投稿者アーカイブ:岡本全勝

漢帝国がつくった、中国のかたち

2019年10月7日   岡本全勝

渡邉義浩著『漢帝国―400年の興亡』 ( 2019年、中公新書) が、勉強になりました。
中国を統一したものの、短期間で滅んだ秦の後を継ぎ、途中の断絶をはさんで400年もの間、支配を続けました。漢字や漢民族として、中国の元となっただけでなく、近代まで続く「儒教国家」を作り上げました。本書では、それを「この国のかたち」と表しています。

武帝が儒教を国教とした説は間違いだそうですが、儒学者は、じわじわと政権に取り入り、国教とすることに成功します。
支配者側も、支配を正統化する説明が必要でした。被支配者に納得させ、また支配を継続する説明です。常に武力で人民や豪族を抑えるのは、コストがかかり、かつ難しいです。とても200年も続かないでしょう。そして、国家の基本となった儒教は、統治者、官僚、国民を縛ることになります。その後、2000年にわたってです。

かつては、中国古代史もいろいろと本を読んだのですが、この本が出たときは、「また、通常の歴史書だろう」と思い、読みませんでした。あるところで、時間待ちの必要ができて、買って読み始めました。
すると、戦争や政権争い、事件の羅列でなく、「この国のかたち」がどのようにしてできあがったかを書いてあって、興味深く読むことができました。このような歴史書は、価値がありますね。歴史と事実を、どのような切り口で分析するかです。

「はじめに」も書かれていますが、古代ギリシアとローマが、西欧の古典古代となり、その後の規範となりました。学問、政治、宗教です。
それとの対比で、儒教が規範となり、漢が完成させた皇帝と官僚による中央集権体制が、東洋の古典となりました。もう一つの要素として、仏教がありますが、これは支配の思想にはなり得ません。
儒教は海を渡って、日本社会も縛りました。今もなお、徳目として、私たちを支配しています。父子、君臣、夫婦、長幼、朋友の五倫と、仁・義・礼・智・信の五徳などです。

岩手県被災地視察、その3

2019年10月6日   岡本全勝

今回の視察で、もう一つ印象的なことがありました。被災住宅移転跡地にできた、トマト栽培の大規模ハウスです。高さ6メートル、横幅150メートル、奥行き100メートルです。
住宅移転跡地は、住宅を建てることができず、利用用途が限られます。多くの地域で、苦労しています。ここは企業が進出してくれて、ハウスが建ちました。そして、地元の人の雇用の場になっています。「いわて銀河農園

大震災被災地では、いくつもこのような大規模ハウスが建っています。私も、これまでに、いくつか視察しました。ノウハウを大企業やオランダから学び、企業として職員を雇って、野菜を生産しています。このような事業で、何が難しいかを、根掘り葉掘り聞いてきました。勉強になったのは、次のようなことです。

1 よい品質の野菜を、年間を通してなるべく同じ量を生産すること。ここに、技術と経験の善し悪しが現れます。ここまでは、よく聞く話です。しかし、企業として成り立たせるためには、次の2つが重要です。

2 取引先。いくら作っても、売れないと事業になりません。たいがいの大規模農園は、スーパーマーケットや飲食チェーンと契約を結んでいて、安定した売り先を確保しています。

3 従業員の確保と管理。育成や肥料やりなどは、機械化されていますが、収穫は人手です。そして、相手は生物なので、繁閑期があります。すると、フルタイムの従業員だけでなく、パートタイムの従業員も必要となります。
その人たちを集めることができるか。そして、野菜の育成に応じて、勤務を管理しなければなりません。これも、事業としては重要な仕事なのです。

佐藤しのぶさん

2019年10月6日   岡本全勝

オペラ歌手の、佐藤しのぶさんが、お亡くなりになりました。
実は、20年ほど前のことですが、佐藤さんの前で、フルートを吹いたことがあります。
よくまあ、恥ずかしくもなく、吹いたものです。若かったのと、少々お酒が入っていたからでしょう。今なら、やりません。

ご冥福をお祈りします。

ふたばワールド2019

2019年10月5日   岡本全勝

今日10月5日は、ふたばワールド2019に、Jヴィレッジまで行ってきました。ふたばワールドは、双葉郡8町村がこの時期に開くお祭りです。避難指示が解除されてから、再開されました。帰還した住民と、まだ帰還できない住民が集う機会です。

今年は、Jヴィレッジで開催しました。関係機関の紹介展示、各町村からの物品販売、売店などなど。たくさんの人で賑わいました。
住民、特に高齢者向けのいろんな健康相談が、賑わっていました。私も誘われたので、一つ受けてきました。福島心のケアセンターも、参加していました。

今回目立ったのは、子供さんです。体操のお兄さんにの周りに、たくさんの子供が集まってくれました。
避難指示が解除された地区では、徐々に住民が戻っているのですが、子育て中のお母さんと子供の戻りが遅いのです。このようなお祭りに参加してもらい、安全であること、そしてお友達も戻っていることを実感してもらって、いずれ戻ってきて欲しいです。

帰りは、JR常磐線のJヴィレッジ駅から、電車で帰ってきました。この駅は、Jヴィレッジに隣接していて、便利です。ただし、催しのある日しか営業しないので、時刻表を確認してから乗る必要があります。

働き方改革の講演

2019年10月5日   岡本全勝

10月5日は、都道府県東京事務所長会に呼ばれて、働き方改革についてお話ししてきました。官民を挙げて、働き方改革に取り組んでいます。少しずつ成果も出て、社会が変わりつつあります。

ところで、働き方改革には、3つの面があります。
1つめは、個人の働き方、生活を変えることです。長時間労働をやめ、健康的な生活を取り戻すことです。
2つめは、職場の生産性の向上です。仕事の仕方を変えずに労働時間を減らすと、仕事量が減るだけです。さらに問題は、これだけ長時間労働をしていながら、日本の労働者の生産性は低いのです。G7では、万年ビリです。このホームページでも書いているように、長時間労働を当たり前としているからこそ、生産性が低いのです。
3つめは、男性が家庭を犠牲にして長時間働く、成果ではなく勤務時間と会社への忠誠で評価される、日本社会の「常識」を変えることです。

私も、若い時は職場で泊まり込んで仕事をしました。家庭のことは、キョーコさんに任せて、仕事に専念しました。かつては、それがよいこととされたのです。途中で反省しましたが・・・。
その経験があるので、「昭和時代の働き方」を織り交ぜながら、若い人に「何を変えなければならないか」をお話ししています。

24時間働けますか~」という栄養ドリンクの宣伝がはやったのは、昭和の終わりです。ところが、同時に、コメディアンの高田純次さんが「5時から男」(こちらは仕事ではなく遊びに精を出す方です)の宣伝をしていました。
そうなのです。当時は、その両方が同居していたのです。すべて職場が、また年がら年中忙しかったわけではありません。私も、忙しい時期以外は、5時から男でした。