、ネクタイを外す。ファッションとはそういうものではありません・・クールビズは主張ではなく、横並びでしょう。みんなでやめればいいんだ、という。自分のスタイルの意識があってやめているのではない。みんながネクタイをしているから自分もしなければ、というのと同じなんです。みんなが、世の中がある方向を向いているから、自分もそれに合わせるというのは、流行現象ではあっても、おしゃれではないです。
そして、背広とネクタイ姿について、次のように話しておられます。
おしゃれでない人、ファッションにあまり関心のない人が、かっこよく見せることができるのが、背広にネクタイです・・ネクタイは男の唯一の装身具。おしゃれに自信のない人でも、これをつければしゃんと見える。その背広とタイの服装から、クールビズは大事なものを取ってしまう・・襟が立っているシャツ、胸のチーフ、シャツの色や柄・・・クールビズと言われている服の方が、背広とネクタイよりはるかにセンスを問われます
・・ファッションって、本来は世の中の大勢、メーンストリームとの距離感で決まるんです。大勢がこうなら自分はこうだ、と。
クールビズを実行している人たちにも、2種類あると思います。一つは、ネクタイを外せばいいんだという人たち。そこで止まってしまっています。もう一つは、背広並みにそれなりの緊張感をもたせたい、とおしゃれを意識するようになった人たち・・お仕着せの情報に頼らず、今まで以上に着るものに意識が行くようになったとは言えるんじゃないでしょうか・・・

成人年齢

国民投票法が資格を18歳以上と定めたので、その他の成年年齢をどうするかが、課題になっています。25日の朝日新聞が、大きく解説していました。選挙権・被選挙権だけでなく、民法の成年、結婚の最低年齢、飲酒と喫煙、年金などなど、たくさん関係してきます。
何歳から「大人」と見るかということは、社会をどう構成するかという大問題です。個人によって「大人」になる年齢は差があるのでしょうが、法律はどこかに一律の線を引くのです。また、民事・刑事・行政など目的によって違った成年年齢があって良いのですが、なるべく統一されている方が、わかりやすいですよね。

資本と経営の関係

23日の毎日新聞社説は、「資本の経営監視は強くなる」でした。
・・株式会社を主体とする資本主義においては、これまで長く、資本と経営の分離がいわれてきた。特に日本では、1960年代後半の資本自由化に備えて企業間の株式持ち合いが進んだ。経営者は株主として運命共同体となり、互いに批判せず、経営に対する株主の発言権は実質的に失われていた。
米国では1980年代に、年金基金などの機関投資家の株式保有が進むと同時に、企業の合併・買収の失敗などが相次いだ。機関投資家は、資産の安全を確保するために経営への監視を強めた。現在、日本に参入しつつあるファンドも、このころに誕生している。
日本でも、バブル経済崩壊以降、企業の株式持ち合いが崩れた。経営者は運命共同体ではなくなった。また、多くの企業の倒産で、株主は多大な損失を被った。こうして日本でも、株主による経営監視が重視されるようになった。同時に、財務分析能力や経営能力を備えたファンドが、投資家を束ねる大株主として登場してきた。
・・資本と経営の分離という時代から、資本による経営の監視の時代に移りつつある・・
なるほどと思いました。

自殺対策

21日の読売新聞は、「自殺対策待ったなし、3万人の命を救え」を、大きく解説していました。2005年まで連続8年で、自殺者が3万人を超えています。何度も書きますが、この数は交通事故死亡者の3倍を超えています(「新地方自治入門」p166)。しかも、この数字は把握された数だけです。この自殺率はアメリカの2倍、イギリスやイタリアの3倍だそうです。
そのうち男性が7割、女性が3割です。男性の自殺理由は経済と生活問題で、女性は健康問題です。