投稿者アーカイブ:岡本全勝

働き方改革で増える管理職の残業

2020年9月16日   岡本全勝

9月13日の朝日新聞に「飲食業界、悩み多き中間管理職」が載っていました。それによると。
日本企業の特徴として、プレイングマネジャーが多いのだそうです。産業能率大学総合研究所の調査では、部長の95%ほどが、プレーヤーとしての役割を担っています。管理するだけでなく、現場で汗をかいています。

しかし、部下の仕事の肩代わりをすることで、長時間労働になりがちです。
企業活力研究所の調査では、週60時間以上働き過労死ライン(月平均80時間超の時間外勤務に相当)に当たるミドルマネジャーが、4人に1人いました。残業時間の規制が強まったことで、部下に仕事を回せず、労働時間が延びた管理職もいます。
パーソル総合研究所の調査では、働き方改革が進んでいるとした企業では、管理職の62%が業務量が増えたと回答。進んでいないという企業の48%を上回っています。

そして、管理職は、残業代がもらえません。ただし、名ばかり管理職は、裁判で残業代が認められています。

後期近代か近代後期か

2020年9月16日   岡本全勝

連載「公共を創る」を執筆していて、校閲さんから指摘を受けました。私の原稿に「近代後期」と「後期近代」が混在しているというのです。連載第54回(9月3日号)。

指摘を受けるまで、気づきませんでした。気にすることなく、どちらも使っていたのです。指摘されて、悩みました。その分野の専門家ではないので、どちらが正しいのか知りません。日本語としては、どちらでも良さそうですが。
宇野重規先生の『〈私〉時代のデモクラシー』 (岩波新書) を見ると、「後期近代」を使っておられます。そこで、後期近代で統一することにしました。

江戸時代後期、江戸後期とは言いますが、後期江戸時代、後期江戸とはあまり聞きません。初期明治、後期昭和はないわけではありませんが、明治初期、昭和後期といいますよね。
英語は、前期近代は Early modern period 後期近代は  Late modern でしょう。英語の場合は、形容詞が前に来ますから。日本語は、後ろに来ますよね。戦後 postwarも同じです。ラテン語やフランス語は、どうなのかな。

起業を妨げた認可行政

2020年9月15日   岡本全勝

日経新聞私の履歴書、9月は、寺田千代乃・アートコーポレーション名誉会長です。女性経営者の草分けです。苦労の数々が書かれています。9月10日の「事業免許」から。

・・・もっとも、引っ越し専業という業態が成り立つと考えていた人はほとんどいなかったと思う。1年間で見れば3月末、さらに月末、週末に依頼が集中し、繁閑の差が激しい、などの理由からだ。寺田運輸とは別の会社で運送免許を取る相談を陸運局に持ちかけた時のこと。「お宅は寺田運輸で引っ越しをやってはるんだから、それでいいじゃないですか」と言われた。

当時私は29歳。小柄で童顔なので経営者の娘が思いつきで考えた事業と思われたのだろうか。丁寧な口調で諭すように経営の難しさを指摘され、軽くあしらわれた。その後も「十分に成り立つ裏付け、一定の顧客が引っ越しを依頼することを証明する書類を出して下さい」と求められた。

事業を始める前に実績提示が必要とするような指導には疑問を感じた。どこにいるのか分からない顧客の依頼の確約証明など示せるはずがない。仕方がないので寺田運輸の仕事で取引のあった企業3社にお願いして、社員が引っ越す場合は運送を依頼するという契約書を作って提出した。地場企業で社員の地域間移動、つまり引っ越しがほぼない会社ばかりだったが、ほどなく申請が受理された・・・

現代の社員食堂差別

2020年9月15日   岡本全勝

高等官食堂」は、戦前のものだと思っていたら、最近でも例がありました。高等官という制度は廃止されているので、民間企業での社員差別です。

森岡孝二著『雇用身分社会』(2015年、岩波新書)は、正規労働者と非正規労働者との格差を論じたものです。ここまで格差があるのかと、驚きます。関心ある方は、一読ください。
その冒頭に、派遣社員が社員食堂を利用できないことが紹介されています。それも、日本でも有数の大会社です。この記述は少々古くなったので、現在はどこまで改善されているのでしょうか。

食堂が区別(差別)されることは、正規社員と非正規社員との大きな処遇の違いの象徴です。これもひどい話ですが、同じような仕事をして給料には大きな差があります。
非正規労働者の増加は、平成の日本を不安にした大きな原因の一つです。連載「公共を創る」を書きながら、考えています。

サイバー犯罪を防ぐ

2020年9月14日   岡本全勝

9月7日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、大角祐介・ヤフーのセキュリティー監視担当の「フィッシング詐欺の通報、1年で約360サイト」でした。

・・・巧妙化するサイバー犯罪。なかでも、被害が急増しているのがフィッシング詐欺だ。メールなどで本物そっくりの偽サイトに利用者を誘い込み、IDやパスワード、クレジットカード情報などを入力させて、だましとる。
フィッシング対策協議会によると、今年7月の1カ月間に発見された偽サイトだけで約5500ある。こうしたフィッシング詐欺サイトの監視・通報や、手口の分析が主な仕事だ。1年間に通報する数は、約60人いるセキュリティー監視担当のなかでもトップクラスの約360サイトに上る。

どうやって偽サイトを見つけるのか。その方法は、意外とシンプルだった。「怪しそうなサイトに片っ端からメールアドレスを登録して、わざとカモになるんです」・・・