カテゴリーアーカイブ:生き方

ストレスとの付き合い方

2026年2月4日   岡本全勝

1月14日の読売新聞「心身の異変 自分知り改善」から。

・・・「ストレス社会」と呼ばれる現代。2人に1人以上が「ストレスがある」ことを自覚しているとされる。ストレスを抱えて心身に不調をきたしてしまう人も少なくないなか、最新研究からストレスの正体に迫り、上手なつきあい方を探る。

「ストレス」という言葉には原因となる刺激の「ストレッサー」と、受けたときに生じる「ストレス反応」の二つの意味がある。世界的には戦争や病気などを背景に、この考え方が広がり、1936年、カナダ人生理学者のハンス・セリエ氏が学説として発表した。
日本で広く知られるようになったのは95年、阪神大震災でのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や、2015年に大手企業の社員が、長時間労働の後に命を絶った問題などとされる。ただ、1990年前後のバブル絶頂期、「24時間戦えますか」のキャッチフレーズの裏でも多くの人が過労ストレスによる不調の末、倒れていたとみられる。

ストレス反応は、敵と遭遇したときの「闘争―逃走反応」として、人間に備わる本能だ。命の危機に対し、心拍数や血糖値を上げ、筋肉を緊張状態にし、その一瞬を乗り切る。現代社会のように、長く続くことは想定されていない仕組みだ。
危険やストレスがあると、恐怖や不安などの感情を作り出す脳内の「扁桃体」が反応し、「視床下部」を介して、コルチゾールやアドレナリンなどの物質が体中に伝わる。自律神経系のうち交感神経が働くと、体は緊張状態になる。人間には、体の状態を一定に保つ「恒常性」があり、副交感神経が体を休める働きを担う。このバランスが崩れると、心身に影響が出る。

症状が表れやすいのは、その人の一番弱い部位と言われる。筋骨格系が弱っていると頭痛や肩こりが起き、呼吸器系ではぜんそくが悪化する。血管が弱って動脈硬化が進むと心臓病のリスクが高まる。免疫に影響して風邪を引く人もいる。
胃腸の異変を経験する人も多い。日本人の10~20%が抱える過敏性腸症候群(IBS)は腸に異常はないのに下痢や便秘が続く。脳と腸は相互に影響し合っており、腸が不調だとネガティブな感情になることもある。
セリエ氏は「ストレスは人生のスパイスである」と語った。ただ、昭和医科大ストレスマネジメント研究所の中尾睦宏所長は、ストレスへの耐性には個人差があるとし、「心身の不調は体が出す早期のサイン。長引くと重い病気や精神疾患につながりかねないので、気づいたら体を休めてほしい」と訴える・・・

幸福度高い人は主体的に行動

2026年2月3日   岡本全勝

1月13日の日経新聞に「第3回日経統合ウェルビーイング調査」が載っていました。ウェッブ紙面では出てこず、こちらに載っていました。「ウェルビーイング」って、日本語で言えば幸福感でしょうか。カタカナ英語の方が格好良いと思うのですかね。

・・・個人の主観的な幸福感を意味する「ウェルビーイング(Well-being)」を重視し、その向上を実現しようとする企業が増えてきた。従業員たちの間でもウェルビーイングの概念を理解し、それを追求する潮流が目立っている。日本経済新聞社では2023年から、企業に勤める従業員一人ひとりのウェルビーイング実感を測定し可視化する「日経統合ウェルビーイング調査」を実施。第3回となる25年調査から見えてきたのは、ウェルビーイング実感の向上と社員のエンゲージメントや仕事への自発性が密接に関連している実態だった。

「日経統合ウェルビーイング調査」は伊藤邦雄・一橋大学CFO教育研究センター長が監修。3回目となる今回は、2025年6月から8月にかけて上場企業の正社員モニター1万人(ベンチマーク)と、「Well-being Initiative(ウェルビーイング・イニシアチブ)」(21年3月に発足)に参加する企業の従業員2万2357人を対象に実施した。

ウェルビーイングの実感に関しては直近3カ月から6カ月でどの程度ウェルビーイングを実感できているかを、0点(全くそう思わない)から10点(とてもそう思う)の11段階で聞いた。7点以上の評価を付けたウェルビーイング実感の高い人の割合は、イニシアチブ参加企業の従業員で37.9%に達し、前年より5.3㌽増えた。ベンチマークでこの比率は33.4%と、こちらも前年より4.4㌽アップした。
ただ、ベンチマークを年代別に見ると、ウェルビーイング実感が高い人の割合が20代男性の48.2%、20代女性の47.6%と高率なのに対し、男性は50代で31%、女性は40代で33.3%まで低下してしまう。入社10年を過ぎるあたりからウェルビーイング実感が低下していく傾向が鮮明で、中高年層の「働きがい」「生きがい」をどう高めていくかが課題と言えそうだ。

ウェルビーイング実感が高まるとどのような成果につながるかも検証された。ベンチマークのうちウェルビーイング実感が7点以上の人と4点以下の人に、「勤め先に貢献できていると感じる」「今後もこの会社で働き続けたい」「今の職場に愛着がある」「就職を希望している人に自社を薦めたい」という4問を聞き、「そう思う」と答えた人の割合を算出した。(図2)
その結果、すべての質問でウェルビーイング実感が7点以上の人が4点以下の人を上回り、所属企業へのエンゲージメントが高いことが明らかになった。同様に「自ら手を挙げて新たなプロジェクトや業務に挑戦している」「自分は主体的に担当業務の効率化・改善に取り組んでいる」「自分は提案制度に応募・参加している」「自分は主体的にリスキリングや学び直しを行っている」の4問に対しても、ウェルビーイング実感が高いグループが低いグループを上回った。調査結果からウェルビーイングが高い人は、エンゲージメントも高く、主体的な行動をとる特徴があることが浮かび上がった。
ただ、4点以下のウェルビーイング実感が低い人たちは、各質問に対し「制度・機会がない」と回答しているケースが目立った。調査を担当した日経リサーチでは「従業員を幅広く対象にした提案募集やリスキリング制度を設け参加しやすい風土を醸成することが重要」と解説している・・・

小さな体験で充実感を高める

2026年1月11日   岡本全勝

時間がどんどん過ぎていく」、一川誠・千葉大教授の「小さな変化で特別な日に」の続きです。

・・・毎日同じような生活だとしても、小さな変化をつけることで特別な体験にできます。季節や街の変化に目を向け、写真に残して後で見返すことでもいい。経験を反芻することで、自分は特別な体験ができたという感覚が強まり、自己評価を高めやすくなります。
トラウマになるようなつらい出来事を思い出す必要はありませんが、人間は過去の失敗などネガティブな経験も認知バイアスによって美化する傾向があり、「あの経験で鍛えられた」と自分を前向きに評価する材料にすることができると言われています。

時間の使い方は生き方とイコールです。人生における充実感や幸福感を高めるには、自分にとって本当に大事なことを選び取ることが重要です。時間に余裕があって大局的判断ができる年末年始に、自分がやるべきなのか、いつやるべきなのか、タスクを整理できるとよいですね。
1日15分、30分でもよいので自分の裁量で時間の使い方を決められると、うまくいかなくても記憶に残りやすく、自分を前向きに評価できるものです。やりたいことの10割は難しくても、3割ができていれば合格。私はそう思って生きています・・・

失敗を美化して、前向きに評価できることは、うれしいですね。私が、しでかした失敗やお詫びの経験を半ば自慢話のように話しているのも、それに該当するのでしょう(ちょっと違うかな)。
「時間の使い方は生き方とイコールです」は、納得します。私たちは毎日、その選択を迫られているのですよね。しかし、それをあまり深刻に考えると、しんどくなります。

時間がどんどん過ぎていく

2026年1月10日   岡本全勝

2025年12月27日の朝日新聞オピニオン欄「時間がどんどん過ぎていく」一川誠・千葉大教授の「小さな変化で特別な日に」から。

・・・友人との楽しい時間はあっという間なのに、退屈な会議はなかなか終わらないと思ったことはありませんか。同じ1時間でも、短く感じたり、長く感じたりすることがあります。これまでの研究で、感じる時間の長さに影響を与える要因は複数分かっています。
例えば、その一つが「身体の代謝」です。代謝が激しいと時間がゆっくり進むように感じ、反対に代謝が落ちると時間が速く進むような感覚になります。
また、同じ時間の長さでも、体験するイベントの数や、時間経過に注意を向ける頻度、感情の状態などによっても時間の感じ方は変わってきます。

技術革新によって現代人の生活はより便利で、効率的になりました。やろうと思えばできることは増え、1日24時間、1年365日という枠組みは同じなのに、タイパを高めて予定を詰め込んでいる人もいるでしょう。
しかし、予定を詰め込み過ぎると、満足感はむしろ下がってしまいます。満足感は記憶されているエピソードの数と正比例するとされ、タスクをこなすだけでは、エピソードが記憶に残らず、特別なことをした感覚も残らないからです・・・

忙しすぎると、満足感が下がることは、納得します。豊かで便利になって、選択肢が増え、より忙しくなったと感じることも、同感です。
私が思うに、時間が早く経つのは、次の2つの要素が大きいと思います。
・多くの情報が入ってくるから、処理しきれない。
・そして、身の回りのことを、自分が制御できない。
この項続く

祝・鎌田浩毅先生のベストドレッサー賞

2026年1月3日   岡本全勝

去年11月の話になります(このホームページの加筆ができなかったので)が、めでたい話として。
鎌田浩毅・京都大学名誉教授が、ベストドレッサー賞を受賞されました。
選考理由は、「南海トラフ巨大地震や、それに誘発される富士山の噴火を予測し、対策と減災に警鐘を鳴らし続ける地球科学者の鎌田浩毅さん。その啓蒙の手段として自身が目立つようにと開眼したファッションのため教授時代のボーナスはすべて服につぎ込み、現代アートをファッションに取り入れるのが最近のテーマだという、趣味を超え道楽とまでのめりこんだベストドレッサーです。」とあります。
紹介本の写真も、奇抜です。私には、まねができません。