「岡義達著作集」や「岡義達著作集3」の続きになります。8月24日の朝日新聞読書欄に、御厨貴先生の「岡義達著作集」書評「戦後政治の「楽観的」さ醸し出す」が載っていました。
御厨先生でも、学生時代に歯が立たなかったのですね。
・・・『政治』をテーマとする本は珍しい。難解をもって1970年代から80年代において知られた岡義達の『政治』が、ほかの著作とともに1冊の「著作集」として編まれた。学生時代に歯のたたなかった岡さんの『政治』との半世紀ぶりの再会である。
岡さんの抽象化レベルを正攻法をもって理解しようと考えると、魔のラビリンスに入り込み、到底抜け出せない。まずは岡さんが繰り返し見せる「言葉のかけ合い」の世界を注視したい・・・
・・・私は制度化、伝統化、状況化の三つの類型を自在に論じた第4章をまず読み、そのさらなる展開を好む場合に後半部を、いやその前提となるあり方を探る場合に前半部を読むと、得るものがあるように思う・・・
・・・岡さんの『政治』は、民主政に一番の重きを置きながら、戦後政治と政治学がもつ楽観的な雰囲気を醸し出している。今の現実政治ではあり得ない、予定調和的発展を進みゆく戦後の時代性がそこに描き出されている・・・
なるほど、このようにも読めるのですね。
朝日新聞の8月17日書評欄では、五百旗頭薫教授が、「政党政治の歴史を知る 限られていく選択肢、その先には」で、十河和貴著『帝国日本の政党政治構造 二大政党の統合構想と〈護憲三派体制〉』(2024年、吉田書店)と、奥健太郎、清水唯一朗、濱本真輔編著『政務調査会と日本の政党政治 130年の軌跡』(2024年、吉田書店)を取り上げていました。この2冊も、吉田書店の出版です。小さいながら(大量には売れない)よい本を出しておられます。