投稿者アーカイブ:岡本全勝

若者の社会参加

2021年11月6日   岡本全勝

10月31日の朝日新聞「みんなが一票 衆院選」、両角達平さんの「若者が社会を変える存在に」から。

・・・私が研究するスウェーデンは、若い世代の6~7割が「若者団体」で活動しています。趣味のサークル、居場所づくり、移民支援など各自がやりたいことに取り組み、社会環境の改善が必要とあれば公的機関に求めます。「社会に影響を与えられる」との感覚が生まれ、若者が社会を良くする存在になっていく。

日本はどうでしょう。若者は18歳や22歳の節目に向けて学業や部活、アルバイト、就職活動に忙しい。社会にもの申す時間もなければ、そもそもそれが聞き入れてもらえる社会だという感覚もありません。

多様な生き方を支える若者政策の存在が社会参加を生み出し、スウェーデンの民主主義を支えている。国政選挙の投票率は80歳以上を除く全年代で80%超。高い投票率はこうした社会だからこそ実現している。これが本来目指すべき姿だと思います・・・

集団主義だと言われた日本が、実は個人主義になっています。そして、社会参加の場面が少なく、個人が孤立するとともに、公共が弱くなていることを、連載「公共を創る」で論じています。若者だけでなく、どのようにして国民の社会参加の機会や場を作るか。日本の大きな課題です。

ゴルフ愛好家、20代と50代の違い

2021年11月5日   岡本全勝

10月29日の日経新聞ビジネス欄に、興味深い記事が載っていました。「若者ゴルファーはテスラ好き 世代マーケは「OB」?

20代と50代の、ゴルフ愛好家の違いです。その調査によると、50代男性では、車はBMW、レクサス、メルセデス、マツダが多く、飲酒は毎日です。DIY志向が強いです。それに対し20代男性は、車はテスラやマツダ、関心はスポーツとゲーム、飲酒は週に1回です。

女性では、50代の車はフォルクスワーゲン、BMW、アウディ。飲酒は毎日で、美術や手芸への関心が高いです。それに対し20代女性は、車に乗らず、飲酒は月に1回です。関心事は、ペットや美容です。

私は、車はよくわかりませんが、男女とも年齢の違いによる飲酒の回数の差に驚きました。

国政選挙で議論することと、個別政策の実行と

2021年11月5日   岡本全勝

10月27日の朝日新聞オピニオン欄「「選べ」といわれても」、成田悠輔・エール大学助教授の「「1票」、くめぬ複雑な民意」から。

・・・そして、国政選挙で議論すべきことと、個別政策に民意を反映していくことを区別すべきです。
例えば、党首討論で考えてみましょう。「コロナ禍で現金給付するなら、10万円なのか5万円なのか」などについて議論が白熱しました。あまりに細かい議論です。それは財源や手続き上の制約を踏まえて政治家と官僚が決めればいい。国政選挙では、各論の詳細な数字をめぐってやりとりする前に、日本社会の未来像を議論すべきでしょう。

日本は危機に直面しています。太平洋戦争中と同じくらいの速度で人口が減少し、無成長状態で海外との賃金・物価格差は広がるばかりで置いてけぼり。いわば「1億総貧困社会」に向かっている。
少子高齢化の解決は無理になったように見える今、ありえる方向性は限られます。機械化・自動化を通じて人間に頼らず生産性を高める、教育やデジタル化を通じて個人の生産性を高める、移民の受け入れを進めていく、あるいは貧しくても幸せでいられるよう人生観を変える。どの選択を重視するかで、リソースの配分は違うし、日本社会の雰囲気も異なります。

こうした議論は、今後50年くらいを見据えた大きな話で雲をつかむようだと思うかもしれません。しかし国政選挙は、そういう社会の全体像にこそ取り組んでほしい。
そして個別政策の設計や実行は、当事者性や専門性のある有志の個人を中心に、情報技術を活用したネットでの情報共有や議論で、素早くきめ細かに進めていく。台湾やフィンランドなどはそうした仕組みを取り入れています・・・

歩きスマホの危険

2021年11月4日   岡本全勝

道路や駅など公共の場で、歩きスマホはやめて欲しいです。私も、何度かぶつかりそうになりました。NHKが、大変な事故の例を紹介して、注意を喚起しています。

危険なのは自分だけではなかった」(11月2日掲載)
・・・「額にはプレートが埋め込まれています。大変な手術でした」
まぶたが紫色に腫れ上がった、痛々しい写真。全治1年以上の大けがで、今も仕事に支障をきたすほどだといいます。
この男性、誰かに襲われたわけでも、けんかしたわけでもありません。
原因は「歩きスマホ」でした・・・

死亡事故も起きています。
踏切で“待っていた”だけなのに…死亡事故はなぜ起きたのか」(9月8日掲載)
・・・事故が起きたのは、ことしの7月8日。
警視庁によると、亡くなった31歳の女性は駅の改札を出た後、踏切を渡ろうとした際にはねられたとみられています。
その時の様子が、現場周辺の防犯カメラに写っていたということです。
女性は午後7時半ごろに踏切を渡り始めました。この時、両手でスマートフォンを持ち、歩きながら画面を見ている様子だったといいます。
すると遮断機が下り始め、まわりの人たちは足早に踏切の外へ。
しかし、女性に急ぐ様子は見られませんでした。それどころか、下りた遮断機の手前で立ち止まったというのです。
そして数十秒後、左から来た列車にはねられ、亡くなりました。
警視庁が防犯カメラの映像を解析した結果、女性の顔は最後までスマホに向けられていたということです・・・

労働組合の役割

2021年11月4日   岡本全勝

10月25日の朝日新聞オピニオン欄「記者解説」、沢路毅彦・編集委員の「連合、新体制の課題 働き手多様化、目配りした運動を」から。

・・・連合は政策決定プロセスに深く組み込まれている。労働政策には、政府、労働者代表、経営者代表の「三者構成」で決めるという原則がある。労働政策審議会や最低賃金を決める審議会の労働者代表は、連合が推薦する委員が独占している。財政制度等審議会、法制審議会、産業構造審議会などにも労働者の代表として参加する。
連合に期待されているのは、非正規労働者を含めて働く人全体の利益を政策に反映させることだ。ところが、近年は政権との間合いの取り方に苦労している。
安倍・菅両政権下で連合の存在感は低下した。官邸の会議が多くの重要政策を決め、その大半で連合は外された。連合も参加したとはいえ、「働き方改革」も官邸主導。最低賃金引き上げも官邸の意向を反映した結果だ。
今の野党が政権をとれば問題が解決するわけでもない。かつて民主党政権実現に連合は力を発揮した。ところが、その政策が連合の主張とちぐはぐなことがあった。事業仕分けでは企業倒産時の「未払賃金立替払制度」の廃止が検討された・・・

・・・何より新体制に求められるのは、企業現場の変化に対応しながら、緊張感ある労使関係を作る取り組みだ。
働き方改革でテーマになった長時間労働の是正や、正社員と非正社員の格差を是正する「同一労働同一賃金」について政権が強く介入したのは、現場で労組が本来の役割を十分に果たしていなかったからだ。危機感は連合の今後2年間の運動方針に表れている。うたわれているのは「多様な働き手を含めた集団的労使関係」の強化だ・・・