岩手県被災地視察、その3

今回の視察で、もう一つ印象的なことがありました。被災住宅移転跡地にできた、トマト栽培の大規模ハウスです。高さ6メートル、横幅150メートル、奥行き100メートルです。
住宅移転跡地は、住宅を建てることができず、利用用途が限られます。多くの地域で、苦労しています。ここは企業が進出してくれて、ハウスが建ちました。そして、地元の人の雇用の場になっています。「いわて銀河農園

大震災被災地では、いくつもこのような大規模ハウスが建っています。私も、これまでに、いくつか視察しました。ノウハウを大企業やオランダから学び、企業として職員を雇って、野菜を生産しています。このような事業で、何が難しいかを、根掘り葉掘り聞いてきました。勉強になったのは、次のようなことです。

1 よい品質の野菜を、年間を通してなるべく同じ量を生産すること。ここに、技術と経験の善し悪しが現れます。ここまでは、よく聞く話です。しかし、企業として成り立たせるためには、次の2つが重要です。

2 取引先。いくら作っても、売れないと事業になりません。たいがいの大規模農園は、スーパーマーケットや飲食チェーンと契約を結んでいて、安定した売り先を確保しています。

3 従業員の確保と管理。育成や肥料やりなどは、機械化されていますが、収穫は人手です。そして、相手は生物なので、繁閑期があります。すると、フルタイムの従業員だけでなく、パートタイムの従業員も必要となります。
その人たちを集めることができるか。そして、野菜の育成に応じて、勤務を管理しなければなりません。これも、事業としては重要な仕事なのです。