カテゴリーアーカイブ:人生の達人

働き方改革

2017年6月12日   岡本全勝

連載「明るい公務員講座・中級編」で、働き方改革を取り上げる予定です。日本社会では、長時間労働が問題になっています。あわせて、労働者の生産性の低さも、問題です。G7各国の中では最低という調査もあります。一生懸命遅くまで働いて、成果が出ていない。これでは、踏んだり蹴ったりです。多くの公務員の職場でも、この傾向は変わりないでしょう。定時退庁できる職場もありますが。

私は、この問題を、仕事の仕方の改革として議論しようと考えています。日本の職場の特徴、全員一致、ボトムアップ型、前例踏襲といった仕事の仕方は、これまでの仕事には適合しました。そして、日本が世界先進国に追いつくことができました。しかし、その仕事の仕方が、新しい時代に不適合になりました。これを変えないと、長時間労働は変わりません。

もう一つ、社会的背景があります。職員に長時間労働を求める「風潮」です。かつては、会社勤めは「お気楽な職業」だったのです。私が子供の頃、植木等とクレージーキャッツは、「サラリーマンは、気楽な稼業ときたもんだ♪」と調子よく歌っていました。昭和の象徴である、人気漫画「サザエさん」でも、波平さんとマスオさんは、晩ご飯を家で食べています。
それが、昭和の終わりには「24時間戦えますか。ビジネスマン~ビジネスマン~♪」(栄養ドリンク、リゲインのコマーシャル)と、会社員に長時間労働を迫るようになりました。

そして、日本の労働慣行が、これを支えます。他国が職に就く「就職」であるのに対し、日本は会社に入る「入社」です。転職が比較的容易な海外と、転職が難しい日本。すると従業員は会社に忠誠を尽くします。濱口桂一郎さんは、これを「ジョブ型とメンバーシップ型」と表現して、うまく説明しています。『若者と労働』(2013年、中公新書ラクレ)、『日本の雇用と労働法』(2011年、日経文庫)。

ドイツ陸軍の失敗

2017年6月2日   岡本全勝

大木毅著『灰緑色の戦史――ドイツ国防軍の興亡』(2017年、作品社)を読みました。「無敵の軍隊」の虚像が、剥がされます。
子供の頃、「ドイツ陸軍、日本海軍はとても強かった」と教えられました。「アメリカの物量に負けた」ともです。そのような俗説、神話が普及していたのでしょうね。
高校生の時に、日本軍の戦記物が好きな友人がいて、その影響でいくつか関係の本を読みました。
しかし、もう少し客観的な本を読んだのは、大学生の時です。決定打は、有名な『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(1984年、ダイヤモンド社。中公文庫に採録)です。日本軍の失敗が、明らかにされます。

ミッドウェー海戦も、物量では日本海軍の方がアメリカ海軍を上回っていました。負けたのは作戦の失敗です。いくらドイツ陸軍、日本海軍が強いと言っても、結果として負けているのですから、強くなかったことは証明されています。神様が、イタズラをしたわけではありません。
そもそも、物量において圧倒的に差があることは、開戦前から分かっていたことです。分かっていながら戦争をする。これほど不合理なことはありません。
結果は、あのひどい敗戦。国民は空襲やその後の混乱で、戦死、飢餓など塗炭の苦しみを受けました。戦争孤児もたくさん生まれました。軍隊はお取りつぶし。アジア各国にも大変な被害を与え、後世の日本国民にその「負の遺産」を半永久的に負わせることになったのです。戦争指導者の責任は、追及されてしかるべきです。

ドイツにしろ日本にしろ、負け戦の物語を読むことは、楽しくありません。勝った戦争は、勇敢な兵隊と有能な指揮官がいてと、楽しいですが。しかし、負け戦にこそ、学ぶべきことはあります。

総理との面談

2017年6月1日   岡本全勝

今日は官邸に行って、総理にお会いしてきました。内閣官房参与としての仕事です(総理動静)。
先日、日経新聞に、「岡本全勝前復興次官は「首相と会うのは被災地の現場視察のときだけ」と話す」(5月19日の記事)と、書かれたばかりなのですが(苦笑)。

日経新聞に載りました

2017年5月19日   岡本全勝

今日5月19日の日経新聞夕刊2面が、内閣官房参与を大きく取り上げていました。「官邸主導支える助言役 。内閣官房参与、首相決定へ流れづくりも 」。その一人として、私もでています。
・・・浜田、藤井氏以外で個別政策を担当する参与は、首相との面会はそれほど多くない。
2016年6月に「復興再生」担当の参与となった岡本全勝前復興次官は「首相と会うのは被災地の現場視察のときだけ」と話す。岡本氏は週2日は東日本大震災の被災地、福島で過ごす。
政権にとって、被災地の復興・復旧は最優先課題。岡本氏は「復興担当の参与を置いたのは政権を奪取したときの首相の意向」と語り、「参与の肩書があれば、官邸の意向と被災地の考えをどちらもくみ取ることができる」と指摘する・・・

正確には、「最近は、首相との面会は少ない」です。復興の方向性が、次第に定まりました。また、しばしば現地視察をしていただくので、総理に官邸でご報告する必要が少なくなってきたのです。これは、良いことだと思っています。
この記事でも解説されているように、内閣官房参与でも、様々な「役割」「形態」があります。

今日は母校で講演

2017年4月29日   岡本全勝

今日29日は、母校・奈良女子大学付属高校の同窓会で、講演をしました。今年は、私たち昭和48年卒業生が幹事で、私と小吹君が「出し物」です。
私の役割は、官僚としてのやりがいを話すこと。小吹君が、NGOとしての活躍を話すことでしょう。で、私は、東日本大震災の対応と復興をお話ししました。割り当てられた時間は30分でしたが、実際は20分あまり。

このような場では、話より写真が効果があります。用意した写真は、半分だけを使いました。
いつものことですが、発災直後を思い出すと、大変だったときのことが頭をよぎります。「これを、若い人たちにも伝えておきたいなあ」と思い、ついついエピソードに脱線します。
皆さん、興味を持って聞いてもらえたようです。ありがとうございました。