投稿者アーカイブ:岡本全勝

復興庁結の場。大手企業による被災企業支援マッチング

2019年4月28日   岡本全勝

復興庁が、「結の場から生まれた成果」を公表しました。「結の場」は、被災地企業の経営支援のため、大手企業などが持っているノウハウなどで助言する場です。
復興庁が場を設営し、賛同する企業が職員を派遣してくれて、被災地企業の悩みを聞き、助言してくれます。支援する企業は、必ずしもその課題を本業としている会社とは限りません。
今回公表したのは、平成28年度の相談による成果です。相談だけに終わらせず、成果が出ていることを検証しています。
詳しくは記者発表資料を見ていただくとして、いくつかを紹介します。

三井住友海上が、食品加工会社などの、経営計画と人事労務研修を支援した例。
東急電鉄が、食肉会社などの、インターネット販売を支援した例。
富士通が、段ボール製造会社の、新商品開発を支援した例。

ユーチューブ、問題ある投稿を削除する作業

2019年4月28日   岡本全勝

4月21日の日経新聞「未来に挑む」インタビュー、スーザン・ウォジスキ、ユーチューブCEOの「ネットの暗部技術で克服」から。

「動画共有サイト「ユーチューブ」は2005年にシリコンバレーで誕生した。06年に米グーグル傘下に入り世界規模で事業を拡大し、テレビに取って代わるほどの巨大動画サービスになった。一方、不正投稿の拡散で批判も浴びることもある。先端のテクノロジーの役割、その担い手である企業の責任についてスーザン・ウォジスキ最高経営責任者(CEO)に聞いた。」

・・・社会的な責任は私が今年最も力を注ぐ事項だ。私たちにはコミュニティー規範があり、アダルトコンテンツのようにユーチューブでは許されないものを明示している。常に各国の法規を追っているが、それでもヘイトや暴力、ドラッグなどは最新の規範が求められる。昨年だけで規範は30回以上変えた。
毎分500時間分の動画が投稿され、管理するには人と人工知能(AI)の組み合わせが欠かせない。18年には議論を呼びそうな投稿をチェックする要員として1万人を雇った。AIがこうした投稿の発見にとても有効なことも分かってきた。18年10~12月は800万もの動画を削除し、70%はAIによるものだ。大半は誰も視聴しないうちに削除している・・・

・・・ネットで社会が変わることは担い手である企業の責任と裏腹だ。いつの時代でも課題はある。最善のやり方は私たちがテクノロジーをよい方向に使うことを理解し、正しく適用すること。そしてオープンな視点を持ち、どんな課題にも対処することだ・・・

避難者数が5万人を下回りました。

2019年4月27日   岡本全勝

復興庁が、2019年4月時点の全国避難者数調査を発表しました。4万8千人と、5万人を切りました。所在市区町村数も、997と千を下回りました。
しかし、8年経った今も、約5万人の方が避難生活を送っておられます。

津波被災地では、住宅の建設のめどが立ち、もうしばらく待っていただくと、移ることができます。
原発被災地では、避難指示が順次解除されています。また、当分の間帰還できない地区の方のために、住宅を用意しています。賠償金で、他の地域に住宅を造った方もおられます。

グローバル化による格差の拡大と縮小

2019年4月27日   岡本全勝

4月24日の日経新聞経済教室、B・ミラノビッチ、ニューヨーク市立大学客員教授の「グローバル化の功罪(上)  激変期 恩恵の偏りは不可避」が、勉強になりました。
詳しくは、原文を読んでいただくとして。

第1次グローバル化(19世紀半ばから第1次世界大戦)と、今回のグローバル化を比較しています。第1次グローバル化は国際的格差拡大であり、今回のグローバル化は格差縮小の時期です。
第1次グローバル化は、西欧の産業革命に支えられ、西欧が豊かにそして強くなりました。イギリスと中国の国民1人当たりGDPは、19世紀初めには3対1だったのが、1914年には8対1に広がりました。図がついていて、中国、インド、インドネシアの数字が出ています。差が広がる一方だったものが、1980年代を底に、格差縮小に転じます。

長い目で見ると、産業革命以前は中国やインドは西欧と同じくらい豊か、いえより豊かだったのです。
西欧との格差がこのあとどこまで縮まるか。多くの地域では、追いつくことになると思います。

記事では、グローバル化の功罪が、広く論じられています。

信頼が仕事を進める

2019年4月26日   岡本全勝

最近目にした、信頼の重要性について。
日経新聞4月23日夕刊、コミュニティナースの矢田明子さんの発言から。
・・・費用を捻出するため仕事を見つけないといけません。小さな子供がいたので託児所付きの仕事を探していると、ヤクルト販売員の求人が目に留まりました。すぐにヤクルトのセンターに飛び込み、採用してもらいました。
営業販売の仕事は初めてです。三輪バイクで、まちのオフィスを回りました。ただ「買ってくれ」と言うだけでは誰も買ってくれません。最初は気持ちよくあいさつし、信頼関係ができて初めてお客さんは買ってくれる。関係をつくっていく大切さを学びました。この経験は、その後にコミュニティナースとして活動するうえで大きな財産になりました・・・

次は、ある会社(A社とします)の方の話です。
取引先(B社)が、競合他社(C社とします)から、A社に乗り換えてくれたそうです。その秘訣は何だったか。
B社が、改善点や要望について話すと、C社は「それは無理」「コストの問題もあり難しい」と答えることが多かったそうです。
それに対し、A社の担当者は、「貴重なご意見」と真剣にメモをとって聞いてくれました。これが、B社に評価されたのだそうです。

復興庁での経験を、『明るい公務員講座』(p175)に書きました。「信頼関係で満足度が上がる」
最初の頃は、復興庁は、被災自治体の首長たちからは、必ずしも良い評価をもらえませんでした。主な原因は、あまりにも被害が大きく復旧がなかなか進まないことや、これまでにない災害だったので政府も自治体も試行錯誤していたことなどでしょう。
ところが2年が経過した頃から、首長さんたちの評価が変わりました。「よくやっている」と、言ってもらえるようになったのです。
工事が突然進捗したのではありません。首長の要望をすべてかなえたわけでもありません。意見交換を重ねて、首長たちに「復興庁とは信頼関係ができる」と納得してもらえたので、評価が上がったのだと、私は推測しています。
なぜなら、この時点では、現地での復旧工事はまだ目に見えて進んではいなかったからです。計画策定や用地買収に、時間がかかっていました。そんな中でも復興庁への評価が良くなったのは、復興庁の職員が現地に出向いて要望を聞き、できることとできないことを整理したからだと思います。